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番外編2 君と僕の出会いの物語
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しおりを挟む暫し時が過ぎた頃、扉をノックする音で僕は我に返った。珍しい事に驚き、ガバッと頭を上げる。
「応接室に来るようにとの旦那様からの言伝です」
淡々と用件を言い終わった使用人は、僕の返事も待たずにさっさと仕事に戻ってしまい、詳しい事は聞けなかった。
父さまが僕を呼んだ? 父さまが僕を? 僕の存在を覚えてくれている?
ドキドキする。初めてだったから。父さまが僕を呼ぶなんて。
心を弾ませ、急いで応接室に向かう。扉の前で深呼吸をし、ノックをすると父さまの明るい大きな声が部屋の中から聞こえた。
「ミカエル、待ってたぞ!!」
父さまが僕の名前を呼んだ! しかも、なんだか機嫌もいい。
もしかしたら僕と会話をしてくれるかもしれない……そんな期待を胸に応接室に入ると、さっき見かけた幸せ家族がソファーに座っていて、身分の高そうな紳士が優しい眼差しで僕に微笑みかけた。
「こちらアルフォント公爵様だ。ご挨拶をしなさい」
父さまに促され、慌てて僕は頭を下げる。
「はじめまして。ミカエル・シーメスです」
公爵様? 貴族の中でも王家に次ぐ高貴な方じゃないか……なんでそんな方がここに?
「こんにちは、ミカエル君」
慣れない状況に僕は戸惑ってしまう。一生僕とは縁がないといっても過言ではないくらいの上流貴族。どうしていいのかわからず、父さまを見上げたが、父さまの満面の笑みは終始アルフォント公爵様に向けられていて、僕の事はチラリとも見てくれなかった。
そして、父さまはそのまま僕の方を向くことなく、驚きの言葉を口にする。
「公爵様がお前を引き取りたいそうだ」
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