279 / 298
番外編 1 君の姿を…… (本編 忘却の……の少し後のお話です)
7
しおりを挟む「コホン、皆さん」
学園長の咳払いが聞こえ、皆が一旦動きを止めた。
ナイスッ、学園長!!
「それでは、今からダンスの音楽を……ん……ビリッ?」
オーケストラの方へ体の向きを変えた学園長の足元から、紙が破れたような音が聞こえた。生徒の視線は学園長の足元に集中する。
そこには、学園長が踏んづけている手のひらほどの2枚の紙が無残な姿になっていて、その場にいた者は息を呑んだ。
姿を写す特別な紙……あれがないと魔法道具もただのガラクタなんじゃ……
「ああぁぁぁぁぁっ」
僕らの悲鳴に近い声が響き渡る。
学園長は引きつった笑いを生徒達に向け、高速早口でダンスパーティーの始まりを告げた。
「あ……あ……はい。本体の方は無事ですから……さぁ、ダンスを始めましょう!!」
オーケストラに指示を出し、私は忙しいので後は任せます。とそそくさと消えていった学園長。
皆、踊るのも忘れ、呆然とその場に立ち尽くしていた。
生徒全員が、今、同じ事を思ったに違いない。
あんだけ長話しといて、忙しいわけないだろ! このボケナス!!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
47
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる