277 / 298
番外編 1 君の姿を…… (本編 忘却の……の少し後のお話です)
5
しおりを挟む「リーズル嬢、優秀ペアになりましょう」
「当然ですわ」
僕とリーズルは目と目を合わせ、優秀ペアになる意思を固めた。余裕たっぷりにふふんっと笑う、いつになく強気のリーズル。
「いやいやリーズル嬢、優秀ペアは僕達のものだよ」
「そうですわ。私が本気をだせば、あなた達には負けませんことよ! おーほっほっほ」
穏やかに微笑むジェスターの瞳は自信に満ち溢れ、隣にいたローザは高笑いを周りに響かせる。
どこの悪役だよっ。
「アルベルト様! 私も高笑いした方がよろしいですか!? なんだか戦ってる感じがしますよね! 高笑いしましょう!」
僕達のやり取りを見ていた義姉さまは、目をキラキラと輝かせ、興奮気味にアルベルトに聞いていた。
「……やめとけ」
「悪役令嬢っぽくって楽しそうですよ!」
「どこがだっ」
アルベルトに即却下されたにもかかわらず、義姉さまは咳払いをし、あー、あー、あーと高笑いの為か声の調子を確認しだす。
ええぇ……義姉さま、アレ、やるの?
そんな僕らをよそに、ローザとリーズルの応酬は続く。
「良くお聞きなさい、リーズル様。あなた達がダンスでトップを取れていたのは、私が手を抜いて差し上げていたからですわよ。調子に乗らない事ね」
両手を腰に当てたローザはツンッと鼻を斜めに上げた。
……この2人、いつも仲いいよね?
「まぁぁぁぁぁ、何を負け惜しみをおっしゃっているのかしら、ローザ様は。ま、弱い犬ほど良く吠えると申しますし、普段の授業で実力が出せないなんて、たかが知れてますわぁぁ」
厭味ったらしいリーズルの声にローザがキッと睨みつける。
「まぁぁ!! 生意気!」
「生意気とは、どの口がおっしゃってるのかしら!」
ヒートアップしていく2人に僕とジェスターは顔を見合わせた。
この白熱している戦い、どうすりゃ止まるのさ!!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
47
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる