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番外編 1 君の姿を…… (本編 忘却の……の少し後のお話です)

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「リーズル嬢、優秀ペアになりましょう」
「当然ですわ」

 僕とリーズルは目と目を合わせ、優秀ペアになる意思を固めた。余裕たっぷりにふふんっと笑う、いつになく強気のリーズル。

「いやいやリーズル嬢、優秀ペアは僕達のものだよ」
「そうですわ。私が本気をだせば、あなた達には負けませんことよ! おーほっほっほ」

 穏やかに微笑むジェスターの瞳は自信に満ち溢れ、隣にいたローザは高笑いを周りに響かせる。

 どこの悪役だよっ。

「アルベルト様! 私も高笑いした方がよろしいですか!? なんだか戦ってる感じがしますよね! 高笑いしましょう!」

 僕達のやり取りを見ていた義姉さまは、目をキラキラと輝かせ、興奮気味にアルベルトに聞いていた。

「……やめとけ」
「悪役令嬢っぽくって楽しそうですよ!」
「どこがだっ」

 アルベルトに即却下されたにもかかわらず、義姉さまは咳払いをし、あー、あー、あーと高笑いの為か声の調子を確認しだす。

 ええぇ……義姉さま、アレ、やるの?

 そんな僕らをよそに、ローザとリーズルの応酬は続く。

「良くお聞きなさい、リーズル様。あなた達がダンスでトップを取れていたのは、私が手を抜いて差し上げていたからですわよ。調子に乗らない事ね」

 両手を腰に当てたローザはツンッと鼻を斜めに上げた。

 ……この2人、いつも仲いいよね?

「まぁぁぁぁぁ、何を負け惜しみをおっしゃっているのかしら、ローザ様は。ま、弱い犬ほど良く吠えると申しますし、普段の授業で実力が出せないなんて、たかが知れてますわぁぁ」

 厭味ったらしいリーズルの声にローザがキッと睨みつける。

「まぁぁ!! 生意気!」
「生意気とは、どの口がおっしゃってるのかしら!」

 ヒートアップしていく2人に僕とジェスターは顔を見合わせた。

 この白熱している戦い、どうすりゃ止まるのさ!!
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