1番近くて、1番遠い……僕は義姉に恋をする

桜乃

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後日談 プディングを……

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 2時間ほど経ち、気分転換に外の空気を吸いに部屋を出ると、庭師のジョレルに呼び止められる。

「ああ、ミカエル坊っちゃん。中庭のテーブルに空の瓶が3つ置いてありまして……なにか、思い当たる事ありますか?」
「空の瓶?」
「はい。なにか事情があるといけませんので、皆さんにお聞きしてから、片付けようと思いまして」

 その時、周りにふわりと暖かい風が吹き、僕の耳に言葉が届く。

『美味しかったぞい』

 思わず、ぷっと吹き出してしまった。

 なんだ、あの人は食べたのか。
 あの猫は……なるほど、そういう事だったんだな。
 あの人らしいや。

 僕はクスリと笑い、心の中であの人へ返事をする。

 それは良かったです。

「ジョレル、その瓶は片付けておいてくれる?」
「あ、坊っちゃんが知ってましたか」
「うん、僕が置いたんだ。もう用は終わったから」
「かしこまりました」

 ジョレルが軽く頭を下げ、中庭に戻ろうとした時、たまたま廊下に飾られたあき薔薇ばらが僕の視界に入った。

「ねぇ、ジョレル……薔薇ばらの花言葉って知ってる?」
「薔薇……ですか……まぁ、愛……とか美とかですかね?」
「ふぅん……」

 大して目新しい話じゃないな……それくらいなら僕も知ってるし。

 シースアクト様は、なんだか含みを持たせていたけど、髪飾りの7つの薔薇にはどういう意味があったんだろう?
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