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義父さまが……
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しおりを挟むしばらくして、義父さまが顔を出し、義姉さまと感慨深げに言葉を交わしていた。
「クラリス、今日は一段と綺麗だね」
「ありがとうございます、お父さま。セリナがね、張り切ってくれたの。あとで声を掛けてあげてください」
「ああ、そうしよう」
ニコリと微笑んだ後、社交界デビューの白いドレスがウェディングドレスを彷彿とさせるのか、義父さまは少し寂しそうな笑顔を見せる。
「すぐに結婚してしまうんだろうなぁ……」
「……そんな」
反論しようと顔を上げるも、僕は口をつぐんだ。
……今のままじゃ、アルベルトとの結婚は避けられないのも事実。
「もぉ……お父様ったら! 結婚なんて、まだまだ先ですわ」
ニコニコ微笑む義姉さまを見て、感極まってしまったのか義父さまが泣き出し、僕はぎょっとする。
「結婚……クラリスが……ああ、あんなに小さかったのに……『大きくっなったら、お父たまと結婚するのー』と天使の笑顔で言っていたのに……王子とはいえ、他の男に盗られるなんて!」
義父さまは泣きながら、僕の手を両手でガシッと握る。
「明日にでも『お父さま、育ててくれてありがとうございました』なんて言って、アルフォント家を出ていくんだぞ。ミカエル、その時は一緒に泣こうな」
い、嫌ですっ!!!!
そんな状況、考えたくないんですけどっ! っていうか、もうすでに泣いてるじゃないですか!!
「邪魔するぞ……なんか取り込み中だったか? ノックしても返事がないし……」
扉が開き、使用人に先導されたアルベルトとジェスター……今、1番、来ちゃいけない奴が姿を現す。そして、義父さまが僕の手を握り、号泣している姿を見て、絶句した。
「…………これは……その……いったい……公爵に何があったんだ?」
アルベルトが呆然としながら、質問する。
ああ、タイミング……最っ悪……
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