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誕生日1週間前 ~クラリス視点~
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しおりを挟む私はミカエルの事も気になりつつ、本題に入る。
「アルベルト様、申し訳ございません。1週間後のパーティーで私と踊っていただく事態になってしまいまして。うっかりしてました」
「いや……それは……別に……」
「どうしましょ……すっかり忘れていましたわ……」
「そのまま、忘れてくれてても……」
「婚約してる事」
「それはダメだ」
しどろもどろだったアルベルト様は急にきっぱり否定し、呆れ顔で「破棄の事じゃなく、婚約の事実を忘れるって意味わからんぞ……」とブツブツと文句を言っている。
あちゃー、早く破棄したかっただろうに、その相手が婚約そのものを忘れてたって……ありえない、ありえないよね、自分でもありえないって思うもん。
ほんと、ごめんなさい。
「申し訳ございません、アルベルト様。でも、1週間じゃ破棄もできませんわね。変な噂が立っちゃう」
「いや、だから、破棄する必要は」
「ミカエルに相談してみますね」
頼れる義弟ミカエルが頭に浮かんだ私は、ナイスアイディアだと思い、パンッと両手を合わせた。
「まて! ミカエルに相談なんてしなくていい。もちろん、ジェスターにもだ」
え? そうなの?
ミカエルを探しに行こうと歩き始めた私の腕を、アルベルト様は慌てて掴む。
あ、喧嘩中だから?
じゃあ、誰に相談したらいいのかな?
天兄? いや、今すぐ国王様を脅しにいきかねない。
雪兄? いやいや、パーティー会場を燃やしかねない。
ダメだ。あの2人では穏便に済むわけがない。
うん、間違いない。
私は確信し、頷く。
今日のおやつを賭けてもいい。
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