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異母弟が……
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しおりを挟むトーマスを呼び、紅茶を頼んでいると、何故か義姉さまもひょっこり扉から顔を出す。
「あれ? ファンレー、ミカエルに泣かされたの?」
義姉さまの開口一番の言葉に、僕は飲み干そうと口をつけた冷めた紅茶を吹き出しそうになった。
「ファンレー、ミカエルに意地悪されたら、私に言いなさい。お姉ちゃんがやっつけてあげるからね」
「任せなさーい」と張った胸をトンッと叩く義姉さまに反論しようとむりやり飲み込んだ紅茶が変なところに入ってしまい、ゴホゴホ咳き込む僕。
「な、何いってんのさ!」
「冗談よ。大丈夫?」
ふふっと悪戯っぽく笑う義姉さまがかわいくて、もう……と苦笑してしまう。
僕達のやり取りを見たファンレーは、我慢できなくなったのかクスクス笑い出した。
「ねぇねぇ、お話終わった? 私も一緒にお茶していい?」
「もちろん。トーマス、義姉さまにお茶を」
義姉さまはファンレーの隣りに座り、持っていた白いハンカチに包まれたお菓子を広げ、ニコニコしていた。
「急だったから、凝ったお菓子は作れなかったんだけど。これね、メレンゲのお菓子」
「メレンゲの……お菓子?」
「そうよ。甘いんだから」
「あの……兄さま……」
いきなりハンカチから白くて丸いお菓子が出てきて、どうしたらいいのかわからないのか、僕をチラチラ見ては様子を窺っている。
「いただいたら? 義姉さまがせっかく持ってきてくれたんだし」
「そうよ、遠慮しないで。はい、あーん」
「それは、ダメ。ファンレー、自分の手で食べなさい」
「なによぉ、この前、ミカエルもあーんしてって」
「あああああっ!」
義姉さまの声をかき消すため、慌てて意味もなく大きな声を上げたが、バッチリ聞こえてしまったらしく、ファンレーはポカンと口を開けていた。
「え……兄さまが……」
「ファンレー! と、とにかく、いただきなさい!」
顔が赤く染まっていくのを感じながら、プイッと横をむく。
もう……勘弁して……ホント、恥ずかし……
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