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異母弟が……
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しおりを挟む翌日。
学園の授業が終わり、僕は門で義姉さまを待っていた。
アルベルトは王家の行事があるとかで渋々帰り、1人で門に寄りかかりながら考えを巡らせる。
まず、早急に結論を出さなくてはいけないのは、シーメス家の領地買い取り。
正直、あんな土地はいらない。
何度考えても、アルフォント家にプラスになるとは思えない。
やっぱり、アルフォント家の為を思うなら手を出さない、一択しかない。
しかない……けど……
ファンレー・シーメス。
僕の頭をよぎる異母弟の存在が決断を鈍らせる。
右も左もわからず、当主になってしまった異母弟。
シーメス男爵にかわいがられ、大切に育てられていたファンレーもあの人の犠牲になったといっても、過言ではない。
そう思うと……見捨てるのは……
目を伏せながら、考えに没頭していた僕は、周囲の小さなざわめきにふと現実に戻った。
「あのっ、ミカエル・アルフォント様はどちらにいらっしゃいますか?」
知らない声が僕の名を口にしているのが聞こえ、顔を上げる。
通りすがりの生徒に、僕の所在を尋ねている見たことのない男の子を皆が注目していた。
誰……?
僕は名乗る前に彼をジッと見つめ、様子を窺う。
金髪の髪……歳は10歳……11歳くらい?
覚えはない……が……アイスブルーのあの瞳。
あの人と……僕と……同じ色。
男の子は視線を感じたのか僕を見つけ、ぱぁと顔を明るくした。そして、トトトッと走ってきて、息を切らせながら、嬉しそうに僕を見上げ、シーメス家の紋章が刻まれた指輪を見せる。
「やっと会えました。兄さま」
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