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仕事で……

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 セリナに2人の席を早急に準備をしてもらい、お茶を飲み始めた。

「ノックしても返事がないし……2人で何してるの?」

 笑顔のジェスターは義姉さまから死角になる僕の腕を思いっきり……それこそ、本当に力を込めて、つねる。

 ほんっと、痛いから!

 僕がキッと睨んでも、素知らぬ顔で義姉さまにニコニコし続けている。

 チッ……憎らしい奴め。

「えっと……新商品をミカエルと検討してまして……」
「クラリス、お前、男にあーん……とか、新商品は関係ないだろ」

 アルベルトはジェスターに比べ、単純でわかりやすい。
 仏頂面でプイッと横を向き、イライラした様子で机を指でトントントンと叩き、不機嫌な声音を出す。

「あー、でも、ミカエルですし……」
「クラリス、ミカエル、だよ」

 ジェスターは穏やかな微笑みを携え……目は笑ってないけどさ……小さい子に言い聞かすように優しく諭し、アルベルトは、あさっての方向を見ながら、僕に聞かせるために語気を強める。

「まぁ、家族だし? だしなぁ。そうそう義弟おとうと義弟おとうと

 義弟おとうとって連呼するな、義弟って!

「なに言ってんの? 抱きしめたり、膝枕しようとしていた誰かさん達には言われたくないなぁ」

 僕は2人にむかって、最高級の笑顔を見せる。

 目に「だ・ま・れ」と含ませて。


 ……2人とも、自分のこと棚に上げすぎでしょ。
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