1番近くて、1番遠い……僕は義姉に恋をする

桜乃

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閑話 ブライトン兄弟の内緒の話……後日談を添えて

内緒の話 〜エドワード視点〜 3

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 俺は「なんとなく」で、上級魔法を使いまくっていた弟に溜息をつきながら、視線を向ける。
 雪斗は美咲の事を心配して、考えを巡らせていた。

 そうだな……もう過去の事はいい。
 問題は明日だ。

「まずいな。あいつらがそのまじないを信じていれば……信じてるだろうなぁ」

 再び3人の顔を思い出し、ククッと笑う。

 間違いない、あいつらは信じている。

「あのまじないを実行されると……まずい」
「だな」

 ただの迷信ならほっとくが、雪斗の魔法が関わっているなら、話は別だ。

「他の生徒が惚れた腫れたするのは構わんが、美咲はだめだ」
「もちろんだ」
「なのに、急に王から内密の仕事を渡されて、明日、学園に行けない」
「俺もだ。急遽、明日、王の護衛を……」

 俺達は顔を見合わせた。

「兄さんも? ああ…なるほど。アルベルト王子か……」
「あ? ティーパーティーに俺達をこさせないように手を打ったか」

 がっつりまじない信じてるじゃないか……アルベルトあいつ

「だろうな」
アルベルトあいつもやるなぁ」

 後頭部で手を組み、天井を眺め、あいつの必死さに思わずニヤリとしてしまった。

 雪斗も同じことを考えたのか、腕を組み、静かに笑う。

「まだ甘いな。こんなことで、僕たちを封じたつもりなのかな」
「ああ、ほんとに」
「この僕に小細工なんて、100万年早い。今度、特別に鍛錬してやるか」
「まあ、ほどほどにしといてやれよ」

 俺は苦笑した。

 落ち着いたら、俺もしっかりきっちり剣を教えてやるかな。

 事情さえわかれば、まじないの事はなんとでもなる。

 明日の手筈を整え、雪斗は仕事があるからと帰っていった。
「ああ、ゆっくり美咲とお茶が飲みたい」とブツブツ言いながら。
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