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スプリングティーパーティーで……
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しおりを挟む「義姉さま!!」
走り出し、僕は大声で呼ぶ。
義姉さまは振り返り、あら? と微笑んだ。
「ミカエル? どうしたの? そんなに急いで」
義姉さまは屈託なく笑い、ジェスターはリボンをしまうと、苦虫を噛み潰したような顔で僕を見る。
チッ……とジェスターの舌打ちが聞こえそうだ。
ふぅぅ……危ない。これで、安易にジェスターは渡せない……って、僕もじゃん!
「クラリス!」
後ろから、アルベルトの声がした。
もぉ! 一生、ご令嬢に囲まれてればいいのに!
「クラリス、ちょっと話が……」
「まって、僕も話があるんだ、義姉さま」
「クラリス、僕と最初にいたから、一番最初は僕の話を……」
「まて、婚約者の俺が最優先だろ?」
「はぁ? どうせ婚約破棄するんだから関係ないね」
なんか、もう、この時点で「コッソリ」って要素がなくなっていると思うけど、細かい事はどうでもいい。
「だいたい、アルベルトとミカエルはご令嬢達に囲まれていただろう」
「なっ……」
義姉さまの前で余計な事をジェスターが言い、僕とアルベルトは口をつぐむ。
……ああ、わかった。
ご令嬢達をけしかけたの、ジェスターだねっ!
だから、あんなに積極的だったんだ!
ジェスターに憎々しい目を向けたが、相変わらずのポーカーフェイス。
この、策士めっ。
いや、文句を言うのは、後だ……義姉さま……あれ?
さっきまでここにいたはずの義姉さまが、いつの間にかいなくなり、僕達3人はきょろきょろと見渡した。
少し離れた場所で、ここにはいないはずの人物と楽しそうに話す義姉さまの姿を見つけ、僕は絶望的な気分になる。
なぜ……あいつがいるのさ……
我が国、最強王宮騎士。
エドワード・ブライトン!!
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