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スプリングティーパーティーで……

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 未だに「美しいと言われたのは誰か?」と言い合っているご令嬢達に困り果てた僕は、もう一度、断ろうと試みる。

「ええっと……皆さん、優劣つけ難く、百花繚乱ひゃっかりょうらん、お綺麗ですが、僕は先約が……」
「きゃあ、お綺麗ですって!」

 聞いて…………ない!!

「アルフォント様! 美味しい紅茶がありましてよ!」
「あちらに席を用意しておりますの!」

 なんか、今日のご令嬢達、いつも以上に積極的だな……
 でも、本当にごめん。もうすぐ、1曲目が終わるから、僕は行かなきゃ。

 君達のお相手はジェスターにでも……

「急いでますので」と、ご令嬢達に笑顔をむけながら、目でジェスターを探す……あいつ! 義姉さまの隣にいるなんて!

「本当にすみません。ちょっと、急ぎますので……」

 僕はペコリと頭を下げ、足早に義姉さまの元にむかう。
 後方から令嬢達のコソコソ話す声が聞こえた。

「今日もアルフォント様とお近づきになれなかったわ」
「また、今度、お誘いしましょう」

 いや、ごめんね。
 いつ誘われても、お誘いにはのらないよ?

 ああ、2曲目が始まった……時間をロス……

 焦りながら、ジェスターを何気なく見ると、ポケットに手を入れ、何かを取り出す仕草を始めた。


 えっ……ジェスター? まさか……!?
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