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スプリングティーパーティーで……

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 学園長が「ティーパーティーを開催するにあたって~」から始まり「ティーパーティーの歴史」をずっとずっと話し続けていた。
 
 相変わらずの話の長さに、皆の顔がゲッソリと疲れ切っているのも気にならないのか、気がついてないのか……

 早く終わらないかな……と思いながら、何度もポケットに手を入れ、きれいに包まれた袋を確認する。

 うん……準備万端。

 2曲目だったよね。
 義姉さまを呼び出して……あの2人……アルベルトとジェスターに見つからない様に言わなきゃな。

 大丈夫……上手くいく……きっと、おそらく、たぶん……

 僕は自分に何度も言い聞かせる。

 もちろん、まじないを全面的に信じているわけじゃない……子供騙しだとも思うけど……思うけどさ……

 やっと、学園長の話が終わり、ホッとし、各々お茶を飲み始めた。

 ティーパーティーのメインである珍しい茶葉をご令嬢達が、楽しそうに選んでいる姿を横目で見ながら、義姉さまの姿を探していると、ご令嬢に囲まれ、あたふたしているアルベルトの姿が目に入り、僕はクスリと笑ってしまう。

 そのまま囲まれていてね……一生。
 えっと……義姉さまは……

「アルフォント様!」

 女性の声に振り返り、7、8人のご令嬢がモジモジしている姿が目に入る……えっ……と……嫌な予感。

「あちらで一緒にお茶を……」
「ああ、すみません。美しいご令嬢方。僕は先約がありまして……」

 にっこり笑い、ご令嬢達が恥ずかしくならないよう、丁重に断りの言葉を口にすると、彼女達は頬を赤く染め、うつむき加減だった顔を上げた。

「きゃあぁぁ、アルフォント様が、私の事、美しいですって」
「あら、私に向かっておっしゃったのよ」
「いえいえ、アルフォント様の目は私を見てたわ!」

 誰に美しいと言ったかで、なぜか、きゃあきゃあ言い始めたご令嬢達に当惑し、僕は思う。

 ソコジャナイ…………

 伝えたい事は、そこじゃない。
 先約があるという言葉は聞いていたのかな? ご令嬢方……
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