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エドワードとザラと……〜クラリス視点〜

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 あれから……3年かぁ。

 なんだか感慨深くなって、ふぅ……と息を吐いた。

 お兄ちゃん達は、本当の弟のようにミカエルをかわいがってくれている。
 マメに手紙を送ったりしているみたいだし。
 
 今日だって、ミカエルに「入学おめでとう」ってお祝いのメッセージくれたしね。

 お兄ちゃん達とミカエルが仲良しなのは、やっぱり嬉しい。

 私は手紙を見ている振りをしながら、チラリとミカエルを盗み見ると、なにか考え事をしているのか机の上で手を組み、ぼんやりしていた。

 どうしたのかな?
 学園のクラスがジェスター様と別になったから、落ち込んでいるのかなぁ……ジェスター様は私と同じクラスなんだけど。ミカエルにとっては残念な事よね……アルベルト様、ジェスター様はミカエルにとっては大親友。3人一緒が良かったよねぇ。

「ミカエル?」

 心ここにあらず、な様子のミカエルの顔を覗き込む。私がそばに来たことにも気づかなかったのか、呼び声で我に返り、慌てて私に笑顔をむけた。

「ああ、ごめんね、義姉さま」

 にっこりと笑いかけてくれる笑顔は、昔から変わらない。
 優しげなアイスブルーの瞳の穏やか微笑み……私はミカエルの笑顔がとても好きだ。

 昔、大人に立ち向かったのだって、ミカエルに笑顔でいてほしかったから。

 ミカエルの笑顔の為ならば、私は頑張るよ。

 だって、私、お義姉ねえちゃんだもん。

「お茶でもしない?」
「そうだね。気持ちいい気候だし、中庭でお茶する?」

 少しは気晴らしになるかと思ってお茶に誘うと、ミカエルは明るい声で返事をし、部屋付きのメイドに準備をお願いする。

 ミカエルがスッと立ち上がり「行こうか」とニコッと笑った姿に私の胸がトクンっと小さく震えた。

 あれ? いつの間にあんなに背が伸びたんだろう……
 それに……大人っぽくなって、ますますかっこ良くなったなぁ……うん、本当に……かっこいい……な。

 少し火照ほてった顔を両手で押さえ、頬を緩める。
 拡声器を持って世界中に自慢したい。

「みてみてー、私の義弟おとうと。かっこいいでしょ? 優しいでしょ? 素敵でしょー!」

 って……拡声器なんて、この世界にはないけど。

「どうしたの。義姉さま?」

 ミカエルが振り向き、なかなか動き出さなかった私を不思議そうに問う。

「ふふっ、なんでもないわ。行きましょ」

 私は照れ隠しに、ミカエルの腕を掴むと、微笑みを返し、中庭へむかって歩き始めた。
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