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強敵が……
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午後、僕はザラ様の執務室にいた。
初めて入った王宮魔道士長執務室は、両壁面に本棚がそびえ立ち、難しそうな本がみっちりと詰め込まれ、威圧感が半端なかった。
「エドワード様、ザラ様、義弟のミカエルですわ」
部屋の奥で、積み重なった書類を前に座っている銀髪の魔道士と、腰に剣をぶら下げ、ソファで寛いでいる騎士に紹介され、僕は深々とお辞儀をする。
「初めまして、ミカエル・アルフォントです」
我が国攻防のトップに立つ2人だ。
本来なら、僕がおいそれと会えるような方々ではない。
粗相のないように接しないと。
にしても……
あまり外に姿を現さない2人。
初見の僕は驚きを隠せない。
御二方とも眉目秀麗との噂はあったけれど、これ程とは……
ザラ様は女性と見間違うくらい麗しく、銀色の長い髪を掻き上げる姿が美しい。
エドワード様はトップ騎士らしく、すきのない佇まい。精悍で、男の僕から見ても惚れ惚れするほど、かっこいい。
年が離れているとはいえ、あまり義姉さまの周りにいて欲しくないな。
そんな事を考えながら、僕は顔を上げ、2人を見ると……背中に冷たいものを投げ込まれたような、ゾクッとした悪寒が走る。
2人からの睨めつける視線が僕に絡まってきたからだ。
なんだろう……僕に心当たりはないんだけど。
僕が睨まれていたのは、ほんの1、2秒の出来事だけど、さすが、国の攻防を担っている2人の目。視線だけでも圧が強すぎて、僕には時間が止まったように思えてしまう。
なんだ……これ……
先に口を開いたのは、エドワード様だった。
「ようこそ、ミカエル君。クラリスの自慢の義弟君とのことで、会うのが楽しみだったよ」
ニコリと懐っこい笑顔をむけてくれたが……違和感を覚える。
「私は仕事があるから、あまりお相手できませんが、ゆっくりしていってください」
ザラ様が机の上で手を組み、氷のように冷たい眼差しで僕をジッと見つめる。
なぜ、2人が初対面の僕に対して、こんな目をするのか、皆目検討もつかないまま、引きつった顔を誤魔化す為に、精一杯、微笑みを浮かべ「ありがとうございます」と頭を下げた。
初めて入った王宮魔道士長執務室は、両壁面に本棚がそびえ立ち、難しそうな本がみっちりと詰め込まれ、威圧感が半端なかった。
「エドワード様、ザラ様、義弟のミカエルですわ」
部屋の奥で、積み重なった書類を前に座っている銀髪の魔道士と、腰に剣をぶら下げ、ソファで寛いでいる騎士に紹介され、僕は深々とお辞儀をする。
「初めまして、ミカエル・アルフォントです」
我が国攻防のトップに立つ2人だ。
本来なら、僕がおいそれと会えるような方々ではない。
粗相のないように接しないと。
にしても……
あまり外に姿を現さない2人。
初見の僕は驚きを隠せない。
御二方とも眉目秀麗との噂はあったけれど、これ程とは……
ザラ様は女性と見間違うくらい麗しく、銀色の長い髪を掻き上げる姿が美しい。
エドワード様はトップ騎士らしく、すきのない佇まい。精悍で、男の僕から見ても惚れ惚れするほど、かっこいい。
年が離れているとはいえ、あまり義姉さまの周りにいて欲しくないな。
そんな事を考えながら、僕は顔を上げ、2人を見ると……背中に冷たいものを投げ込まれたような、ゾクッとした悪寒が走る。
2人からの睨めつける視線が僕に絡まってきたからだ。
なんだろう……僕に心当たりはないんだけど。
僕が睨まれていたのは、ほんの1、2秒の出来事だけど、さすが、国の攻防を担っている2人の目。視線だけでも圧が強すぎて、僕には時間が止まったように思えてしまう。
なんだ……これ……
先に口を開いたのは、エドワード様だった。
「ようこそ、ミカエル君。クラリスの自慢の義弟君とのことで、会うのが楽しみだったよ」
ニコリと懐っこい笑顔をむけてくれたが……違和感を覚える。
「私は仕事があるから、あまりお相手できませんが、ゆっくりしていってください」
ザラ様が机の上で手を組み、氷のように冷たい眼差しで僕をジッと見つめる。
なぜ、2人が初対面の僕に対して、こんな目をするのか、皆目検討もつかないまま、引きつった顔を誤魔化す為に、精一杯、微笑みを浮かべ「ありがとうございます」と頭を下げた。
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