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強敵が……
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窓から射し込む柔らかな日差しを浴びながら、頬杖をつき、流れる雲をぼぅと眺めていた。
つがいらしき2羽の小鳥が仲良さそうに空を羽ばたいているのが目に映る。
ああ、春だもんな。
2羽一緒でいいなぁぁと小鳥達を羨ましく思う自分がいる。
僕達……義姉さまと僕、親友達も16歳となり、明日、王立スピネル学園に入学する……なのに、準備する気が全く起きない。
この無気力の1番の原因は、先日、連絡がきたスピネル学園からのクラスの決定。
2年間、僕は義姉さまとは別のクラスになってしまった。
僕はアルベルトと同じクラスで、義姉さまは……ジェスターと同じクラス。
机に突っ伏し、僕はつぶやく。
「よりによって、ジェスターかぁ」
もちろん、アルベルトだったらいいわけじゃないけどさ。
親友ではあるけれど、油断できない男。
シトリン家次期当主として教育を受けているからか、元々の性格なのか……きっと両方なんだろうな。
そんな彼が義姉さまに惚れ込んでいるのも勘弁して欲しいのに、ここにきて同じクラスになるなんて……
よく親友同士が同じ人を好きになって、2人の幸せを思い身を引く。なんて物語があるけど、あんなの嘘だなって思う。
少なくとも僕達3人は、誰一人、身を引く気はないのだから。
義姉さまとアルベルトの婚約破棄が進まないのも、憂鬱な気分を増長させている一因だ。
義姉さまとアルベルトが婚約して4年。
未だ婚約破棄叶わず。
どうにもこうにもアルベルトが破棄話をかわすわ、潰すわ。普段、気のいいアルベルトからは考えられないほど、強固に婚約を守り抜いていた。
僕もジェスターも裏で手をまわしていたが、アルベルトの意志が強すぎて、なかなか首を縦に振らない。
王命でアルベルトは仕方なく婚約を受け入れたと思っている義姉さまも、国王様に謁見を申し込むが、すべて失敗。
直接、王命取消の懇願ができないのだ。
義姉さまは「とてつもない巨大な権力に邪魔されている気がする。婚約破棄をお約束したのに、アルベルト様に申し訳がないわ」などと日々、口にしているが、巨大な権力は当の本人、アルベルトだから!!
でも……もし、僕がアルベルトの立場なら絶対婚約破棄はしないもんなぁ。
必死に破棄を拒否するのは当然といえば当然だとは思う。
まぁ、アルベルトが、どんなにあがいても婚約破棄はしてもらう。
絶対にだ。
だけど……
僕は机に突っ伏したまま、目をつむった。
問題はアルベルトやジェスターだけじゃない……親友以上に手強い敵が3年前……魔力制御装置を義姉さまが受け取りに行った日から現れた。
その事を考えると、いくら溜息をついてもつき足りない。
僕は目をつむったまま、大きく大きく溜息をついた。
つがいらしき2羽の小鳥が仲良さそうに空を羽ばたいているのが目に映る。
ああ、春だもんな。
2羽一緒でいいなぁぁと小鳥達を羨ましく思う自分がいる。
僕達……義姉さまと僕、親友達も16歳となり、明日、王立スピネル学園に入学する……なのに、準備する気が全く起きない。
この無気力の1番の原因は、先日、連絡がきたスピネル学園からのクラスの決定。
2年間、僕は義姉さまとは別のクラスになってしまった。
僕はアルベルトと同じクラスで、義姉さまは……ジェスターと同じクラス。
机に突っ伏し、僕はつぶやく。
「よりによって、ジェスターかぁ」
もちろん、アルベルトだったらいいわけじゃないけどさ。
親友ではあるけれど、油断できない男。
シトリン家次期当主として教育を受けているからか、元々の性格なのか……きっと両方なんだろうな。
そんな彼が義姉さまに惚れ込んでいるのも勘弁して欲しいのに、ここにきて同じクラスになるなんて……
よく親友同士が同じ人を好きになって、2人の幸せを思い身を引く。なんて物語があるけど、あんなの嘘だなって思う。
少なくとも僕達3人は、誰一人、身を引く気はないのだから。
義姉さまとアルベルトの婚約破棄が進まないのも、憂鬱な気分を増長させている一因だ。
義姉さまとアルベルトが婚約して4年。
未だ婚約破棄叶わず。
どうにもこうにもアルベルトが破棄話をかわすわ、潰すわ。普段、気のいいアルベルトからは考えられないほど、強固に婚約を守り抜いていた。
僕もジェスターも裏で手をまわしていたが、アルベルトの意志が強すぎて、なかなか首を縦に振らない。
王命でアルベルトは仕方なく婚約を受け入れたと思っている義姉さまも、国王様に謁見を申し込むが、すべて失敗。
直接、王命取消の懇願ができないのだ。
義姉さまは「とてつもない巨大な権力に邪魔されている気がする。婚約破棄をお約束したのに、アルベルト様に申し訳がないわ」などと日々、口にしているが、巨大な権力は当の本人、アルベルトだから!!
でも……もし、僕がアルベルトの立場なら絶対婚約破棄はしないもんなぁ。
必死に破棄を拒否するのは当然といえば当然だとは思う。
まぁ、アルベルトが、どんなにあがいても婚約破棄はしてもらう。
絶対にだ。
だけど……
僕は机に突っ伏したまま、目をつむった。
問題はアルベルトやジェスターだけじゃない……親友以上に手強い敵が3年前……魔力制御装置を義姉さまが受け取りに行った日から現れた。
その事を考えると、いくら溜息をついてもつき足りない。
僕は目をつむったまま、大きく大きく溜息をついた。
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