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婚約者が……
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義姉さまの鈍感さは、置いておくとしても。
アルベルトが反省してても許さないし、そもそも、反省なんかしているわけない。
僕らが激怒しているから、じゃあ、クラリスのこと諦めます。なんて言うような奴だったら、とっくの昔に恋敵なんかじゃなくなってる。
アルベルトもジェスターと同じくらい、諦めが悪い男だから。
「座れば?」
なんとなく居心地悪そうに、そわそわしているアルベルトにぶっきらぼうに話しかける。
そんなところでウロウロされては落ち着かない。
アルベルトは空いている椅子に座ると、緊張していたのか、出された紅茶をクイッと勢いよく飲んだ。
「アルベルト様、あの、婚約の件ですけど……」
「ああ……」
落ち着いたのを見計らい、義姉さまが口火を切ると、アルベルトは覚悟を決めた顔になり、僕とジェスターは背筋を伸ばす。
「なぜ、婚約の話になったのかご存知ですか?」
この質問にアルベルトは「へっ?」と素っ頓狂な声を出し、当惑の色を見せた。
まぁ、だよね。
身分の高い令嬢、ましてや、魔力が強い魔道士ともなれば、王家との婚約を考えるのは自然の流れ。
普通の令嬢ならば、婚約の話が上がるのは当然と受け止めるはず。
だから、こんな初歩的な質問をされるとは思ってなかったんだろう。
でも、義姉さまは、残念ながら普通じゃなかったんだよなぁ。
だって、アルベルトとの婚約……
忘れてたんだから。
僕はほくそ笑んだ。
さぁ、どうする? アルベルト。
アルベルトが反省してても許さないし、そもそも、反省なんかしているわけない。
僕らが激怒しているから、じゃあ、クラリスのこと諦めます。なんて言うような奴だったら、とっくの昔に恋敵なんかじゃなくなってる。
アルベルトもジェスターと同じくらい、諦めが悪い男だから。
「座れば?」
なんとなく居心地悪そうに、そわそわしているアルベルトにぶっきらぼうに話しかける。
そんなところでウロウロされては落ち着かない。
アルベルトは空いている椅子に座ると、緊張していたのか、出された紅茶をクイッと勢いよく飲んだ。
「アルベルト様、あの、婚約の件ですけど……」
「ああ……」
落ち着いたのを見計らい、義姉さまが口火を切ると、アルベルトは覚悟を決めた顔になり、僕とジェスターは背筋を伸ばす。
「なぜ、婚約の話になったのかご存知ですか?」
この質問にアルベルトは「へっ?」と素っ頓狂な声を出し、当惑の色を見せた。
まぁ、だよね。
身分の高い令嬢、ましてや、魔力が強い魔道士ともなれば、王家との婚約を考えるのは自然の流れ。
普通の令嬢ならば、婚約の話が上がるのは当然と受け止めるはず。
だから、こんな初歩的な質問をされるとは思ってなかったんだろう。
でも、義姉さまは、残念ながら普通じゃなかったんだよなぁ。
だって、アルベルトとの婚約……
忘れてたんだから。
僕はほくそ笑んだ。
さぁ、どうする? アルベルト。
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