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対面 ―たいめん― side クラリス
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しおりを挟む私、クラリス・アルフォントは王宮魔道士長である、ザラ・ブライトン様の執務室にいた。
SSクラス魔道士の着用義務である魔力制御装置を受け取りにきたのだ。
王宮魔道士の方に執務室まで案内してもらったが、仕事中の殺伐としたザラ様のオーラに彼はビクリと震え、そそくさと退室してしまう。
「…………大丈夫、ですよ……………………たぶん」
と、一言残して。
大丈夫って何がぁぁぁぁ!? たぶんって……たぶんって何!?
哀れな仔羊を見るような目で私を見た王宮魔道士の「大丈夫」ほど信じられないものはない!!
彼の言動に、昨日アルベルト様とジェスター様が叫んだ悪魔という単語の信憑性が増してくる。
ど、どうしよう。いきなりは氷漬けはされないよね?
あの優秀な2人すらも恐れているザラ様は、私の存在には気がついているものの仕事が一段落しないのか、無言で忙しなく手を動かしていた。邪魔をしないよう部屋の隅っこで縮こまりながら、ちらりと噂の大魔道士様を盗み見る。
悪魔……というのは、あくまで直接の教え子である2人の意見で、世間では氷銀の大魔道士様と呼ばれ、女性達の憧れの的だ。そして、実際お顔を拝見した私は、その美麗さに驚き、感嘆の溜息をつかずにはいられなかった。
中性的な顔は完璧で眼福もの。煌めく絹糸のようなサラサラの銀髪を片耳にかけ、書類に目を通している姿は色気マシマシ。そして、もし、あのロマンチックな薄紫色の瞳で甘く見つめられたらと思うと、世の女性達……いや男性ですら尊死が続出してしまうだろう。
大量殺人事件勃発である。
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