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2018年上半期

飼育委員会2

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 以前言った通りヒロサダは飼育委員会。そして飼育委員会担当の先生は皐月さつき先生。飼育委員会はヒロサダが勝手に作った委員会で、準備体操委員会などとは違い学校側から認可されていないため、ヒロサダと皐月先生の2人しかいないのだ。
 この日は休日、現在朝の9時前。大相撲3月場所中であるためヒロサダは家で序ノ口の取り組みを見ていた。
 「うおっっ!!。い、勇み足じゃか!?。いや~、興奮するのぉ~」
 そんな至福のひと時を過ごしている時、家の電話が鳴った。
 ヒロサダはやれやれと思いながらも電話に出た。電話の相手は皐月先生だった。
 「もしもしヒロサダ君?飼育委員会担当の皐月だけど。なんとね、飼育する動物が見つかったの!!!」
 「ほ、本当じゃか皐月先生!!!!」
 「だからね、今から学校に来て欲しいんだけど」
 「い、今すぐ行きますじゃ~!!!」
 そう言ってヒロサダは家を出た。

 学校に着き、ヒロサダは中庭の飼育小屋に向かった。そこには人影が見えた。
 「皐月先生~、お待たせしましたじゃ~。、、、、おりょ???」
 そこには、ダンボールで作ったと思われるラクダのコブを背中につけた皐月先生がいた。
 「せ、先生、、、それは????」
 「あらヒロサダ君、見てわからない?フタコブラクダよ。新しく飼育されることになりました!よろしくねヒロサダ君!!!」
 「さ、皐月先生………………」
 皐月先生を飼育小屋に入れるわけにもいかず、ヒロサダはフタコブラクダの皐月先生とスキンシップをとり、皐月先生の機嫌をとった。
 「ふふっ、ヒロサダ君!もうフタコブラクダは飼育しなくていいわね!次はヒトコブラクダを飼育しようかしらね~」
 皐月先生はそう言いながら満足気に帰って行った。
 「さ、皐月先生と2人っきりになるのは危険じゃ~………」
 早く自分以外の飼育委員と飼育する動物を見つけたい。今回の一件でその思いが一層強くなったヒロサダなのであった。
 
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