男子高校生ヒロサダの毎日極楽

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2018年上半期

芸術の授業

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 現在午後の授業中。
 ヒロサダのクラスは、毎週月曜日の午後の授業2時間が芸術の授業となっている。
 芸術の授業は音楽、美術、書道から一つ選択するのだが、ヒロサダは書道を選択しているのだ。

 「皆さん、先週までで書の基本はだいたいマスターできたと思います。それで今日は前回までに学んだことを活かし、それぞれ好きに書いてみてください」
 書道担当の路垣田奈衣じがきたない先生がボンバーマンをしながら言った。

 “永字八法”という言葉があるように、『永』の字はそれを練習することによって書道に必要な止め、はね、はらいなどの技法を学べるという素晴らしい文字だ。ヒロサダ達書道の選択者は、先週まで約4ヶ月、授業にしたら35時間分をそんな『永』の字の練習に費やしてきたのだ。

 程よい静けさの中、皆が一斉に書を書き始める。ヒロサダも、書きたいものがすぐ頭の中にイメージできたため、それを書として表すのに時間はかからなかった。
 「よし、できたじゃ~!。うむ、我ながらいいできじゃなぁ~」
 「あら、ヒロサダ君。何書いたの?私にも見せて~!!!」
 幸か不幸か、書道の時間も眞名井まないちゃんと隣同士のヒロサダ。眞名井ちゃんに半ば強引に完成した書を奪われる。
 「ヒロサダ君、これ何…………?」
 「眞名井ちゅわ~ん、勝手に見ておいてそれはないじゃよ~………。見てわかる通り、さかもとっちゃんがフライングキャメルスピンをしているところじゃ!書にしてまでもかわいいのぉ~」
 「ヒロサダ君何考えているの!?。絵はダメに決まっているでしょ!!!!!」
 書道の時間なのに、書を書かずに美術をしてしまったヒロサダに思わず声を荒げる眞名井ちゃん。しかし、かく言う眞名井ちゃんも半紙157枚に渡ってヒロサダへの愛のポエムを書いていたのだ。
 
 書道の先生からは、放課後に居残り説教されたヒロサダと眞名井ちゃんだったが、美術の先生と和歌の先生からは素晴らしい評価をもらえたようだ。
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