74 / 181
2018年上半期
学年主任
しおりを挟む
「週番前を~」
2限が終了した頃、3限の現代文担当の先生がやって来た。前の授業の板書が残っていたため、週番に消すように呼びかけたのだ。
現代文担当の先生は、ヒロサダ達の学年部の主任である“萩ノ宮奴紗幸”先生だ。
萩ノ宮奴紗幸先生は、授業が始まる前は毎回「週番前を~」と呼びかけているため、9割9分9厘9毛9糸の生徒の間では“臭板真栄男”と呼ばれている。
また、教員の間では“醜蛮魔ヱ汚”と呼ばれている。
そんな中、ヒロサダは萩ノ宮奴紗幸先生のことを、親しみを込めて“おはぎ”と呼んでいる。
この日の授業もいつも通り、おはぎ節が炸裂した現代文となった。分かりやすい授業をしてくれる数少ない先生であるため、ヒロサダは愛称で呼んでいるのだ。
「しゅしゅしゅ週番前を~♪」
チャイムが鳴り、授業が終わった。
「週番前を~。じゃあ、今日の授業は週番前を~、ここまでに週番前を~、するからな週番前を~。それと週番前を~、ヒロサダ週番前を~。昼休みに週番前を~、職員室に週番前を~、来なさい週番前を~週番前を~週番前を~(フェードアウト)」
萩ノ宮奴紗幸先生に呼出されたヒロサダは、昼食を食べる前に職員室へ行った。
「失礼しますじゃ~。萩ノ宮奴紗幸先生はどちらにいらっしゃいますじゃか~?」
「醜蛮魔ヱ汚先生ね。醜蛮先生は、この第1職員室じゃなくて、第8職員室に居るわ」
古典担当のジェシー・ヘンダーソン先生が丁寧に教えてくれた。
第1職員室から徒歩15分。ヒロサダは第8職員室に到着した。
「失礼しますじゃ~。萩ノ宮奴紗幸先生はどちらにいらっしゃいますじゃか~?」
「おおヒロサダ君。魔ヱ汚先生は、第27机軍の前から2列目、左から7列目の席にいるよ」
給食担当の和田先生が雑に教えてくれた。
第8職員室の入り口からセグウェイで5分。第27机軍の萩ノ宮奴紗幸先生の席に着いた。
「週番前を~ヒロサダ、来たか週番前を~」
深刻な顔をした萩ノ宮奴紗幸先生を前にして、ヒロサダは何かやらかしてしまったことがないか、必死に考えた。考えすぎて、鼻からマロニーが出てきた。
「週番ヒロサダ前を~、お前週番前を~、私のことを週番前を~、なんと呼んでいる週番前を~?」
ヒロサダは焦った。先生にニックネームをつけたのがばれてしまったのだ。しかしヒロサダは徹底して誤魔化すことにした。
「なんのことですかな???ワシは先生のことをキムタ、、、萩ノ宮奴紗幸先生と呼んでいますじゃ~」
「週番前を~………。ヒロサダ週番前を~、誤魔化さなくていいぞ週番前を~。お前が週番前を~、週番前を~私を、なんと呼んでいるかは週番前を~、眞名井から週番前を~、聞いたぞ週番マロニー」
「ま、眞名井ちゅわ~んから!?」
ヒロサダの隣の席の眞名井ちゃんは、あの短刀アイスピックチェーンソー刀削麺包丁事件以来、ヒロサダに好意を抱いているのだ。そのため、萩ノ宮奴紗幸先生のことをヒロサダ同様に“おはぎ”と呼んでいたのだ。
「せ、先生、すいませんじゃ~!実は、眞名井ちゅわ~んの言う通り、萩ノ宮奴紗幸先生のことを“おはぎ”と呼んでいましたじゃ………。この罰はなんでも受けますじゃ…………。」
ヒロサダは罰を覚悟した。1時間漫画を読み続ける罰、職員室のドリンクバーを自由に使っていい罰、好きな先生からマッサージしてもらう罰。どんな罰でも受けると、肝に銘じたのだ。
「はて週番前を~、罰週番前を~?何を週番前を~言っているんだ週番前を~。ワシは週番前を~、その週番前を~、“おはぎ”週番前を~、という愛称が週番前を~、気に入ったから週番前を~、これからは週番前を~、自分から週番前を~、“おはぎ”と週番前を~、名乗っていこうかと週番前を~、思っただけだ週番前を~。お前には週番前を~、こんないい愛称をつけてくれて週番前を~、感謝しようと思って呼んだのだ週番前を~週番前を~週番前を~」
ヒロサダはホッとした。
後にヒロサダの高校の歴史書「我が高校の伝説」に“21世紀の伝説”として掲載されるこの一件は、ヒロサダと萩ノ宮奴紗幸先生と眞名井ちゃん3人の絆が深くなるきっかけとなった。
その日以降、萩ノ宮奴紗幸先生は[おはぎ]と書かれたネームプレートを首から吊り下げている。
2限が終了した頃、3限の現代文担当の先生がやって来た。前の授業の板書が残っていたため、週番に消すように呼びかけたのだ。
現代文担当の先生は、ヒロサダ達の学年部の主任である“萩ノ宮奴紗幸”先生だ。
萩ノ宮奴紗幸先生は、授業が始まる前は毎回「週番前を~」と呼びかけているため、9割9分9厘9毛9糸の生徒の間では“臭板真栄男”と呼ばれている。
また、教員の間では“醜蛮魔ヱ汚”と呼ばれている。
そんな中、ヒロサダは萩ノ宮奴紗幸先生のことを、親しみを込めて“おはぎ”と呼んでいる。
この日の授業もいつも通り、おはぎ節が炸裂した現代文となった。分かりやすい授業をしてくれる数少ない先生であるため、ヒロサダは愛称で呼んでいるのだ。
「しゅしゅしゅ週番前を~♪」
チャイムが鳴り、授業が終わった。
「週番前を~。じゃあ、今日の授業は週番前を~、ここまでに週番前を~、するからな週番前を~。それと週番前を~、ヒロサダ週番前を~。昼休みに週番前を~、職員室に週番前を~、来なさい週番前を~週番前を~週番前を~(フェードアウト)」
萩ノ宮奴紗幸先生に呼出されたヒロサダは、昼食を食べる前に職員室へ行った。
「失礼しますじゃ~。萩ノ宮奴紗幸先生はどちらにいらっしゃいますじゃか~?」
「醜蛮魔ヱ汚先生ね。醜蛮先生は、この第1職員室じゃなくて、第8職員室に居るわ」
古典担当のジェシー・ヘンダーソン先生が丁寧に教えてくれた。
第1職員室から徒歩15分。ヒロサダは第8職員室に到着した。
「失礼しますじゃ~。萩ノ宮奴紗幸先生はどちらにいらっしゃいますじゃか~?」
「おおヒロサダ君。魔ヱ汚先生は、第27机軍の前から2列目、左から7列目の席にいるよ」
給食担当の和田先生が雑に教えてくれた。
第8職員室の入り口からセグウェイで5分。第27机軍の萩ノ宮奴紗幸先生の席に着いた。
「週番前を~ヒロサダ、来たか週番前を~」
深刻な顔をした萩ノ宮奴紗幸先生を前にして、ヒロサダは何かやらかしてしまったことがないか、必死に考えた。考えすぎて、鼻からマロニーが出てきた。
「週番ヒロサダ前を~、お前週番前を~、私のことを週番前を~、なんと呼んでいる週番前を~?」
ヒロサダは焦った。先生にニックネームをつけたのがばれてしまったのだ。しかしヒロサダは徹底して誤魔化すことにした。
「なんのことですかな???ワシは先生のことをキムタ、、、萩ノ宮奴紗幸先生と呼んでいますじゃ~」
「週番前を~………。ヒロサダ週番前を~、誤魔化さなくていいぞ週番前を~。お前が週番前を~、週番前を~私を、なんと呼んでいるかは週番前を~、眞名井から週番前を~、聞いたぞ週番マロニー」
「ま、眞名井ちゅわ~んから!?」
ヒロサダの隣の席の眞名井ちゃんは、あの短刀アイスピックチェーンソー刀削麺包丁事件以来、ヒロサダに好意を抱いているのだ。そのため、萩ノ宮奴紗幸先生のことをヒロサダ同様に“おはぎ”と呼んでいたのだ。
「せ、先生、すいませんじゃ~!実は、眞名井ちゅわ~んの言う通り、萩ノ宮奴紗幸先生のことを“おはぎ”と呼んでいましたじゃ………。この罰はなんでも受けますじゃ…………。」
ヒロサダは罰を覚悟した。1時間漫画を読み続ける罰、職員室のドリンクバーを自由に使っていい罰、好きな先生からマッサージしてもらう罰。どんな罰でも受けると、肝に銘じたのだ。
「はて週番前を~、罰週番前を~?何を週番前を~言っているんだ週番前を~。ワシは週番前を~、その週番前を~、“おはぎ”週番前を~、という愛称が週番前を~、気に入ったから週番前を~、これからは週番前を~、自分から週番前を~、“おはぎ”と週番前を~、名乗っていこうかと週番前を~、思っただけだ週番前を~。お前には週番前を~、こんないい愛称をつけてくれて週番前を~、感謝しようと思って呼んだのだ週番前を~週番前を~週番前を~」
ヒロサダはホッとした。
後にヒロサダの高校の歴史書「我が高校の伝説」に“21世紀の伝説”として掲載されるこの一件は、ヒロサダと萩ノ宮奴紗幸先生と眞名井ちゃん3人の絆が深くなるきっかけとなった。
その日以降、萩ノ宮奴紗幸先生は[おはぎ]と書かれたネームプレートを首から吊り下げている。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

アレンジ可シチュボ等のフリー台本集77選
上津英
大衆娯楽
シチュエーションボイス等のフリー台本集です。女性向けで書いていますが、男性向けでの使用も可です。
一人用の短い恋愛系中心。
【利用規約】
・一人称・語尾・方言・男女逆転などのアレンジはご自由に。
・シチュボ以外にもASMR・ボイスドラマ・朗読・配信・声劇にどうぞお使いください。
・個人の使用報告は不要ですが、クレジットの表記はお願い致します。


サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる