男子高校生ヒロサダの毎日極楽

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2018年上半期

電気治療

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 「ふぅ~。首と肩痛いだ~。凝ったんかのぉ……」
 ヒロサダは最近、感情の起伏が激しすぎて首と肩が凝ってしまったのだ。
 「一体どうすればいいんじゃ~………」
 医学に精通していないヒロサダにとっては、首と肩の凝りを取る方法はさっぱり分からなかった。そこで、家にあった“新 家庭の医学”を読んで打開策を考えることにした。
 「ふむふむ……なるほど…。成長痛かぁ……。ふむふむ………。胃潰瘍いかいようじゃな~。ふむふむ……」
 “新 家庭の医学”を読み始めてから4時間30分後、963ページを読み進んだころ、首と肩の凝りについての治療法が書かれてあるページを見つけたのだ。
 「あった、これじゃな。ほうほう、電気治療か」
 電気治療とは、電流を直接人体に通じ生体反応を起こして治療効果をあげる療法の総称である。電気の周波数により低周波療法・高周波療法(ディアテルミー)に大別する。疼痛・痙攣けいれんの鎮静、筋肉や知覚麻痺の回復などを目的とする物理療法の1つである。
 「母ちゃ~ん!電気治療をしたいんじゃが、何か電気を起こせるいいものはないかのぉ~?」
 早速ヒロサダは電気治療を試してみることにした。
 「あらHIROちゃん、オシャレなことしてるわねぇ~。首と肩が凝っているの?だったらこれを使いなさい」
 そう言って母ちゃんはポケットからスタンガンを取り出しヒロサダに手渡した。
 「か、母ちゃん!ワシを殺す気だか!?スタンガンじゃ強すぎるだよ~………」
 ヒロサダのためを思っての行動を全否定された母ちゃんはしょんぼりしながら他に電気を起こせるものがないか探した。
 「うーん………。HIROちゃん、やっぱりスタンガンしかないねぇ。一回試してみたら?」
 スタンガンを空中放電させながら言う母ちゃんに、少し恐怖を覚えたヒロサダは、逃げるように台所へ向かった。
 「ここに何か電気を起こせるものは…………。お!あ、あっただ~!!!!」
 ヒロサダは食器棚の中から、プラスチック製の下敷きを発見した。
 「昔はよくこれで電気を起こしたものじゃなぁ~。また世話になるとは思ってもみなかったじゃ~」
 一安心したヒロサダは、下敷きを布でこすり、首と肩周りに近づけた。
 「さあ、電気治療じゃ~!ビリビリっと!」
 ヒロサダの願いは通じず、髪の毛が逆立っただけだった。
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