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2018年上半期
エアポート
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ヒロサダは友と一緒に空港に来た。そう、修学旅行の下見である。
修学旅行では飛行機に乗るヒロサダ達。ヒロサダは度々カンボジアに行っているので慣れてはいるが、友は飛行機はおろか自転車やサーカスの大玉にすら乗ったことがないので、空港に下見に来たのだ。
「ここが空港か!くぅ~!食欲そそるぜぇ~」
「ここが噂に聞いた空港か。くっ、右目が疼きやがる」
「おお、、、早くカツ丼くれよぉ!」
皆が皆、初めての空港に興奮を隠しきれていないようだ。
「ふっふっふ、これだから素人は困るのぉ。ワシが空港について説明をしてあげるじゃ~。空港(くうこう、英: Airport)とは、公共の用に供する飛行場のことなんじゃな~。一般的な実態は主に旅客機・貨物機等の民間航空機の離着陸に用いる飛行場内の施設なんじゃ。その名のとおり、海運における港のような機能をもつ施設であり、空港という日本語自体が英語 Airport(空の港)の直訳なんじゃ!2009年時点でアメリカ中央情報局がまとめた報告によると、[上空から確認できる空港あるいは飛行場]は、全世界に約44000箇所あり、その内の15095箇所は米国内にあり、米国が世界でもっとも多いんじゃ!それからのぉ、、」
ヒロサダの話を友は全く聞いていない。
「ところでお主ら、飛行機に搭乗中は長期のフライトで退屈じゃから、暇つぶしになるのを持ってこないといけないんじゃぞぉ~!」
ヒロサダは先輩風を吹かせているが、今回は実際に搭乗するわけではないのに友はバッチリ用意してきたようだ。
「やっぱりスーパーファミコン!暇つぶしはこれに限るな!!!」
「ラケットにネットに得点板!勝ち抜き戦で卓球しようぜぇ~!!!、、、あっ!ボール忘れた……」
「小麦粉と麺棒持ってきたから、うどん作っぞ~」
未熟者の友たちにヒロサダは偉そうに口を開く。
「チッチッチ。皆、それが飛行機内でできると思ってるじゃか~???できるわけなかろう!まだまだ甘いのぉ~」
ヒロサダの小馬鹿にする態度にムッときた友。
「それではみなさん。搭乗のプロフェッショナルであるヒロサダさんにお手本を見せてもらいましょうかね!」
ヒロサダは自信満々にリュックサックの中から蓋のない2リットルのコーラを3本取り出した。
「おい、ヒロサダなんだそれ!!!」
「バカじゃねーの!!!」
自分たちよりひどかったヒロサダをここぞとばかりに罵る友に、ヒロサダは反抗する。
「ありゃ?母ちゃんの仕業じゃな!全くもー!!!いやはや皆すまんかった!こっちが本命の暇つぶしアイテムじゃ!」
そう言ってヒロサダはリュックサックの中からスケート靴を取り出した。
「こういう場所でこそジャンプの練習をひたすらして、少しでもさかもとっちゃんに見合う男になるだ~!!!目指せ3回転!!!」
友は皆、場の空気が一瞬にして凍りついたのがわかった。
修学旅行では飛行機に乗るヒロサダ達。ヒロサダは度々カンボジアに行っているので慣れてはいるが、友は飛行機はおろか自転車やサーカスの大玉にすら乗ったことがないので、空港に下見に来たのだ。
「ここが空港か!くぅ~!食欲そそるぜぇ~」
「ここが噂に聞いた空港か。くっ、右目が疼きやがる」
「おお、、、早くカツ丼くれよぉ!」
皆が皆、初めての空港に興奮を隠しきれていないようだ。
「ふっふっふ、これだから素人は困るのぉ。ワシが空港について説明をしてあげるじゃ~。空港(くうこう、英: Airport)とは、公共の用に供する飛行場のことなんじゃな~。一般的な実態は主に旅客機・貨物機等の民間航空機の離着陸に用いる飛行場内の施設なんじゃ。その名のとおり、海運における港のような機能をもつ施設であり、空港という日本語自体が英語 Airport(空の港)の直訳なんじゃ!2009年時点でアメリカ中央情報局がまとめた報告によると、[上空から確認できる空港あるいは飛行場]は、全世界に約44000箇所あり、その内の15095箇所は米国内にあり、米国が世界でもっとも多いんじゃ!それからのぉ、、」
ヒロサダの話を友は全く聞いていない。
「ところでお主ら、飛行機に搭乗中は長期のフライトで退屈じゃから、暇つぶしになるのを持ってこないといけないんじゃぞぉ~!」
ヒロサダは先輩風を吹かせているが、今回は実際に搭乗するわけではないのに友はバッチリ用意してきたようだ。
「やっぱりスーパーファミコン!暇つぶしはこれに限るな!!!」
「ラケットにネットに得点板!勝ち抜き戦で卓球しようぜぇ~!!!、、、あっ!ボール忘れた……」
「小麦粉と麺棒持ってきたから、うどん作っぞ~」
未熟者の友たちにヒロサダは偉そうに口を開く。
「チッチッチ。皆、それが飛行機内でできると思ってるじゃか~???できるわけなかろう!まだまだ甘いのぉ~」
ヒロサダの小馬鹿にする態度にムッときた友。
「それではみなさん。搭乗のプロフェッショナルであるヒロサダさんにお手本を見せてもらいましょうかね!」
ヒロサダは自信満々にリュックサックの中から蓋のない2リットルのコーラを3本取り出した。
「おい、ヒロサダなんだそれ!!!」
「バカじゃねーの!!!」
自分たちよりひどかったヒロサダをここぞとばかりに罵る友に、ヒロサダは反抗する。
「ありゃ?母ちゃんの仕業じゃな!全くもー!!!いやはや皆すまんかった!こっちが本命の暇つぶしアイテムじゃ!」
そう言ってヒロサダはリュックサックの中からスケート靴を取り出した。
「こういう場所でこそジャンプの練習をひたすらして、少しでもさかもとっちゃんに見合う男になるだ~!!!目指せ3回転!!!」
友は皆、場の空気が一瞬にして凍りついたのがわかった。
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