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2015年〜2016年
怪しき視線
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ヒロサダは今、困っている。
隣のクラスの人から猛アプローチを受けているからだ。
つい2週間前のことだ。ヒロサダが視線を感じ始めたのは。
登下校中、休み時間、掃除中。
気になっていたがヒロサダは気づかないふりをしていた。
そして2週間が経ち、ヒロサダはその視線が誰のものであったかをようやく突き止めた。
それは可愛らしい女子生徒ではなく若い女性の先生でもない。ゴリラゴリラに似たあの女子生徒でもない。
ヒロサダは目を疑った、信じたくもなかった。それは女性ではなかった。男子生徒だった。
彼の名前は知らないが話しているとこは見かけたことがある。
何処と無く女口調だったような気がする。
「これはまずいやつでは…」
ヒロサダは思った。
ヒロサダを見る彼の目が乙女の目に見えた。
「彼はもしやオネエ?」
ヒロサダは混乱している。
彼がもしオネエならターゲットはヒロサダということになる。
「男に………モテる…………」
ヒロサダはその言葉をかみしめた。
女性にはモテない。だが男性相手ならいけるかもしれない。
それはヒロサダ自身も同性愛に走るかの分岐点なのかもしれない。
ヒロサダは自分が女性のことが好きなのか男性が好きなのか分からなくなった。
そんなごちゃごちゃ考え込んでいる時、なんと彼がヒロサダに近づいてきた。
彼の顔は少し火照っているようだ。
ヒロサダは息を飲んだ。
少々のことが起きても驚かないように心の準備をした。
彼が口を開いた。
「ずっと気になっていたんだけど………」
この間が怖い。ヒロサダはもうそれだと確信し、返事を必死に考えた。
断るのか、断らないのか。
前者の場合、彼を傷つけないような断り方は?
後者の場合、同性愛の世界で本当に自分がやっていけるか?
ヒロサダはいつも全く使って居ない頭をフル回転させた。考え始めてからここまでの所要時間は僅か0.0002秒。
とその時、再び彼が口を開いた。
「ずっと気になっていたんだけどね…………制服にクリーニングのタグが付いてるよ。」
彼は去って行った。
「俺の考えすぎか…」
ヒロサダはホッとしたような、少し残念なような、そのどちらでもない気持ちになった。」
そして心の底から叫んだ。
「俺は女性が好きだ!」
隣のクラスの人から猛アプローチを受けているからだ。
つい2週間前のことだ。ヒロサダが視線を感じ始めたのは。
登下校中、休み時間、掃除中。
気になっていたがヒロサダは気づかないふりをしていた。
そして2週間が経ち、ヒロサダはその視線が誰のものであったかをようやく突き止めた。
それは可愛らしい女子生徒ではなく若い女性の先生でもない。ゴリラゴリラに似たあの女子生徒でもない。
ヒロサダは目を疑った、信じたくもなかった。それは女性ではなかった。男子生徒だった。
彼の名前は知らないが話しているとこは見かけたことがある。
何処と無く女口調だったような気がする。
「これはまずいやつでは…」
ヒロサダは思った。
ヒロサダを見る彼の目が乙女の目に見えた。
「彼はもしやオネエ?」
ヒロサダは混乱している。
彼がもしオネエならターゲットはヒロサダということになる。
「男に………モテる…………」
ヒロサダはその言葉をかみしめた。
女性にはモテない。だが男性相手ならいけるかもしれない。
それはヒロサダ自身も同性愛に走るかの分岐点なのかもしれない。
ヒロサダは自分が女性のことが好きなのか男性が好きなのか分からなくなった。
そんなごちゃごちゃ考え込んでいる時、なんと彼がヒロサダに近づいてきた。
彼の顔は少し火照っているようだ。
ヒロサダは息を飲んだ。
少々のことが起きても驚かないように心の準備をした。
彼が口を開いた。
「ずっと気になっていたんだけど………」
この間が怖い。ヒロサダはもうそれだと確信し、返事を必死に考えた。
断るのか、断らないのか。
前者の場合、彼を傷つけないような断り方は?
後者の場合、同性愛の世界で本当に自分がやっていけるか?
ヒロサダはいつも全く使って居ない頭をフル回転させた。考え始めてからここまでの所要時間は僅か0.0002秒。
とその時、再び彼が口を開いた。
「ずっと気になっていたんだけどね…………制服にクリーニングのタグが付いてるよ。」
彼は去って行った。
「俺の考えすぎか…」
ヒロサダはホッとしたような、少し残念なような、そのどちらでもない気持ちになった。」
そして心の底から叫んだ。
「俺は女性が好きだ!」
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