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2015年〜2016年

ヒロサダの部活動見学2

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以前にも言ったと思うが、ヒロサダは帰宅部だ。
「ふむ…最近少し太ってきたなあ。」
そう思ったヒロサダは今度は運動部を見学することにした。
ヒロサダは何も考えずにグラウンドへ飛び出した。
そこにはたくさんの人が部活動に汗を流していた。
様々な部活動があったが、ヒロサダは一目見てある部活動を見学することにした。
「すみません。見学したいんですが。」
「おっ、見学かい?嬉しいねえ。どうして我が部に?」
「やっぱり、スティックでボールを打つ姿がかっこよかったですじゃ。そこに惚れましたじゃ。」
カキーン、カキーン、
ボールを打つ音がグラウンド中に響く。
みんなもお分かりだと思うが、ヒロサダはゲートボール部に見学に来ている。
総部員数は23人。学校内でもそこそこ人気のある部だ。
成績は全国ベスト8という素晴らしい実績がある。
ヒロサダはそんなゲートボーラーに憧れたのだ。
練習にも参加した。スティックでボールを打つ快感がたまらなかった。
通常2打で入れるようなところをヒロサダは17打かかったがとにかく楽しかった。
プロになろうとさえ思った。
「入部させてもらいたいですじゃ!」
ヒロサダはもうやる気満々だ。
「君には素質があるよ。大歓迎だ!」
入部届けをヒロサダは受け取った。
名前を書こうとしたその時、ある文に目がいった。
「試合に出られるのは60歳以上、もしくは競技歴15年以上の方のみです。」
これは一体どういうことなのか。
ヒロサダは尋ねた。
「ゲートボールはお年寄りのスポーツだからね。規定があるんだよ。僕たちはみんな1歳からやっているからね。」
ヒロサダは唖然とした。
「すみませんじゃ、やめまする。」
ヒロサダの部活動見学は続くのであった。

※実際のゲートボール競技規定とは異なります。
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