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2020年

ステイファーム9-1「満を持して」

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 「グフフッ!美味しかった~!!!」
 「松野も大満足かなぁ~!!」
 食堂でヒロサダとの濃密な時間を過ごした2人の乙女は、心もお腹も大満足。
 「ヒロサダ君~!まだ食べてるの~!?」
 「今度は松野が食べさせてあげるかなぁ~!!!」
 「松ミョンずるい~!!!私も私も~!!!」
 「じ、自分で食べるじゃよ~………」
 2人に食べさせていたため、自分のお腹を満たす暇がなかったヒロサダは、ようやく食べようとしたが……………。
 「ま、眞名井ちゅわ~んと松野さんにあげすぎたじゃ~………」
 自分の取ったメニューは、2人の乙女の胃袋へと入ってしまっていた。2人の乙女はこの展開になることまで考えていたのかは不明だが、ヒロサダは為す術無く、ただ口を開けるだけだった。


 現在時刻は午後1時13分。ヒロサダも食事を済ませ、3人は食堂の外へと出て行った。
 「美味しかったわね~!!!」
 「やっぱりヒロサダ君とのご飯は格別だったかなぁ~!」
 「それな!!!!」
 眞名井ちゃんから「それな!」が出るほど、すっかり機嫌も戻った2人の乙女が感想を述べる中、ヒロサダは皐月先生のことを考え始めた。
 「皐月先生そろそろ起きたじゃかノォ~???」
 「運転かなり疲れてたもんね~」
 「やっぱりまだ眠っているのかなぁ~」
 皐月先生の体調を第一に、ヒロサダと一緒の時間を第二に考えている2人の乙女は、皐月先生が自分で起きるまで、ゆっくりと休ませてあげることにした。皐月先生を同じ部屋で見ていたヒロサダも、もちろん賛成だった。

 そんな話をしながら牧場内を散歩していると、3人の目に見覚えのある黄色い物体が入ってきた。
 「ん~!?あ、あれは!!」
 「やっぱり来たのね!!!」
 「ということは、あの人なのかなぁ~???」
 実際に乗ったこともあるヒロサダが1番に反応した。眞名井ちゃんも辛麺を食べに行った時に実際に見ていたため、彼が来たことを瞬時に理解した。松野さんは実際にその車体を見たことはなかったが、皐月先生の話と2人の反応から、同じく彼が来たことを理解した。
 
 「お、おはぎ先生!!!!」
 3人の声が共鳴した。皐月ファームに颯爽さっそうとロードローラーで登場したおはぎこと萩ノ宮奴紗幸はぎのみやどしゃこう先生。まだその姿は3人の肉眼でギリギリ認識できる程度だが、彼が来たことは間違いないようだ。

 「………!!!。……ヒロサダ君、松ミョン。行くわよ!!!」
 「ま、まなりん???」
 「眞名井ちゅわ~ん???」
 視力の良さなら学年一の眞名井ちゃんが、そんなおはぎ先生の登場について、何か発見したことがあったのか、ロードローラーが停まった皐月ファーム入口へと2人を連れて駆けていった。

 おはぎ先生の目的は?眞名井ちゃんが見たものとは?一体何なのか。
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みんなの感想(1件)

mr110
2016.12.22 mr110

流石ヒロサダ!!!
次回作をはよ求む

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