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2020年
ステイホーム7-4「皐月先生の夜行運転withヒロサダ」眞名井ちゃん編
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「眞名井ちゅわ~んですかじゃ~………………」
現在時刻は午前5時7分。眞名井ちゃんもすっかり熟睡しているということで、ヒロサダは皐月先生に迫られ、眞名井ちゃんについて語ることに。
「……眞名井ちゅわ~んとは、小学校からの幼馴染で、そのまま同じ中学に進んで、高校も同じなんですじゃ~」
「じゅ、10年も前からヒロサダ君と眞名井さんは知り合っていたのね!?」
地元の高校を選んだヒロサダと眞名井ちゃんにとっては、そこまで驚くべきことではなかったが、最強の恋敵である眞名井ちゃんが10年も前からヒロサダの心の中に存在していたことを知り、絶望に近い驚きを感じた皐月先生。以前の彼女であれば、この事実を突きつけられた時点で眞名井ちゃんには適わないと、ヒロサダのことを諦めていたであろうが、今の皐月先生はそれくらいのことではへこたれない。
「眞名井ちゅわ~んは昔から背が高くて、美人でモデルみたいで。同級生からモテまくりだったんですじゃ~」
「眞名井さんのモテ具合は、昔っからだったのね~」
ずば抜けて可愛かった小学生時代。スタイルもよく美人だった中学生時代。そして色気を備えた現在。眞名井ちゃんの女性としての魅力は、確実に進化を遂げてきた。
「じゃあ………ひ、ヒロサダ君も、眞名井さんのこと………好きだったの???」
「ワシは………………」
皐月先生には、この間が怖かった。返答次第では、ヒロサダをめぐる3人の乙女の争いに、すでに決着がついていたことにもなりうる。
「ワシは、好きなのかどうか、自分でもよく分かりませんじゃ~」
とりあえずは一安心した皐月先生。しかしまだ油断はできない。
「好きか分からないっていうと???」
「確かに眞名井ちゅわ~んは、誰からみても、もちろんワシからみてもスタイル抜群で美人ですじゃ~。だからと言って、好きかと言われると、分からないんですじゃ~」
ヒロサダにぞっこんすぎる眞名井ちゃんの態度に影響されているのか、自分が眞名井ちゃんのことを好きなのかどうなのか、ヒロサダには分からなかった。ヒロサダにベタベタしたがる眞名井ちゃんに対するヒロサダの想いは、迷惑そうな態度の下に嬉しさが隠れているのか、はたまた有難迷惑なのかも、ヒロサダには分からなかった。そもそもクラス一、いや学年一、いやいや学校一の美人がヒロサダにぞっこんであるという事実からまず信じられなかった。
「眞名井ちゅわ~んのことを、愛着を込めてブルペン女子と呼ぶ同級生が多いんですがじゃ、………ワシは眞名井ちゅわ~んにはもっといいニックネームがあるんじゃないかと、日々考えているんですじゃ~。ワシが眞名井ちゅわ~んのことについて考えていることは、こんな感じですじゃ~」
好きで好きで考えずにはいられない、ということではないにしろ、ヒロサダの頭の中には常に眞名井ちゃんがいることを知った皐月先生。一時の安心と嫉妬が渦巻いていた。
「そうなのね~。ということは、まだ眞名井さん以外にも、………その、チャンスはあるってことでいいのかな??」
「………そ、そういうことになりますかじゃ~」
ヒロサダ本人からその言葉を聞くことができ、嫉妬よりも安心が勝った皐月先生。最強の恋敵、眞名井ちゃんより優位に立つためには、ヒロサダの中に少しでも多くの自分を存在させることがカギになると確信した皐月先生。到着したらどんな手を使って、ヒロサダの心の中に侵入し、忘れさせない存在となるつもりなのか。
「ふふっ。そういえば~………、ヒロサダ君がトイレに行っていたときの眞名井さん、少し様子がおかしかったんだけど~………………、何か知らない???」
「べべべ、別に、な、なな、何も尻、尻尻、知りませんじゃ~!!!」
「ふふっ。本当~???」
「ほ、本当に、大きさとかは気にしないですじゃ~!!!」
「…大きさ???」
「な、なな何でもないですじゃ~!!!」
パーキングエリアで皐月先生の居ぬ間に、ヒロサダと眞名井ちゃんの間に起きたことが、皐月先生にバレるのも時間の問題のようだ。
現在時刻は午前5時48分。眞名井ちゃんに対するヒロサダの想いを聞けた皐月先生は、さらにギアを上げた。
現在時刻は午前5時7分。眞名井ちゃんもすっかり熟睡しているということで、ヒロサダは皐月先生に迫られ、眞名井ちゃんについて語ることに。
「……眞名井ちゅわ~んとは、小学校からの幼馴染で、そのまま同じ中学に進んで、高校も同じなんですじゃ~」
「じゅ、10年も前からヒロサダ君と眞名井さんは知り合っていたのね!?」
地元の高校を選んだヒロサダと眞名井ちゃんにとっては、そこまで驚くべきことではなかったが、最強の恋敵である眞名井ちゃんが10年も前からヒロサダの心の中に存在していたことを知り、絶望に近い驚きを感じた皐月先生。以前の彼女であれば、この事実を突きつけられた時点で眞名井ちゃんには適わないと、ヒロサダのことを諦めていたであろうが、今の皐月先生はそれくらいのことではへこたれない。
「眞名井ちゅわ~んは昔から背が高くて、美人でモデルみたいで。同級生からモテまくりだったんですじゃ~」
「眞名井さんのモテ具合は、昔っからだったのね~」
ずば抜けて可愛かった小学生時代。スタイルもよく美人だった中学生時代。そして色気を備えた現在。眞名井ちゃんの女性としての魅力は、確実に進化を遂げてきた。
「じゃあ………ひ、ヒロサダ君も、眞名井さんのこと………好きだったの???」
「ワシは………………」
皐月先生には、この間が怖かった。返答次第では、ヒロサダをめぐる3人の乙女の争いに、すでに決着がついていたことにもなりうる。
「ワシは、好きなのかどうか、自分でもよく分かりませんじゃ~」
とりあえずは一安心した皐月先生。しかしまだ油断はできない。
「好きか分からないっていうと???」
「確かに眞名井ちゅわ~んは、誰からみても、もちろんワシからみてもスタイル抜群で美人ですじゃ~。だからと言って、好きかと言われると、分からないんですじゃ~」
ヒロサダにぞっこんすぎる眞名井ちゃんの態度に影響されているのか、自分が眞名井ちゃんのことを好きなのかどうなのか、ヒロサダには分からなかった。ヒロサダにベタベタしたがる眞名井ちゃんに対するヒロサダの想いは、迷惑そうな態度の下に嬉しさが隠れているのか、はたまた有難迷惑なのかも、ヒロサダには分からなかった。そもそもクラス一、いや学年一、いやいや学校一の美人がヒロサダにぞっこんであるという事実からまず信じられなかった。
「眞名井ちゅわ~んのことを、愛着を込めてブルペン女子と呼ぶ同級生が多いんですがじゃ、………ワシは眞名井ちゅわ~んにはもっといいニックネームがあるんじゃないかと、日々考えているんですじゃ~。ワシが眞名井ちゅわ~んのことについて考えていることは、こんな感じですじゃ~」
好きで好きで考えずにはいられない、ということではないにしろ、ヒロサダの頭の中には常に眞名井ちゃんがいることを知った皐月先生。一時の安心と嫉妬が渦巻いていた。
「そうなのね~。ということは、まだ眞名井さん以外にも、………その、チャンスはあるってことでいいのかな??」
「………そ、そういうことになりますかじゃ~」
ヒロサダ本人からその言葉を聞くことができ、嫉妬よりも安心が勝った皐月先生。最強の恋敵、眞名井ちゃんより優位に立つためには、ヒロサダの中に少しでも多くの自分を存在させることがカギになると確信した皐月先生。到着したらどんな手を使って、ヒロサダの心の中に侵入し、忘れさせない存在となるつもりなのか。
「ふふっ。そういえば~………、ヒロサダ君がトイレに行っていたときの眞名井さん、少し様子がおかしかったんだけど~………………、何か知らない???」
「べべべ、別に、な、なな、何も尻、尻尻、知りませんじゃ~!!!」
「ふふっ。本当~???」
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「…大きさ???」
「な、なな何でもないですじゃ~!!!」
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