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2020年
年越し後の夜中に一体何が?(プロテイ編 後編)
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「おぃ~。一番考えられる場所はぁ~。やっぱりあそこか、おぃ~」
そう言ってプロテイは、トレーニングルームに向かった。しかし、ヒロサダの家の間取りを把握しておらず、勝手に色んな部屋に入るのはさすがに悪いと思い、トレーニングルームを探すのをやめた。
「おぃ~。トレーニングルームが選択肢からぁ~、外れたとしたらおぃ~、次に考えられる場所は、…………おぃ~………………」
腕立て伏せをしながら悩みに悩むこと36分。大胸筋もかなりパンプアップしたので、プロテイはヒロサダを探しにトイレへ行くことにした。
「おぃ~、ヒロサダぁ~、居るかぁ~?」
トイレのドアを開け、スクワットをしながら叫んだが、ヒロサダは見当たらない。
「おぃ~。ここかぁ~?」
便座の蓋を開け、便器の中も確認したが、ヒロサダは居ない。
トイレを探すこと3分。残念ながらヒロサダは見つからなかった。
「おぃ~。次はあそこかおぃ~」
スクワットを十分し、大腿四頭筋もかなりパンプアップしたので、次にお風呂場を探しに行くことにした。
「おぃ~、ヒロサダぁ~、居るかぁ~?」
お風呂場のドアを開け、背筋をしながら叫んだが、ヒロサダは見当たらない。
「おぃ~。ここかぁ~?」
風呂の蓋を取って浴槽の中を隅々まで探したが、ヒロサダは居ない。
「おぃ~。次はあそこかおぃ~」
筋トレによってかいた汗をシャワーで流したい衝動に駆られたが、なんとか思い留まり、ヒロサダを探しにプロテイはリビングに向かった。
「おぃ~。…………おぃ?」
風呂場を後にし、廊下を歩いていると、リビングから光が漏れているのをプロテイは発見した。
「おぃ~。ヒロサダぁ~。ここに居たかおぃ~」
ようやくヒロサダを見つけた喜びで、廊下でスキップしながらリビングに向かったプロテイ。
「おぃ~。ヒロサ…っ……………」
リビングのドアに手をかけた瞬間、プロテイが止まった。
「うん……、…………よね~。……ぱり高菜漬けよ……」
そう。リビングに居たのはヒロサダではなく、ヒロサダの母ちゃんだったのだ。
「うん……、……は福神漬け……」
母ちゃんの声が廊下まで聞こえてくるので、何をしているのか気になったプロテイは、盗み見は悪いと思いながらも、たまたま持っていたアブローラーで腹筋を鍛えながら、ドアのガラス越しに母ちゃんを観察し始めた。
「おぃ~。ヒロサダの母ちゃんはぁ~、何をしているんだおぃ~」
漬物の名前を連呼しているのは聞こえるが、閉まったドアのガラス越しでは何をしているのか分からない。
「お、おぃ~」
そこでプロテイは、こっそりドアを開け、ヒロサダの母ちゃんを観察することにした。
「ギィィィ~………………ガバガガン!」
慎重にドアを開けたつもりのプロテイだったが、アブローラーをしながら開けたので、勢い良くドアが開いてしまった。
「おぃ~。俺はただぁ~、筋トレをしていたぁ~、だけだおぃ~」
必死に誤魔化すプロテイだったが、母ちゃんは気がついていないようだ。
「…………お、おぃ~」
プロテイはそっと胸筋を撫で下ろした。母ちゃんが密着型のイヤホンを付けていたことが幸いしたようだ。
そこで気になるのはやはり、母ちゃんが何をしているかだ。
「うんうん、浅漬けとぬか漬けね~」
ドアが全開のため、母ちゃんの声がよく聞こえる。やはり漬物の話のようだ。
「おぃ~。一体何をしているんだおぃ~」
プロテイが、母ちゃんのイヤホンが繋がっているテレビに目を向けると、近くにDVDケースのようなものを発見した。
「おぃ~。このDVDはおぃ~…………」
【漬物の歴史全集vol.4(全三八五話) 第十七話「奈良漬けに学ぶ、漬物の多様性」】
「おぃ~、こ、これはおぃ~!」
プロテイには母ちゃんがこのDVDを見ているのに心当たりがあった。
「おぃ~。どうりで昨夜の漬物がぁ~、おぃ~しかったのかおぃ~」
母ちゃんの漬物に対する熱意を感じとり、感謝の念と尊敬の眼差しを向け、プロテイは部屋に戻った。
現在時刻は午前4時45分。途中からヒロサダのことは忘れていたプロテイだったが、母ちゃんの漬物愛に胸がいっぱいになり、布団に入ったと同時に眠りについた。
ヒロサダを探している最中に、たっぷり筋トレができたので、プロテイは朝まで起きることがなかった。
もちろん隣にヒロサダは居ない。
そう言ってプロテイは、トレーニングルームに向かった。しかし、ヒロサダの家の間取りを把握しておらず、勝手に色んな部屋に入るのはさすがに悪いと思い、トレーニングルームを探すのをやめた。
「おぃ~。トレーニングルームが選択肢からぁ~、外れたとしたらおぃ~、次に考えられる場所は、…………おぃ~………………」
腕立て伏せをしながら悩みに悩むこと36分。大胸筋もかなりパンプアップしたので、プロテイはヒロサダを探しにトイレへ行くことにした。
「おぃ~、ヒロサダぁ~、居るかぁ~?」
トイレのドアを開け、スクワットをしながら叫んだが、ヒロサダは見当たらない。
「おぃ~。ここかぁ~?」
便座の蓋を開け、便器の中も確認したが、ヒロサダは居ない。
トイレを探すこと3分。残念ながらヒロサダは見つからなかった。
「おぃ~。次はあそこかおぃ~」
スクワットを十分し、大腿四頭筋もかなりパンプアップしたので、次にお風呂場を探しに行くことにした。
「おぃ~、ヒロサダぁ~、居るかぁ~?」
お風呂場のドアを開け、背筋をしながら叫んだが、ヒロサダは見当たらない。
「おぃ~。ここかぁ~?」
風呂の蓋を取って浴槽の中を隅々まで探したが、ヒロサダは居ない。
「おぃ~。次はあそこかおぃ~」
筋トレによってかいた汗をシャワーで流したい衝動に駆られたが、なんとか思い留まり、ヒロサダを探しにプロテイはリビングに向かった。
「おぃ~。…………おぃ?」
風呂場を後にし、廊下を歩いていると、リビングから光が漏れているのをプロテイは発見した。
「おぃ~。ヒロサダぁ~。ここに居たかおぃ~」
ようやくヒロサダを見つけた喜びで、廊下でスキップしながらリビングに向かったプロテイ。
「おぃ~。ヒロサ…っ……………」
リビングのドアに手をかけた瞬間、プロテイが止まった。
「うん……、…………よね~。……ぱり高菜漬けよ……」
そう。リビングに居たのはヒロサダではなく、ヒロサダの母ちゃんだったのだ。
「うん……、……は福神漬け……」
母ちゃんの声が廊下まで聞こえてくるので、何をしているのか気になったプロテイは、盗み見は悪いと思いながらも、たまたま持っていたアブローラーで腹筋を鍛えながら、ドアのガラス越しに母ちゃんを観察し始めた。
「おぃ~。ヒロサダの母ちゃんはぁ~、何をしているんだおぃ~」
漬物の名前を連呼しているのは聞こえるが、閉まったドアのガラス越しでは何をしているのか分からない。
「お、おぃ~」
そこでプロテイは、こっそりドアを開け、ヒロサダの母ちゃんを観察することにした。
「ギィィィ~………………ガバガガン!」
慎重にドアを開けたつもりのプロテイだったが、アブローラーをしながら開けたので、勢い良くドアが開いてしまった。
「おぃ~。俺はただぁ~、筋トレをしていたぁ~、だけだおぃ~」
必死に誤魔化すプロテイだったが、母ちゃんは気がついていないようだ。
「…………お、おぃ~」
プロテイはそっと胸筋を撫で下ろした。母ちゃんが密着型のイヤホンを付けていたことが幸いしたようだ。
そこで気になるのはやはり、母ちゃんが何をしているかだ。
「うんうん、浅漬けとぬか漬けね~」
ドアが全開のため、母ちゃんの声がよく聞こえる。やはり漬物の話のようだ。
「おぃ~。一体何をしているんだおぃ~」
プロテイが、母ちゃんのイヤホンが繋がっているテレビに目を向けると、近くにDVDケースのようなものを発見した。
「おぃ~。このDVDはおぃ~…………」
【漬物の歴史全集vol.4(全三八五話) 第十七話「奈良漬けに学ぶ、漬物の多様性」】
「おぃ~、こ、これはおぃ~!」
プロテイには母ちゃんがこのDVDを見ているのに心当たりがあった。
「おぃ~。どうりで昨夜の漬物がぁ~、おぃ~しかったのかおぃ~」
母ちゃんの漬物に対する熱意を感じとり、感謝の念と尊敬の眼差しを向け、プロテイは部屋に戻った。
現在時刻は午前4時45分。途中からヒロサダのことは忘れていたプロテイだったが、母ちゃんの漬物愛に胸がいっぱいになり、布団に入ったと同時に眠りについた。
ヒロサダを探している最中に、たっぷり筋トレができたので、プロテイは朝まで起きることがなかった。
もちろん隣にヒロサダは居ない。
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