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2018年下半期〜2019年
ヒロサダの部活動見学8-1
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「うほほ~!すごいじゃ~!!」
ヒロサダはテレビを見ている。そう、パンパシ水泳だ。
「いけえりっちゃんの泳ぎはやはり別格じゃの~!」
ヒロサダは競泳女子の池江璃花子選手の大ファンだ。ヒロサダは最初、池江璃花子選手のことを苗字が池江璃で名前が花子だと思っていたため、いけえりっちゃんと呼んでいたのだ。しかしよほどその呼び名が気に入ったのか、それが勘違いだと気付いた現在も同様にいけえりっちゃんと呼んでいる。
「冬はフィギュアのさかもとっちゃん、そして夏は競泳のいけえりっちゃん!!!二人とも大好きじゃ~!」
夏は池江璃花子選手、冬は坂本花織選手。ヒロサダはオールシーズンで興奮がおさまらないのだ。
そんな夏の興奮を感じているヒロサダはパンパシ水泳に触発されて、水泳部を見学することにした。
以前にも言ったと思うが、ヒロサダは帰宅部だ。
ヒロサダの高校には、運動部文化部合わせて87の部活動と108の同好会がある。
「ここが水泳部じゃか~」
ヒロサダは今、学校の第4プールに来ている。ここで水泳部が活動しているのだ。
ちなみに第1プールは水中ウォーキング部が、第2プールは忍者部が水上走りの練習に、第3プールは水鉄砲部がそれぞれ使用している。
第5プール以降も、一般開放や潜水部、水中ボーリング部やアーティスティックスイミング部などが使っており、この時期は全プールが賑わっている。
「やあ!、我が水泳部の見学かい!?」
「そうですじゃ~!今日はよろしくお願いしますじゃ~」
部長に歓迎されたヒロサダは、家で2時間にわたる準備運動と息継ぎの練習を済ませて泳ぐ気満々だ。
「今日は見学だけね!ゆっくり見ていって」
そう言ったマネージャーがヒロサダに風呂桶を用意した。ヒロサダは家を出る前、服の下に水着を着て、泳ぐ前に着替えなくていいように準備して来たつもりだったが、間違えて服の下に中学時代の学ランを着て来たので、この日は残念ながら見学だ。
ザパーン。ジャバババーン。
部員たちが音を立てながら泳いでいる。総勢200人超が一斉に泳いでいる姿はトビウオの群れを見ているようだ。
「今泳いでいるのはうちの1軍と2軍よ!」
マネージャーが親切にいろいろヒロサダに教えてくれている。
「我が水泳部に入るのなら、最初は5軍からよ!頑張り次第で1軍まで上がれるけど、5軍で終わる人も多いわ~。なんせ、5軍だけで350人いるからね~。練習時間も違っていて、5軍は朝の3時から3時10分まで、4軍が朝の3時10分から3時30分まで、3軍が朝の3時30分から4時まで、2軍が朝の4時から5時まで、そして1軍が朝の9時から昼の12時までよ!今日は試合が近いから1軍と2軍が合同練習してるのよ!それから部長は実はね!………」
マネージャーの立て板に水な喋りに言葉が出ないヒロサダ。1を聞くと500まで帰ってきそうで下手に口を開けない。
そうこうしているうちに練習が終わったようだ。マネージャーは終始喋りっぱなしで、心なしかヒロサダはやつれている。
「君!今日の見学はどうだったかい?」
「す、素晴らしかったですじゃ~!」
ほとんど集中して練習を見ることができなかったヒロサダは、少し戸惑いながら答えた。
「君、もし良かったら大会に出てみないか?いや、出てくれないか!」
「わ、わしがですじゃか~!?」
突然のことにヒロサダは驚きを隠せずに、驚きがズボンの右ポケットから飛び出た。
「実はね………、我が水泳部は見てのとおり1軍2軍で200人以上、5軍まで含めると総勢1000人弱いるんだが、男子部員は私を含めて4人しかいなくてね………。明日の大会で創部以来初のメドレーリレーに出ることができるはずだったんだが、メンバーの1人が明日放送される時代劇ドラマの一挙放送をどうしても見たいということで仕方なく欠席するんだ………。そこで君の力を借りたい!どうかお願いできないだろうか!?」
「私たちからもお願いします!!!!!」
部長の後に練習を終えた200人強の女子部員が声を揃えて続けた。
「そういえばサツマイモといえばね!…」
マネージャーはまだ何かブツブツしゃべっている。
「そ、そこまで言われると………」
突然のことに戸惑うヒロサダ。果たしてヒロサダは首を縦に振るのか!?
「おっす!オラ、フミタケ!
ホー!!!この水泳部はヤベ~奴らばっかだったんだな~!
この後いってぇ~どうなるか、オラ、ワクワクすっぞ~!
ホー!!!次回、迫りくるバータと逃げるフミタケ……?ホー!!!なぜオラが!?
ホー………。とにかく、この後ヒロサダと水泳部はいったいどホーなるんじゃ~?
ぜってー見てくれよな!」
ヒロサダはテレビを見ている。そう、パンパシ水泳だ。
「いけえりっちゃんの泳ぎはやはり別格じゃの~!」
ヒロサダは競泳女子の池江璃花子選手の大ファンだ。ヒロサダは最初、池江璃花子選手のことを苗字が池江璃で名前が花子だと思っていたため、いけえりっちゃんと呼んでいたのだ。しかしよほどその呼び名が気に入ったのか、それが勘違いだと気付いた現在も同様にいけえりっちゃんと呼んでいる。
「冬はフィギュアのさかもとっちゃん、そして夏は競泳のいけえりっちゃん!!!二人とも大好きじゃ~!」
夏は池江璃花子選手、冬は坂本花織選手。ヒロサダはオールシーズンで興奮がおさまらないのだ。
そんな夏の興奮を感じているヒロサダはパンパシ水泳に触発されて、水泳部を見学することにした。
以前にも言ったと思うが、ヒロサダは帰宅部だ。
ヒロサダの高校には、運動部文化部合わせて87の部活動と108の同好会がある。
「ここが水泳部じゃか~」
ヒロサダは今、学校の第4プールに来ている。ここで水泳部が活動しているのだ。
ちなみに第1プールは水中ウォーキング部が、第2プールは忍者部が水上走りの練習に、第3プールは水鉄砲部がそれぞれ使用している。
第5プール以降も、一般開放や潜水部、水中ボーリング部やアーティスティックスイミング部などが使っており、この時期は全プールが賑わっている。
「やあ!、我が水泳部の見学かい!?」
「そうですじゃ~!今日はよろしくお願いしますじゃ~」
部長に歓迎されたヒロサダは、家で2時間にわたる準備運動と息継ぎの練習を済ませて泳ぐ気満々だ。
「今日は見学だけね!ゆっくり見ていって」
そう言ったマネージャーがヒロサダに風呂桶を用意した。ヒロサダは家を出る前、服の下に水着を着て、泳ぐ前に着替えなくていいように準備して来たつもりだったが、間違えて服の下に中学時代の学ランを着て来たので、この日は残念ながら見学だ。
ザパーン。ジャバババーン。
部員たちが音を立てながら泳いでいる。総勢200人超が一斉に泳いでいる姿はトビウオの群れを見ているようだ。
「今泳いでいるのはうちの1軍と2軍よ!」
マネージャーが親切にいろいろヒロサダに教えてくれている。
「我が水泳部に入るのなら、最初は5軍からよ!頑張り次第で1軍まで上がれるけど、5軍で終わる人も多いわ~。なんせ、5軍だけで350人いるからね~。練習時間も違っていて、5軍は朝の3時から3時10分まで、4軍が朝の3時10分から3時30分まで、3軍が朝の3時30分から4時まで、2軍が朝の4時から5時まで、そして1軍が朝の9時から昼の12時までよ!今日は試合が近いから1軍と2軍が合同練習してるのよ!それから部長は実はね!………」
マネージャーの立て板に水な喋りに言葉が出ないヒロサダ。1を聞くと500まで帰ってきそうで下手に口を開けない。
そうこうしているうちに練習が終わったようだ。マネージャーは終始喋りっぱなしで、心なしかヒロサダはやつれている。
「君!今日の見学はどうだったかい?」
「す、素晴らしかったですじゃ~!」
ほとんど集中して練習を見ることができなかったヒロサダは、少し戸惑いながら答えた。
「君、もし良かったら大会に出てみないか?いや、出てくれないか!」
「わ、わしがですじゃか~!?」
突然のことにヒロサダは驚きを隠せずに、驚きがズボンの右ポケットから飛び出た。
「実はね………、我が水泳部は見てのとおり1軍2軍で200人以上、5軍まで含めると総勢1000人弱いるんだが、男子部員は私を含めて4人しかいなくてね………。明日の大会で創部以来初のメドレーリレーに出ることができるはずだったんだが、メンバーの1人が明日放送される時代劇ドラマの一挙放送をどうしても見たいということで仕方なく欠席するんだ………。そこで君の力を借りたい!どうかお願いできないだろうか!?」
「私たちからもお願いします!!!!!」
部長の後に練習を終えた200人強の女子部員が声を揃えて続けた。
「そういえばサツマイモといえばね!…」
マネージャーはまだ何かブツブツしゃべっている。
「そ、そこまで言われると………」
突然のことに戸惑うヒロサダ。果たしてヒロサダは首を縦に振るのか!?
「おっす!オラ、フミタケ!
ホー!!!この水泳部はヤベ~奴らばっかだったんだな~!
この後いってぇ~どうなるか、オラ、ワクワクすっぞ~!
ホー!!!次回、迫りくるバータと逃げるフミタケ……?ホー!!!なぜオラが!?
ホー………。とにかく、この後ヒロサダと水泳部はいったいどホーなるんじゃ~?
ぜってー見てくれよな!」
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