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イザヤside2
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山道を登り、奴等のいる別荘の近くまで来ると、陶也が、「あっ!」と声を洩らした。
「奴等が真っ直ぐこちらに向かっています!このまま行けば奴等の車とすれ違う」
携帯の位置情報を見ながら教えてくれた。
「なら、丁度いい。あそこに停めて待っていよう」
イザヤは前方に見えてきた、展望台スペースへと軽トラックを停めた。
ここに立って待っていれば奴等も気付くだろう。
イザヤは軽トラックから降りた。
陶也も同じく助手席から降りてくる。
そこは広い展望台だった。
柵の前には、前方の景色を詳しく説明した案内板があり、柵の端には下に降りる階段もあって、そこにはテーブルや椅子などの、憩いの場がもうけられていた。
イザヤは展望台から、街の風景を眺めた。空は厚い雲に覆われ、いつ雨が降ってもおかしくない状態だ。山の湿った空気が所々、霧となり白い靄が立ち込めていた。
イザヤは運転席からずっと放置しっぱなしの、テンガロンハットを取り出し、頭に乗せた。そして、奴等の車がやって来るのを待った。
暫くすると、一台の車が見えて来た。
奴等の白いワゴン車だ。そいつが山道を下ってくる。
イザヤと陶也はゆっくりと歩き出し、道路に立ち塞がった。
相手は直ぐに気付き、車をイザヤの軽トラックと同じく、展望台の駐車スペースに停めると、助手席から顔に青アザを作ったサラが飛び出してきた。
「イザヤァァァァァァァ━━━!!!」
イザヤの元に駆け込むなり、サラはイザヤをぶん殴った。イザヤは黙ってそれを左の頬に受けた。
「あんた、よくもやってくれたわね!!あたしにこんな真似して!次、やったらぶっ殺すよ!!!」
サラがイザヤの胸ぐらを掴み叫びまくる。
イザヤは黙ってそれを哀しげに見つめた。
「おい!サラ!次とか生ぬるい事を言ってないで、どうせ殺すつもりなら、そんな餓鬼、今、殺っちまえよ」
後方から悠々とマシューが現れた。イザヤを見るなり、不機嫌そうに、しかめっ面で地面に唾を吐き捨てた。
「このクソ餓鬼は、どうせ俺らの言うことなんて利かないぜ。だから、こいつを引き込むのは逆に危険だ。殺せ!」
サラは後ろを振り返り、マシューに噛みつくように怒鳴った。
「だから、あの日本人の餓鬼を使うのよ!!あいつを可愛がってやれば、イザヤは何でも言うこときくわ!そうでしょ、イザヤ!」
イザヤは肩をすくめ溜め息をついた。
「もういい加減、こういう事は終わりにしようぜ。なあ、マシュー?お前も本当はうんざりしてるんだろ?長い間こんな馬鹿女に付き合ってご苦労なこった。だから、もう、こいつを俺の所に置いていけよ」
イザヤはサラの手を引き、自分の方へ抱き寄せながら言った。
その様子に、マシューとサラは同時に眉をひそめた。
「こいつは俺の母親だ。今後は俺が世話をする。お前はもう自由にやってろよ。こいつはそんな執心するほどいい女じゃないだろう?」
イザヤが呆れたように言うと、マシューは目をしばたたいた。
「お前が……世話???サラを殺すんじゃなく?」
マシューが訝しげな顔をした。
「ああ、俺流のやり方でこいつを可愛がってやることにした」
イザヤはサラの頭を抱え込み、その額に優しくキスをした。サラは驚いて、身をかわすと、イザヤの手を振りほどき、後退した。
「な、何よ!あんた、急に!!気持ち悪い!!」
息子のキスを気持ち悪いとは、母親の癖に随分な言い方だ。
「奴等が真っ直ぐこちらに向かっています!このまま行けば奴等の車とすれ違う」
携帯の位置情報を見ながら教えてくれた。
「なら、丁度いい。あそこに停めて待っていよう」
イザヤは前方に見えてきた、展望台スペースへと軽トラックを停めた。
ここに立って待っていれば奴等も気付くだろう。
イザヤは軽トラックから降りた。
陶也も同じく助手席から降りてくる。
そこは広い展望台だった。
柵の前には、前方の景色を詳しく説明した案内板があり、柵の端には下に降りる階段もあって、そこにはテーブルや椅子などの、憩いの場がもうけられていた。
イザヤは展望台から、街の風景を眺めた。空は厚い雲に覆われ、いつ雨が降ってもおかしくない状態だ。山の湿った空気が所々、霧となり白い靄が立ち込めていた。
イザヤは運転席からずっと放置しっぱなしの、テンガロンハットを取り出し、頭に乗せた。そして、奴等の車がやって来るのを待った。
暫くすると、一台の車が見えて来た。
奴等の白いワゴン車だ。そいつが山道を下ってくる。
イザヤと陶也はゆっくりと歩き出し、道路に立ち塞がった。
相手は直ぐに気付き、車をイザヤの軽トラックと同じく、展望台の駐車スペースに停めると、助手席から顔に青アザを作ったサラが飛び出してきた。
「イザヤァァァァァァァ━━━!!!」
イザヤの元に駆け込むなり、サラはイザヤをぶん殴った。イザヤは黙ってそれを左の頬に受けた。
「あんた、よくもやってくれたわね!!あたしにこんな真似して!次、やったらぶっ殺すよ!!!」
サラがイザヤの胸ぐらを掴み叫びまくる。
イザヤは黙ってそれを哀しげに見つめた。
「おい!サラ!次とか生ぬるい事を言ってないで、どうせ殺すつもりなら、そんな餓鬼、今、殺っちまえよ」
後方から悠々とマシューが現れた。イザヤを見るなり、不機嫌そうに、しかめっ面で地面に唾を吐き捨てた。
「このクソ餓鬼は、どうせ俺らの言うことなんて利かないぜ。だから、こいつを引き込むのは逆に危険だ。殺せ!」
サラは後ろを振り返り、マシューに噛みつくように怒鳴った。
「だから、あの日本人の餓鬼を使うのよ!!あいつを可愛がってやれば、イザヤは何でも言うこときくわ!そうでしょ、イザヤ!」
イザヤは肩をすくめ溜め息をついた。
「もういい加減、こういう事は終わりにしようぜ。なあ、マシュー?お前も本当はうんざりしてるんだろ?長い間こんな馬鹿女に付き合ってご苦労なこった。だから、もう、こいつを俺の所に置いていけよ」
イザヤはサラの手を引き、自分の方へ抱き寄せながら言った。
その様子に、マシューとサラは同時に眉をひそめた。
「こいつは俺の母親だ。今後は俺が世話をする。お前はもう自由にやってろよ。こいつはそんな執心するほどいい女じゃないだろう?」
イザヤが呆れたように言うと、マシューは目をしばたたいた。
「お前が……世話???サラを殺すんじゃなく?」
マシューが訝しげな顔をした。
「ああ、俺流のやり方でこいつを可愛がってやることにした」
イザヤはサラの頭を抱え込み、その額に優しくキスをした。サラは驚いて、身をかわすと、イザヤの手を振りほどき、後退した。
「な、何よ!あんた、急に!!気持ち悪い!!」
息子のキスを気持ち悪いとは、母親の癖に随分な言い方だ。
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