俺は空気が読める~魔力0の無能と馬鹿にされてダンジョンに追放された俺、実は災害級のスキルがぶっ壊れていて世界最強にして唯一の剣士になる~

島風

文字の大きさ
83 / 92

83親父との決闘〜こいつが卑怯なこと忘れてた~  

しおりを挟む
「うぽうぽうぽうぽうぽうぽぽぽぽぽぽ……!」  

空を飛ぶ父はせっかくの経験を堪能せず、情けない悲鳴とともに落下して来た。  

ドカンッ!!  

地面に落ちて、やはり大きな穴を大の字に作り深い穴に落ち込んでいた。  

死んでたら、さすがにちょっとな。嫌いでも、育ての父、さすがに気分が悪い、だが。  

さすがに賢者の称号を持つ男。  

いつかの冒険者とは違っていた。  

「ぐ……ゆ、油断した……!」  

父はしぶとかった。穴をジリジリと上がってくる。   

貞子みたいで怖い。  

そうか、親父は水魔法の治癒魔法が使える。詠唱破棄か無詠唱でとっさに治癒して、意外とダメージはないのだろう。   

だが、父は激怒していた。  

「ふ、ふざけるでない! なんでお前が魔法使えるだ! 卑怯だろ!」   

いや、そのなんだ。魔法使えない相手に挑むだけでも卑怯だけど。魔法使えるから卑怯ってちょっと酷くないか?  

「ノア・ユングリングが問う、彼はなんぞ?」  

俺はムカついたので追撃をかけることにした。親父の呪文詠唱が間に合わなければ、効果がある筈。  

『我は炎、汝の敵を打ち砕く燃え盛る炎。汝の敵を打ち砕く刃なり』 

俺の放った火の符術を宿した光球が親父に向かって吸い込まれる、かに見えた。   

「氷晶の刑戮【ネーレーイデス・ブリリアント……!?】」  

親父が詠唱破棄で神級の氷属性の光球を打ち出してきた。  

 氷魔法は水属性だ。 

魔法と魔法がぶつかり合う。当然、弱いほうが圧し負ける。  

神級の氷魔法。魔法には属性というものがあり、有利、不利が存在する。  

俺の火の符術は氷や水魔法に弱いらしい。魔法と同じならおおよそ半分の力で相殺される。  

俺の符術は神級魔法を超える筈だ。だが、属性の相性が悪すぎた。故に圧される。  

俺の火の符術は弾かれて、親父の氷魔法が俺の近くに着弾する。   

「残念だったな! 卑怯な魔法さえ使わなければ、私の敵ではない!」  

「それはどうかな? 親父はたったの2属性しか魔法使えないだろ?」  

「何?」  

ブラフではない。親父は2つの属性を使える賢者、だが俺の符術は既に3属性ある。  

それに、ただ魔力に恵まれ、才能に恵まれただけ。そこに努力や進化はなかった、だから。  

「親父、バカの一つ覚えの爆裂魔法に複合した簡単な魔法で勝ってやろう」  

 符術のことはあくまで魔法と言い切った。俺にもわからん、符術は魔法にしか見えんけど。 

「気でも触れたか? 私がたったの2つの属性しか魔法を使えないだと? お前だって火しか使ってないではないか! 私の2属性を使った爆裂魔法を凌駕すると? 戯けたことを言うでない。天地がひっくり返ってもありえん」  

「なら、天地をひっくり返してやろう。俺の3つの属性の符術でな」  

「……笑止」  

まずは火の符術で親父の爆裂魔法を上回るか。  

俺はとっておきの符術を披露することにした。 

普段威力があり過ぎて使えない。だが、この闘技場は中の魔法の威力は外へはいかないバリアが張られている。 

 「ノア・ユングリングが問う、彼はなんぞ?」 

『我は炎、汝の敵を打ち砕く燃え盛る炎。汝の敵を打ち砕く刃なり』 

『我は土、堅牢にてあらゆる物質の頂点。汝の敵の攻撃を防ぐ者なり』 

2つの属性の言霊が記された符術、その結果生じるのは? 

「燃え盛る火はその真価を我が身に示し…… 喜びの声を持って女神の鉾となれ!」  

親父は自身最大の魔法、爆裂魔法を唱えた。火の火炎の魔法に土の元素を取り入れて大爆発を起こす史上最強の攻撃魔法。その爆裂魔法の光球が俺に向かって飛んで来る。  

そして、それを迎撃する俺の2属性の符術。 

「無駄無駄無駄無駄ぁ!!」  

しかし、親父の放った光球はあっさり俺の符術の光球に掻き消される。  

「な! ば、馬鹿な!」  

「親父、あんたは何も学んでないな。恵まれ過ぎていたんだよ。不自由がないから、進化がない。あんたのは神に見放されたハズレスキルなんだよ!」  

親父の顔が羞恥で引き攣る。俺の符術が史上最強の爆裂魔法と同等と理解出来るが故に。  

「どうせ、卑怯な魔道具か何かの力を借りたんだろう。私の神級の爆裂魔法の最終形を見せてやろう。お前は見たことがないだろう。冥土の土産に見せてやる。それがせめてもの親心だ。彼我の差を思い知れ!」  

そう言うと、父は目をキョロキョロと闘技場のある一団に向かって目くばせをした。 

俺の探知のスキルに感があった。 

白いローブを着た集団の声が聞こえた。 

「賢者様よりプランA作戦の命あり、直ちに賢者様の魔力強化せよ。直ちに賢者様の魔力強化せよ。繰り返す、これは演習ではない。直ちに賢者様の魔力強化せよ。」 
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

処理中です...