67 / 92
67聖女に騙されて人攫いにされた件
しおりを挟む
「お兄ちゃんとお姉さん何しようとしてゆの?」
俺とシエナがコソコソとキスをしようとすると何故か愛らしい幼女が俺とシエナを見つめていた。
「い、いや俺達はただな」
「そうなのです。見つめ合っていただけなのです」
「キスしようとしてたんだゆね?」
わかっていたら関わるな!
キスし損ねただろ!
俺達が話し込んでしまったおかげでアリスとルナが来てしまった。
「ノア君どうしたの?」
「ご主人様? 小さな女の子の声が?」
俺はダラダラと冷や汗をかいた。
なんか浮気現場で彼女に出くわしたみたいな感覚だ。
ほぼ同じことなんだけど。
「お兄ちゃん、モテモテだね?」
「い、いや、この子達とはそんなじゃないからな」
「え? ノア君、まだそんなこと言ってるの? いい加減諦めようよ?」
「そうです。ご主人様は愛妾を既に3人も抱える身です。そして僕は忠実なペットです」
「そうなのです。わたくしももう、この際愛妾でいいと割り切ったのです。そうすれば確実にノア様の恋人になれるのです。今だって……キ、キスを」
「わぁああああああ!!」
俺は慌てて大声を出す。
でも、誤魔化せる訳もなく。
「ノア君? 酷くないかな? こっそり隠れてキスするとか?」
「ご、ご主人様……が、シエナ様とキ、キス。ぼ、僕もキスして欲しい!」
「いや、これは出来心だし、俺、まだリリーのことを!」
そうは言ったがアリスが蔑んだような顔で。
「その割に前が立派だよ。それにノア君、私とも何度もキスしたよね?」
「「えええええ!!」」
シエナとルナが驚く。
アリスだけでなく、ルナとシエナの目も何だか俺のことを蔑んでいるような。
クソ!!
でも、言い訳できない。
俺の馬鹿!!
一時の誘惑に負けてしまった!
リリーのことにちゃんと区切りをつけてからと誓ったのに。
「ノア君、でも、リリーさんのことはどこで区切りをつけるの? 人間の心ってそんな簡単に突然区切りなんてつかないよ。流されたからと言ってもリリーさんも誰も責めないよ」
「……ア、アリス」
俺にはアリスが天使のように見えた。
しかし。
「でもコソコソ隠れて他の女の子とキスするようなノア君にはお仕置きが必要だと思うな」
「僕もそう思います。例えペットの身でも許せないです!」
「そうなのです。キスしてくれなかった上、既にアリスさんと何度もキスしていたなんて、これはお仕置きが必要なのです」
え?
ルナはこんな時にだけ恋人らしいこと考えるの?
シエナはこっそり俺とキスしようとした張本人なのに俺にお仕置きが必要っておかしくない?
「お兄ちゃん達、仲がゆいのだね。ところで、リナのこと助けてくれないかな?」
「助ける?」
突然のことで頭が回っていなかったけど、こんな世紀末な場所にこの女の子は相応しくない。
身なりはかなり整っている。上質な絹の洋服によく手入れされた髪、整った顔立ち。
明らかに上流階級の子供だ。
こんな所にいたら確実に攫われるか見ぐるみ剥がされるとか酷い目に遭うに決まっている。
俺はこの女の子を助けようと思った。
話誤魔化せるし。
「君はリナちゃんて言うんだね? もしかして迷子?」
「ううん、リナ、悪い奴らに攫われた所を逃げた所なの」
「何だって?」
思わぬことだが、どうもこの子は人攫いにまさに攫われそうになっていた。
こんな所にいた理由も合点が行く。
「わかった。お兄ちゃん達が責任を持って親御さんの所に連れて行ってあげるからね」
そう言うと、リナと言う子は。
「……リナのお父さんとお母さんは」
気がつくと俺は涙腺が崩壊していた。
俺、そういう話だめなんだ。
「みんな、今日はこの子を身よりまで送り届けることに変更するよ。いいよね」
「もちろんだよ、ノア君、当然だよ。みんなもいいよね?」
「「はい」」
反対意見など出る筈もなく、俺達はリナという女の子を連れて路地裏から無事脱出した。
ほとんど脱出していた時、背後から大声が聞こえた。
「リ、リナ様がまた脱走されたぁ! 早く見つけるんだ! こんな所でおかしなロリコンに見つかったら確実に攫われる!」
「いや、これだけ探して見つからないなんて、既に人攫いに攫われたんじゃないか?」
えええええ!?
俺は驚いてリナちゃんを見た。すると、リナちゃんはニヤリと笑った。
天使のような顔立ちにそぐわない邪悪な顔。
俺は騙されたことを察した。
俺とシエナがコソコソとキスをしようとすると何故か愛らしい幼女が俺とシエナを見つめていた。
「い、いや俺達はただな」
「そうなのです。見つめ合っていただけなのです」
「キスしようとしてたんだゆね?」
わかっていたら関わるな!
キスし損ねただろ!
俺達が話し込んでしまったおかげでアリスとルナが来てしまった。
「ノア君どうしたの?」
「ご主人様? 小さな女の子の声が?」
俺はダラダラと冷や汗をかいた。
なんか浮気現場で彼女に出くわしたみたいな感覚だ。
ほぼ同じことなんだけど。
「お兄ちゃん、モテモテだね?」
「い、いや、この子達とはそんなじゃないからな」
「え? ノア君、まだそんなこと言ってるの? いい加減諦めようよ?」
「そうです。ご主人様は愛妾を既に3人も抱える身です。そして僕は忠実なペットです」
「そうなのです。わたくしももう、この際愛妾でいいと割り切ったのです。そうすれば確実にノア様の恋人になれるのです。今だって……キ、キスを」
「わぁああああああ!!」
俺は慌てて大声を出す。
でも、誤魔化せる訳もなく。
「ノア君? 酷くないかな? こっそり隠れてキスするとか?」
「ご、ご主人様……が、シエナ様とキ、キス。ぼ、僕もキスして欲しい!」
「いや、これは出来心だし、俺、まだリリーのことを!」
そうは言ったがアリスが蔑んだような顔で。
「その割に前が立派だよ。それにノア君、私とも何度もキスしたよね?」
「「えええええ!!」」
シエナとルナが驚く。
アリスだけでなく、ルナとシエナの目も何だか俺のことを蔑んでいるような。
クソ!!
でも、言い訳できない。
俺の馬鹿!!
一時の誘惑に負けてしまった!
リリーのことにちゃんと区切りをつけてからと誓ったのに。
「ノア君、でも、リリーさんのことはどこで区切りをつけるの? 人間の心ってそんな簡単に突然区切りなんてつかないよ。流されたからと言ってもリリーさんも誰も責めないよ」
「……ア、アリス」
俺にはアリスが天使のように見えた。
しかし。
「でもコソコソ隠れて他の女の子とキスするようなノア君にはお仕置きが必要だと思うな」
「僕もそう思います。例えペットの身でも許せないです!」
「そうなのです。キスしてくれなかった上、既にアリスさんと何度もキスしていたなんて、これはお仕置きが必要なのです」
え?
ルナはこんな時にだけ恋人らしいこと考えるの?
シエナはこっそり俺とキスしようとした張本人なのに俺にお仕置きが必要っておかしくない?
「お兄ちゃん達、仲がゆいのだね。ところで、リナのこと助けてくれないかな?」
「助ける?」
突然のことで頭が回っていなかったけど、こんな世紀末な場所にこの女の子は相応しくない。
身なりはかなり整っている。上質な絹の洋服によく手入れされた髪、整った顔立ち。
明らかに上流階級の子供だ。
こんな所にいたら確実に攫われるか見ぐるみ剥がされるとか酷い目に遭うに決まっている。
俺はこの女の子を助けようと思った。
話誤魔化せるし。
「君はリナちゃんて言うんだね? もしかして迷子?」
「ううん、リナ、悪い奴らに攫われた所を逃げた所なの」
「何だって?」
思わぬことだが、どうもこの子は人攫いにまさに攫われそうになっていた。
こんな所にいた理由も合点が行く。
「わかった。お兄ちゃん達が責任を持って親御さんの所に連れて行ってあげるからね」
そう言うと、リナと言う子は。
「……リナのお父さんとお母さんは」
気がつくと俺は涙腺が崩壊していた。
俺、そういう話だめなんだ。
「みんな、今日はこの子を身よりまで送り届けることに変更するよ。いいよね」
「もちろんだよ、ノア君、当然だよ。みんなもいいよね?」
「「はい」」
反対意見など出る筈もなく、俺達はリナという女の子を連れて路地裏から無事脱出した。
ほとんど脱出していた時、背後から大声が聞こえた。
「リ、リナ様がまた脱走されたぁ! 早く見つけるんだ! こんな所でおかしなロリコンに見つかったら確実に攫われる!」
「いや、これだけ探して見つからないなんて、既に人攫いに攫われたんじゃないか?」
えええええ!?
俺は驚いてリナちゃんを見た。すると、リナちゃんはニヤリと笑った。
天使のような顔立ちにそぐわない邪悪な顔。
俺は騙されたことを察した。
0
お気に入りに追加
711
あなたにおすすめの小説

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる