俺は空気が読める~魔力0の無能と馬鹿にされてダンジョンに追放された俺、実は災害級のスキルがぶっ壊れていて世界最強にして唯一の剣士になる~

島風

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48ノア、外道を処す

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ゴトン、ゴトン、ルイの両腕が地面に落ちる。 

「さあ、一体どうやって俺に爆炎を撒き散らす気だ?」 

「キ、キィェェェェェェェェェェェェエ!!!!!!」 

俺は意地悪く言った。 

ルイの最強魔法は両腕から爆炎を撒き散らすモノだ。 

ルイの能力、煉獄魔導士の特徴だ。 

その爆炎は通常の神級魔法の数倍の威力、故に真っ先に両腕を切断させてもらった。 

もちろん、これで無力化できた訳ではない。 

通常の炎の神級魔法もルイは使える。 

「こ、こうなったら、我輩の神級魔法で!」 

「ルイ様、頑張ってください。今なら治癒魔法で両腕も接着できます!」 

加速。 

俺は加速のスキルを使った。 

高速でルイに近づくとルイの両脚を切断した。 

「ひ、ひぃ」 

「何やってんの? このボケ? あんなクズに負ける気?」 

全くルイの弱さにも増して、エミリーの醜悪さが酷いな。 

「い、痛いザマス。痛い、我輩の両腕が痛いザマス!」 

ようやく痛みが襲って来たか。 

これなら魔法詠唱なんてとてもできないだろう。 

俺は剣を携えたままルイに近づいた。 

「俺の質問に答えろ。答えればしばらく生かしてやる。質問以外でも有力な情報ならしばらく生かしておいてやる。嘘を言わなかったらしばらく生かしてやる!」 

「ひ、ひぃ」 

エミリーがどうもお漏らしをしたようだ。 

「まず、リリーを殺したのはお前か?」 

リリーはルイの唇に噛み付いた。だからルイがリリーを殺したのか? 

俺はそれが知りたい。 

リリーを殺したのはルイか長兄のテオか? 

「ち、違うザマス。最初はリリーに口を噛まれて殴りつけたけど、テオ兄がリリーに躾をしていたら、止まらなくなって、殺したザマス。本当ザマス。し、信じて欲しいザマス!」 

こいつ、なんか勘違いしてないか? 

命乞いのつもりか? 

こいつを生かしたら、更に多くの人が酷い思いをする。 

いや、既にこいつのした事は許容を超えているんだ。 

生かすなんてあり得ないだろう? 

ちょっと考えればわかるだろうに。 

「次に取引をする奴隷商は誰だ?」 

「ど、奴隷商はハウゼン商会ザマス。昔からの付き合いザマス」 

なるほど、確かアシュフォードに本店を持つ奴隷商か。 

俺がいた辺境領では執事長のエーリヒさんの監視が厳しいからアシュフォードの街を拠点にした訳か。 

全く、自分の家族がここまで他の領に迷惑をかけているとはな。 

親父も関わっているのか? 

「最後に親父はこの件に関わっているのか?」 

「もちろんザマス。執事長のエーリヒが経費削減とか言うから父上が5年前から始めたザマス」 

なるほど、そういう事か。 

実家は放蕩な贅沢三昧で執事長のエーリヒさんが何年も前に経費削減として王都の実家に送る資金を削減した。 

通常の伯爵家に相応しい金額以上なのにそれでも我慢できないとはな。 

「わかった。知りたい事は全部わかった」 

知りたい事が全部わかった。 

後は処すだけだ。 

だが。 

「……ノア様」 

何故か突然エミリーがシナを作って俺にしなだれかかる。 

「私、あんな心にも無い事を言ってしまいましたが、本当は昔からノア様の事が。私をノア様専用の肉便器にしてくださいまし。お願いします」 

全く何なんだ? 

そんな事が信じられるか? 

それに肉便器? 

この女は自分からルイの肉便器を希望していたのか? 

それを俺に求められてもな。 

何より、こいつも奴隷狩の関係者だ。 

許せる訳も無い。 

「エ、エミリー! 我輩を裏切るのですか?」 

「ふん、弱い男に興味無いつっの! キモい顔に抱かれる度に鳥肌が立ってたわよ」 

全く。 

こいつら馬鹿か? 

俺がこいつらを生きて返すと思うのか? 

「じゃあ、処すな?」 

「は?」 

「え?」 

2人は素っ頓狂な声を上げる。 

「俺は言ったよな。聞いた事に答えればしばらく生かしてやるとな。生かしてやるとは言っていない」 

「キ、キィェェェェェェェェェェェェエ!!!!!!」 

ルイの絶唱が響いた途端、俺は剣を無造作に振るった。 

音速の壁を破った剣先はソニックブームを発生し、ルイを襲った。 

ビシャ 

ルイは血飛沫に変わって、壁のシミになった。 

「ひ、ひぃぃぃぃ!!」 

エミリーはまたへたり込んでまたお漏らしをしている。 

さっき漏らしたばかりなのに、こいつの膀胱どうなってんだ? 

「わ、私も殺す気? 私、女の子よ? それを殺すの? あなた正義感強いんでしょ?」 

まあ、正義感は強いかな。 

確かに女の子に直接手を下すとかは躊躇するな。 

だがな。 

俺には猫耳族の人達の怨嗟の目でわかった。 

エミリーを見つめる目。 

これまでルイとエミリーが何をして来たのか? 

あるいはエミリーがそれを見て止めもせず、何もしなかったか? 

ルイとの決着がついた頃にはルナが里の人達の牢獄の扉の鍵を開けていた。 

そして、俺とエミリーを里の皆が取り囲む。 

「ありがとうございます。私は猫耳族の里の長です。なんと感謝していいか」 

「あなた達の事についてはむしろ俺から謝罪すべき事です。頭を上げてください。それより、このエミリーという女。この女はどうされますか? この女は伯爵家の使用人です。捕縛されても大した罪にも問われず放免になる可能性があります。どう処すかはあなた達に任せます」 

「や、止めて! なんて事を言うの! そんな事を言ったら!」 

エミリーは涙目で俺に向かって叫んでいた。 

まあ、大した事をしていなければ穏便な措置になるだろうな。 

そうでなければ。 

俺の知った事では無い。 

「じゃ、俺は他に囚われている人がいないかあちこち探して来ますので」 

そう言ってその場を去ると。 

「ギャアアアアア! 止めて! お願いだから止めて! ちょっと何人か殺しただけなのに!」 

やっぱり人の道を外していたか。 

おそらく嬲り殺しになるな。 

男達の怒気から察してはいたが、後ろからエミリーを殴る蹴るの音が聞こえて来た。 

「ノ、ノア様?」 

「ルナ、お前は来い。直接地獄を見ていない者には辛い筈だ」 
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