39 / 92
39ダンジョンを脱出
しおりを挟む
リリーと訣別した俺だが、数日ダンジョンに留まった。
エンシャントドラゴンのドロップしたアイテムは龍の鱗というアイテムでやはりスキル付与のアイテムだった。
内容はスキル『翻訳』と『鑑定』。
一見役に立たないように思えるが、この屋敷にある書物を読むのには役に立った。
何故なら1000年前の書物は現代のものとは異なり読めなかった。
そこでスキル翻訳と鑑定が役に立った。
鑑定で本の趣旨を判別して必要な本だけ読む。
この世界の魔法の知識は多少読んだが俺にはあまり関係ない。
アリスに読み聞かせたりはしたが、それより、俺は勇者いつきが書き残した異界の知識に興味を奪われた。いつきの話によるとこの世界といつきのいた世界の違いは魔法の魔素と剣などの武器を使う者の闘気があることが違う位だった。
驚いたがいつきの時代には剣や斧などの武器は普通に魔法と共に使われていたそうだ。
いつきは博識で農業や物理学、化学などの知識に詳しかった。
この国は全てを魔法に頼っている。
俺も実家の辺境領で農業や治水灌漑で苦労したが、この知識があればかなり楽になる。
特に農業で肥料を与えたり、作物を収穫した後、同じ作物を育てることはあまり良くない点は驚いた。連作障害と言うらしい。考えてみれば同じ作物を連続して育てると同じ栄養ばかりが枯渇するのでいい筈がない。
言われて初めて気がついた。
もっともこんな知識は今後の俺に何の為に役にたつのかわからないが、興味が湧いて仕方がない。
しかし、執事長のエーリヒさんに再会することができたなら、是非教えてあげたい。
彼にはとても可愛がってもらった。俺にとっては父のような存在だ。
「ノア君、しばらく我慢してたけど、あれから3日経ったから、私、こうしたい」
「アリス」
アリスは俺を後ろから優しく抱きしめてくれた。
いつものエロいやつじゃなくて慈愛に満ちた優しい抱擁。
「ノア君、辛かったよね。最愛の人と永遠に別れることになって」
「ありがとうアリス、でも、俺も少し心の整理ができたよ。俺は復讐はしない。それにいつかリリーの事を吹っ切れたら新しい恋を始めようと思う。今は無理だけど」
「わかってるよ。ノア君はそういう人だから」
俺はアリスの優しさに感謝しながら一つの事を相談した。
「ねえ、アリス。俺はこれからどうすればいいんだろう? 俺はダンジョンを脱出したらリリーを殺した兄達や父に復讐する事だけを考えてた。でも、俺はこれから一体どうすれば?」
俺はこれからどうしたらいいかわからなかった。
人生の目的を失った俺にはどう生きればいいのか分からなかった。
「好きに気ままに旅でもすればいいと思うよ。アリスも一緒に連れて行ってよ」
「旅?」
「うん、気ままに旅をすればいいと思うよ」
そうだな。
それもいいかもしれない。
俺の目標は決まった。
世界を旅しよう。
そして珍しい物を見たり、悪いヤツがいたら懲らしめてやる。
そんな人生もいいのかなと思った。
アリスも付いてきてくれるし。
「わかった、アリス、一緒に来てくれるか? 旅をしようよ」
「うん、もちろんだよ。ノア君!」
アリスの嬉しそうな顔を見ると、俺は居てもたまらず早速ダンジョンを脱出する事にした。
例の倉庫の宝物や書物は根こそぎ俺の収納鞄やアリスの収納魔法に突っ込んだ。
そして、勇者いつきに挨拶をして帰る事にした。
☆☆☆
「そうか、いよいよこのダンジョンを出るか、寂しくなるな。君たちが脱出したらこのダンジョンは100年間封印する。その間に新しいスキルチケットを生成する」
そう言う仕組みか。
「では、俺たちは行きます。お世話になりました。それと最後にこの部屋の書庫の本を全部頂いていきます」
「へ?」
アリスが片っ端から本を収納魔法に突っ込んで行く。
「ああああああああ! 忘れてた! 収納魔法!」
この勇者、絶対ポンコツだよな?
よく邪神に勝てたな。
「た、頼む。お願いだ。全部は持っていかないでくれ! 100年後に訪れる後継者に何も残せなくなる!」
「いや、意味ないですよ。これ、古代文字だから誰も読めないですよ。後、倉庫の宝物も全部頂きましたから」
「えええええええ!」
うるさい勇者だな、こいつ。
☆☆☆
「はあ、全部根こそぎ持っていかれるとはな、とほほ」
「そもそも、このダンジョン1000年間誰も攻略できなかったんでしょ? 次に攻略できる保証はありませんよ。あなたがダンジョンの仕様の桁を間違えたからでしょう?」
「そ、それはそうだが」
いつきは寂しそうな顔をするが、自業自得だと思う。
じゃあ、行きます。
「待て、最後のプレゼントが残っている」
「プレゼント?」
俺は何のことか不思議に思った。
「このダンジョンの真の意味、それは限界突破を行うことだ。それを授ける」
そう言うと俺の身体に何か不思議な力を感じた。
そして、俺とアリスは倉庫の転移の魔法陣に入った。
エンシャントドラゴンのドロップしたアイテムは龍の鱗というアイテムでやはりスキル付与のアイテムだった。
内容はスキル『翻訳』と『鑑定』。
一見役に立たないように思えるが、この屋敷にある書物を読むのには役に立った。
何故なら1000年前の書物は現代のものとは異なり読めなかった。
そこでスキル翻訳と鑑定が役に立った。
鑑定で本の趣旨を判別して必要な本だけ読む。
この世界の魔法の知識は多少読んだが俺にはあまり関係ない。
アリスに読み聞かせたりはしたが、それより、俺は勇者いつきが書き残した異界の知識に興味を奪われた。いつきの話によるとこの世界といつきのいた世界の違いは魔法の魔素と剣などの武器を使う者の闘気があることが違う位だった。
驚いたがいつきの時代には剣や斧などの武器は普通に魔法と共に使われていたそうだ。
いつきは博識で農業や物理学、化学などの知識に詳しかった。
この国は全てを魔法に頼っている。
俺も実家の辺境領で農業や治水灌漑で苦労したが、この知識があればかなり楽になる。
特に農業で肥料を与えたり、作物を収穫した後、同じ作物を育てることはあまり良くない点は驚いた。連作障害と言うらしい。考えてみれば同じ作物を連続して育てると同じ栄養ばかりが枯渇するのでいい筈がない。
言われて初めて気がついた。
もっともこんな知識は今後の俺に何の為に役にたつのかわからないが、興味が湧いて仕方がない。
しかし、執事長のエーリヒさんに再会することができたなら、是非教えてあげたい。
彼にはとても可愛がってもらった。俺にとっては父のような存在だ。
「ノア君、しばらく我慢してたけど、あれから3日経ったから、私、こうしたい」
「アリス」
アリスは俺を後ろから優しく抱きしめてくれた。
いつものエロいやつじゃなくて慈愛に満ちた優しい抱擁。
「ノア君、辛かったよね。最愛の人と永遠に別れることになって」
「ありがとうアリス、でも、俺も少し心の整理ができたよ。俺は復讐はしない。それにいつかリリーの事を吹っ切れたら新しい恋を始めようと思う。今は無理だけど」
「わかってるよ。ノア君はそういう人だから」
俺はアリスの優しさに感謝しながら一つの事を相談した。
「ねえ、アリス。俺はこれからどうすればいいんだろう? 俺はダンジョンを脱出したらリリーを殺した兄達や父に復讐する事だけを考えてた。でも、俺はこれから一体どうすれば?」
俺はこれからどうしたらいいかわからなかった。
人生の目的を失った俺にはどう生きればいいのか分からなかった。
「好きに気ままに旅でもすればいいと思うよ。アリスも一緒に連れて行ってよ」
「旅?」
「うん、気ままに旅をすればいいと思うよ」
そうだな。
それもいいかもしれない。
俺の目標は決まった。
世界を旅しよう。
そして珍しい物を見たり、悪いヤツがいたら懲らしめてやる。
そんな人生もいいのかなと思った。
アリスも付いてきてくれるし。
「わかった、アリス、一緒に来てくれるか? 旅をしようよ」
「うん、もちろんだよ。ノア君!」
アリスの嬉しそうな顔を見ると、俺は居てもたまらず早速ダンジョンを脱出する事にした。
例の倉庫の宝物や書物は根こそぎ俺の収納鞄やアリスの収納魔法に突っ込んだ。
そして、勇者いつきに挨拶をして帰る事にした。
☆☆☆
「そうか、いよいよこのダンジョンを出るか、寂しくなるな。君たちが脱出したらこのダンジョンは100年間封印する。その間に新しいスキルチケットを生成する」
そう言う仕組みか。
「では、俺たちは行きます。お世話になりました。それと最後にこの部屋の書庫の本を全部頂いていきます」
「へ?」
アリスが片っ端から本を収納魔法に突っ込んで行く。
「ああああああああ! 忘れてた! 収納魔法!」
この勇者、絶対ポンコツだよな?
よく邪神に勝てたな。
「た、頼む。お願いだ。全部は持っていかないでくれ! 100年後に訪れる後継者に何も残せなくなる!」
「いや、意味ないですよ。これ、古代文字だから誰も読めないですよ。後、倉庫の宝物も全部頂きましたから」
「えええええええ!」
うるさい勇者だな、こいつ。
☆☆☆
「はあ、全部根こそぎ持っていかれるとはな、とほほ」
「そもそも、このダンジョン1000年間誰も攻略できなかったんでしょ? 次に攻略できる保証はありませんよ。あなたがダンジョンの仕様の桁を間違えたからでしょう?」
「そ、それはそうだが」
いつきは寂しそうな顔をするが、自業自得だと思う。
じゃあ、行きます。
「待て、最後のプレゼントが残っている」
「プレゼント?」
俺は何のことか不思議に思った。
「このダンジョンの真の意味、それは限界突破を行うことだ。それを授ける」
そう言うと俺の身体に何か不思議な力を感じた。
そして、俺とアリスは倉庫の転移の魔法陣に入った。
0
あなたにおすすめの小説
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる