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15地竜の階層の階層主がアースドラゴンなの?
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俺は階層主の部屋のドアを開けると目標をすぐさま見つけた。
地竜の主?
いや、違う。
これは……
アースドラゴン。
退化した地竜と違い進化した地を這う最強のドラゴン。
まずサイズが違う。
2m程度の地竜に対してアースドラゴンは10mはあった。
蛇がとぐろを巻くように尾が曲がりくねる。
ヤツも俺を確認したのだろう。
ここは先手必勝。
「ノア・ユングリングが問う、彼はなんぞ?」
『我は炎、汝の敵を打ち砕く燃え盛る炎。汝の敵を打ち砕く刃なり』
激しい炎がアースドラゴンを襲う。
しかし。
黒煙の中から突然アースドラゴンが顔を出したかと思うと、その顎を大きく開いた。
そして口が真っ赤に染まる。
これは!!
ブレスだ!
俺は更に巫術を使った。
ブレスと相殺する。
爆発が起こった頃にはドラゴンの懐に飛び込んでいた。
だが!
「!!!!!!」
なんとドラゴンは俺の接近を知っていたとしか思えない位正確に俺の位置を把握していた。
俺に向かって牙の生えた口が襲う。
辛うじて逃げるが、ステップなんかで逃げ切るサイズじゃない。
全速力で走った。
しかし、正確無比に俺に向かって来るドラゴン。
そうか、探知か探査のスキルを持っているんだ。
ドラゴンはスキルや魔法を使う。
ドラゴンの目はあまり良くない筈だ。
代わりに魔法やスキルで補っている。
俺は巫術と剣戟を使って何とかして対応しているが、追い込まれてばかりだ。
稀に剣が当たるがその硬い鱗で跳ね返されるだけだ。
地竜と雲泥の差だ。
これ、無理ゲーじゃない?
剣は効かない。
巫術もあまり効果がない。
その上俺の行く先を正確に把握して、巫術で目眩しにすることもできない。
詰んだか?
俺は目まぐるしく考えた。
アースドラゴンの攻撃を凌ぎながら対処方法を。
何か、何か反撃の手段があるはずだ。
その時俺は子供の頃に読んだ英雄譚を思い出した。
英雄が初めてドラゴンと戦った時にとった戦術。
ドラゴンに食われかける瞬間に魔法をぶっ放す。
口の中に。
ドラゴンの表皮は硬い鱗で守られている。
だが口の中には当然鱗はない。
普通の魔物と何も変わらない内臓があるだけだ。
俺は決意した。
失敗すれば食われる。
だがそれしか方法が思いつかない。
俺は巫術でアースドラゴンの足を止めると壁伝いに飛び上がって行ってドラゴンの口と同じ高さに達する。
そして。
アースドラゴンに向かって飛んで行く。
あらかじめ巫術を唱える。
ヤツは俺の位置がわかっている筈だ。
ならばヤツの口はこの火の巫術で出来た黒煙が収まる今、絶対目の前に口を開けて待っている。
俺は巫術を唱え終わった。
そして黒煙が収まり視界が開ける、すると。
!!!!!
わかっていてもどうしようも無い恐怖。
目の前に巨大なドラゴンが口を開けている所に出くわした。
千載一遇のチャンス。
「彼はなんぞ?」
『我は炎、汝の敵を打ち砕く燃え盛る炎。汝の敵を打ち砕く刃なり』
巫術が発動する。
そしてドラゴンが俺を食おうとその口を俺に向かって突き出して来る。
その刹那。
ズガンと巨大な爆音がした。
地面でも空中でも無い。
俺は上手くドラゴンの口の中に火の巫術を打ち込むことに成功した。
凄まじい叫び声が聞こえる。
はらわたを焼き尽くされたドラゴンがのたうち回る。
致命傷の筈だ。
いくらドラゴンでも内臓を焼き尽くされたら生きていられない。
ドドーン
しばらくのたうち回ったドラゴンはゆっくりと崩れ落ちた。
そしてそこには巨大な魔石とドラゴンの牙をドロップした。
凄い宝なんだろうけど俺には持ち運べる手段がない。
尻尾の下側は鱗がないので肉を切り取り、それだけ持ち去って安息の間に入った。
だが俺はそこで呆然とすることになった。
地竜の主?
いや、違う。
これは……
アースドラゴン。
退化した地竜と違い進化した地を這う最強のドラゴン。
まずサイズが違う。
2m程度の地竜に対してアースドラゴンは10mはあった。
蛇がとぐろを巻くように尾が曲がりくねる。
ヤツも俺を確認したのだろう。
ここは先手必勝。
「ノア・ユングリングが問う、彼はなんぞ?」
『我は炎、汝の敵を打ち砕く燃え盛る炎。汝の敵を打ち砕く刃なり』
激しい炎がアースドラゴンを襲う。
しかし。
黒煙の中から突然アースドラゴンが顔を出したかと思うと、その顎を大きく開いた。
そして口が真っ赤に染まる。
これは!!
ブレスだ!
俺は更に巫術を使った。
ブレスと相殺する。
爆発が起こった頃にはドラゴンの懐に飛び込んでいた。
だが!
「!!!!!!」
なんとドラゴンは俺の接近を知っていたとしか思えない位正確に俺の位置を把握していた。
俺に向かって牙の生えた口が襲う。
辛うじて逃げるが、ステップなんかで逃げ切るサイズじゃない。
全速力で走った。
しかし、正確無比に俺に向かって来るドラゴン。
そうか、探知か探査のスキルを持っているんだ。
ドラゴンはスキルや魔法を使う。
ドラゴンの目はあまり良くない筈だ。
代わりに魔法やスキルで補っている。
俺は巫術と剣戟を使って何とかして対応しているが、追い込まれてばかりだ。
稀に剣が当たるがその硬い鱗で跳ね返されるだけだ。
地竜と雲泥の差だ。
これ、無理ゲーじゃない?
剣は効かない。
巫術もあまり効果がない。
その上俺の行く先を正確に把握して、巫術で目眩しにすることもできない。
詰んだか?
俺は目まぐるしく考えた。
アースドラゴンの攻撃を凌ぎながら対処方法を。
何か、何か反撃の手段があるはずだ。
その時俺は子供の頃に読んだ英雄譚を思い出した。
英雄が初めてドラゴンと戦った時にとった戦術。
ドラゴンに食われかける瞬間に魔法をぶっ放す。
口の中に。
ドラゴンの表皮は硬い鱗で守られている。
だが口の中には当然鱗はない。
普通の魔物と何も変わらない内臓があるだけだ。
俺は決意した。
失敗すれば食われる。
だがそれしか方法が思いつかない。
俺は巫術でアースドラゴンの足を止めると壁伝いに飛び上がって行ってドラゴンの口と同じ高さに達する。
そして。
アースドラゴンに向かって飛んで行く。
あらかじめ巫術を唱える。
ヤツは俺の位置がわかっている筈だ。
ならばヤツの口はこの火の巫術で出来た黒煙が収まる今、絶対目の前に口を開けて待っている。
俺は巫術を唱え終わった。
そして黒煙が収まり視界が開ける、すると。
!!!!!
わかっていてもどうしようも無い恐怖。
目の前に巨大なドラゴンが口を開けている所に出くわした。
千載一遇のチャンス。
「彼はなんぞ?」
『我は炎、汝の敵を打ち砕く燃え盛る炎。汝の敵を打ち砕く刃なり』
巫術が発動する。
そしてドラゴンが俺を食おうとその口を俺に向かって突き出して来る。
その刹那。
ズガンと巨大な爆音がした。
地面でも空中でも無い。
俺は上手くドラゴンの口の中に火の巫術を打ち込むことに成功した。
凄まじい叫び声が聞こえる。
はらわたを焼き尽くされたドラゴンがのたうち回る。
致命傷の筈だ。
いくらドラゴンでも内臓を焼き尽くされたら生きていられない。
ドドーン
しばらくのたうち回ったドラゴンはゆっくりと崩れ落ちた。
そしてそこには巨大な魔石とドラゴンの牙をドロップした。
凄い宝なんだろうけど俺には持ち運べる手段がない。
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