84 / 93
84勇者レオンと決闘、なんか俺が悪者にされてる
しおりを挟む
――王都の中央広場。
その日の王都は初夏の空が青く澄んで絹のように光る快晴だった。
中央広場。広場の中央には多くの民が見物の為に集まっていた。
「こりゃ……すごい人だな」
王子にして勇者レオンと英雄の俺はとの決闘。公にはリーゼを巡って男と男の戦いとされていた。市民の好奇心は当然だろう。多分、工作済みで必要以上に好奇心を煽るように情報操作されてりな。アリーから聞いた話だと俺がリーゼを性奴隷として購入して、レオンがそれに見るに見かねてという設定だ。まるで俺が悪者だ。
まあ、おおむねあってるんだけどね。
ただ、リーゼが一発ヤラしてくれなかったの。
なんか俺って損してるよね?
まあ、本当の決闘の目的はどちらが真の勇者に相応わしいか? をはっきりさせたいのだろう。俺に勝って市民に力をアピールして真の勇者に近づきたいのだろう。
そして残念ながら市民の大半は王子の思惑通り、レオンの味方のようだった。
「殿下! 頑張ってくださいー!」
「女の子を泣かすヤツなんかに負けないでくださいー!」
「フツメンなんかぶっ飛ばしてー!」
……まあ、王都は殿下のホームグラウンド。これまでのレオン王子の功績がどれほどだったか伺いしれる。もっともアリーの話を聞くと女たらしは王子の方らしい。
まるで悪役のような扱いに閉口するが、それは割り切ってと、思っていると。
「アル、私がついてるからね!」
「アル君! 負けるなー!」
「ご主人様頑張ってーっ!」
「!?」
クリス、アリーとリーゼの声が聞こえる。そうだった、今の俺は一人じゃない。みんながいる。
更に。
「アル殿! 御武運を!」
「我らダンジョンの街の冒険者はあなたの味方です!」
「アルの兄貴! 俺の惚れ込んだ兄貴の力! 見せてください!」
「アル君、私もついてるからね!」
冒険者のみんな。気圧されていた俺は、ほんのひと握りだが、とても心強い声援に送り出されて、闘技会場に足を進めた。
日差しが暑い。そして眩しい光の下に佇む王子レオン。
まあ、普通に俺が勝てる相手じゃないけどなんとか勝利しないとリーゼが奪われる。
いや、返品したいのだけど、女の子の目に涙は……
俺、ほんと女の子涙に弱いよな。
「よく来たね。逃げずに僕と手合わせしてくれることは褒めてあげるよ」
なんか上から目線。
実績から言うと仕方ないか。
だが俺もそこそこ強くなった。殿下相手でもそれなりの闘いはできると思う。
正直、俺には勝ってもメリットがない。
ただ、女の子の涙のためにやるしかないのだ。
全部あのクソ奴隷のおかげだ。
一応俺の婚約者だし、今はリーゼのこと意外と好きだからいいけど。
可愛いもんな。
いかん、ついニヤニヤしてしまった。はっ!? と気がついてクリスの方を見ると。
凄い鋭い目つきで俺を睨んでいた。さすが俺の幼馴染。
俺の考えていることが見透かされている。
「お手を柔らかにお願いします。殿下の実力はよくわかっております」
「褒めてあげるよ。惨めに負けることがわかっていても対戦するなんてね」
この王子イケメンだし言葉も温和だけど上から目線が酷い。
「最後に言い残すことはあるか? クズとはいえ、最後の言葉くらい拾ってやろう」
「…………」
酷い上から目線はいいけど、殿下は俺を殺すつもりらしい。普通、決闘で命までのやりとりはしない。昔は命をかけていたが、今はあくまで両者の力の差を見極めるだけだ。そのため、立ち会い人が指名される。この決闘の場合、王子の配下の騎士だ。
つまり、殿下は何があろうとタオルを入れない立ち合い人の元、合法的に俺を殺すつもりなのだ。この王子……クズだ。
「殿下。決闘とあれば、対戦者への敬意を抱き、雑念は捨てて全力を尽くせ――そう魔法学園で教わりました。教師はあなたでした」
「はは……。そんなたてまえを信じているなんてね」
だめだ。この人クズだ。
こんな奴でも、勇者。それに。
殿下は勇者のジョブ恵まれ、既にレベル99、スキルにも恵まれて普通30位のところ100は持っているという噂だ。
勇者という最強のステータスの上、スキルを100も持つチート中のチート。
王子への声援があがる。威風堂々と白銀の鎧を纏い、パッと見た目はあちらの方が見栄えがいい。見た目だけで騙されている観客たちが声援をあげる。
リーゼの為、勝つしかない。
……さあ、決着をつけるか。
俺は剣を抜き放ち、剣を構えると、王子がふっと笑った。
「僕はうさぎを狩るにも全力を尽くす獅子なんだ」
謎の言葉を発すると審判が手をあげ、宣言する。
「これより、第一王子レオン、英雄アルの決闘を始める。双方卑怯な手は禁止とする」
そして決闘の開始を待つ。
「始めぇーーーーー!」
かけ声と同時に、王子は魔法詠唱に入る。身体強化の魔法だろう。
王子の聖なる鎧は絶えず防御結界が張られている。
1体1だと一番厄介な相手だ。
俺も当然身体強化(極大)あたりのスキルを使うべきだろう。
そうしないとダメージが通らない。
だが。
「!」
俺は構わず王子を斬りつけた。
「な……んだとッ!」
王子が驚愕の目で俺を見る。
わかる、わかる。俺もびっくりした。
まさか、無銘の剣で王子の防御結界が破れるとは思わなかった。
代わりに無銘の剣が折れたけど。
どうも貧乏性の俺はセール品の無銘の剣を使っていた。だから……折れた、多分。
剣は折れた。
え?
なんで聖剣使わないのかって?
マグレが起こったら困るだろ?
それに王都自体が吹っ飛びそうな気がする。
王子を見ると驚いて魔法詠唱を中断していた。神級魔法は3節の呪文詠唱が必要。
つまり。
殴りに行こう。
俺は素で王子に近づくと、ぐーで王子を殴った。
「な、え? ちょ――っ! うぽぉぉぉぉぉお!!!」
王子は変な奇声を発すると、空高く飛んで行った。
綺麗な青い空。飛んでいる王子。
「……え?」
「……は?」
「……へ?」
さっきまで王子を応援していた王都の観客たちが、急にシーンとなる。
「ば、馬鹿なっ……!」
大声で怒鳴る審判。
「あ、ありえんない……? 魔法もスキルも使わず、勇者である殿下を? あり得ない……!!!」
審判はブルブルと震え、狼狽していた。
その日の王都は初夏の空が青く澄んで絹のように光る快晴だった。
中央広場。広場の中央には多くの民が見物の為に集まっていた。
「こりゃ……すごい人だな」
王子にして勇者レオンと英雄の俺はとの決闘。公にはリーゼを巡って男と男の戦いとされていた。市民の好奇心は当然だろう。多分、工作済みで必要以上に好奇心を煽るように情報操作されてりな。アリーから聞いた話だと俺がリーゼを性奴隷として購入して、レオンがそれに見るに見かねてという設定だ。まるで俺が悪者だ。
まあ、おおむねあってるんだけどね。
ただ、リーゼが一発ヤラしてくれなかったの。
なんか俺って損してるよね?
まあ、本当の決闘の目的はどちらが真の勇者に相応わしいか? をはっきりさせたいのだろう。俺に勝って市民に力をアピールして真の勇者に近づきたいのだろう。
そして残念ながら市民の大半は王子の思惑通り、レオンの味方のようだった。
「殿下! 頑張ってくださいー!」
「女の子を泣かすヤツなんかに負けないでくださいー!」
「フツメンなんかぶっ飛ばしてー!」
……まあ、王都は殿下のホームグラウンド。これまでのレオン王子の功績がどれほどだったか伺いしれる。もっともアリーの話を聞くと女たらしは王子の方らしい。
まるで悪役のような扱いに閉口するが、それは割り切ってと、思っていると。
「アル、私がついてるからね!」
「アル君! 負けるなー!」
「ご主人様頑張ってーっ!」
「!?」
クリス、アリーとリーゼの声が聞こえる。そうだった、今の俺は一人じゃない。みんながいる。
更に。
「アル殿! 御武運を!」
「我らダンジョンの街の冒険者はあなたの味方です!」
「アルの兄貴! 俺の惚れ込んだ兄貴の力! 見せてください!」
「アル君、私もついてるからね!」
冒険者のみんな。気圧されていた俺は、ほんのひと握りだが、とても心強い声援に送り出されて、闘技会場に足を進めた。
日差しが暑い。そして眩しい光の下に佇む王子レオン。
まあ、普通に俺が勝てる相手じゃないけどなんとか勝利しないとリーゼが奪われる。
いや、返品したいのだけど、女の子の目に涙は……
俺、ほんと女の子涙に弱いよな。
「よく来たね。逃げずに僕と手合わせしてくれることは褒めてあげるよ」
なんか上から目線。
実績から言うと仕方ないか。
だが俺もそこそこ強くなった。殿下相手でもそれなりの闘いはできると思う。
正直、俺には勝ってもメリットがない。
ただ、女の子の涙のためにやるしかないのだ。
全部あのクソ奴隷のおかげだ。
一応俺の婚約者だし、今はリーゼのこと意外と好きだからいいけど。
可愛いもんな。
いかん、ついニヤニヤしてしまった。はっ!? と気がついてクリスの方を見ると。
凄い鋭い目つきで俺を睨んでいた。さすが俺の幼馴染。
俺の考えていることが見透かされている。
「お手を柔らかにお願いします。殿下の実力はよくわかっております」
「褒めてあげるよ。惨めに負けることがわかっていても対戦するなんてね」
この王子イケメンだし言葉も温和だけど上から目線が酷い。
「最後に言い残すことはあるか? クズとはいえ、最後の言葉くらい拾ってやろう」
「…………」
酷い上から目線はいいけど、殿下は俺を殺すつもりらしい。普通、決闘で命までのやりとりはしない。昔は命をかけていたが、今はあくまで両者の力の差を見極めるだけだ。そのため、立ち会い人が指名される。この決闘の場合、王子の配下の騎士だ。
つまり、殿下は何があろうとタオルを入れない立ち合い人の元、合法的に俺を殺すつもりなのだ。この王子……クズだ。
「殿下。決闘とあれば、対戦者への敬意を抱き、雑念は捨てて全力を尽くせ――そう魔法学園で教わりました。教師はあなたでした」
「はは……。そんなたてまえを信じているなんてね」
だめだ。この人クズだ。
こんな奴でも、勇者。それに。
殿下は勇者のジョブ恵まれ、既にレベル99、スキルにも恵まれて普通30位のところ100は持っているという噂だ。
勇者という最強のステータスの上、スキルを100も持つチート中のチート。
王子への声援があがる。威風堂々と白銀の鎧を纏い、パッと見た目はあちらの方が見栄えがいい。見た目だけで騙されている観客たちが声援をあげる。
リーゼの為、勝つしかない。
……さあ、決着をつけるか。
俺は剣を抜き放ち、剣を構えると、王子がふっと笑った。
「僕はうさぎを狩るにも全力を尽くす獅子なんだ」
謎の言葉を発すると審判が手をあげ、宣言する。
「これより、第一王子レオン、英雄アルの決闘を始める。双方卑怯な手は禁止とする」
そして決闘の開始を待つ。
「始めぇーーーーー!」
かけ声と同時に、王子は魔法詠唱に入る。身体強化の魔法だろう。
王子の聖なる鎧は絶えず防御結界が張られている。
1体1だと一番厄介な相手だ。
俺も当然身体強化(極大)あたりのスキルを使うべきだろう。
そうしないとダメージが通らない。
だが。
「!」
俺は構わず王子を斬りつけた。
「な……んだとッ!」
王子が驚愕の目で俺を見る。
わかる、わかる。俺もびっくりした。
まさか、無銘の剣で王子の防御結界が破れるとは思わなかった。
代わりに無銘の剣が折れたけど。
どうも貧乏性の俺はセール品の無銘の剣を使っていた。だから……折れた、多分。
剣は折れた。
え?
なんで聖剣使わないのかって?
マグレが起こったら困るだろ?
それに王都自体が吹っ飛びそうな気がする。
王子を見ると驚いて魔法詠唱を中断していた。神級魔法は3節の呪文詠唱が必要。
つまり。
殴りに行こう。
俺は素で王子に近づくと、ぐーで王子を殴った。
「な、え? ちょ――っ! うぽぉぉぉぉぉお!!!」
王子は変な奇声を発すると、空高く飛んで行った。
綺麗な青い空。飛んでいる王子。
「……え?」
「……は?」
「……へ?」
さっきまで王子を応援していた王都の観客たちが、急にシーンとなる。
「ば、馬鹿なっ……!」
大声で怒鳴る審判。
「あ、ありえんない……? 魔法もスキルも使わず、勇者である殿下を? あり得ない……!!!」
審判はブルブルと震え、狼狽していた。
0
お気に入りに追加
1,706
あなたにおすすめの小説
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる