経験値10000倍~ハズレスキル放置プレイヤーが覚醒したらレベル上限なし! 最強で最速のレベルアップ~

島風

文字の大きさ
上 下
15 / 93

15その頃勇者エルヴィンは? 1

しおりを挟む
私は例の謎の女の人の指示に従い、魅了の魔法を防ぐ魔道具を身に付けて勇者エルヴィンの部屋の近くに忍んで行った。 

静かにそおっと、気づかれないように彼の部屋に近づく。 

「―――――!!!!」 

驚いた。 

彼の部屋から聞こえてきたのは衣擦れの音と聖女ナディアの嬌声だった。 

信じられないことだった。 

いや、人の恋路のことにとやかく言う筋合いはない。 

これが煉獄魔導士のアンネだったのなら、驚きはこれほどではない。 

何故なら、聖女のジョブは清らかな心と身体でなければ、その能力を十分に発揮できない。 

その聖女を穢すなんて考えられない。 

そして、嬌声が聖女ナディヤのものだけでなく、アンネもだと気が付くと。 

勇者エルヴィンが堕ちた勇者であることを悟った。 

 

俺は聖女ナディアと煉獄魔導士のアンネを抱いていた。  

「もう止めて!? 僕、無理!」 

「エルヴィン様凄すぎます!」  

「なんだよ、まだまだこれからなのに?」  

俺はぐったりしたナディアとアンネを放り出し、白い肌を露わにした二人を眺めて半笑いになる。   

本当に良い気分だ。最初この二人はあのアルに惚れていたようだ。 

だが、やはり神はあんなゴミではなく、選ばれた勇者である俺に神スキル『魅了』を授けてくれた。 

おかげで、今では二人共俺の思うがままだ。 

何でも言う事を聞く。何でもありだ。  

ホント、アルの最期の顔、魔法写真にでも撮っておけばよかったな。 

写真にして、何度も見て、思い出して笑いたい。  

愛していた女に裏切られて、なす術もなくぼろ雑巾の様に崖から突き落とされるなんて、どこまでも哀れなヤツ。 

いつか、こっそり宿を抜け出すクリスを見かけてつけて見れば、俺に黙ってこっそり二人きりで会ってやがった。 

ゴミの分際で許せない所業だ。 

クリスの様ないい女は俺こそが相応しい。 

アルごときがあんないい女の彼氏だなど、俺が許さん。 

だがまあいい。アルは死んだ。 

後は、少しずつ魅了をかけていって、クリスを俺のモノにすればいい。 

ちょろいもんだぜ。 

いつか、クリスにアルを殺したのは俺だと告白してやろう。 

その頃にはすっかり俺に染まったクリスは何と言うのかな? 

きっと、ありがとうとか言うんだろうな。 

想像するだけでたまらない。 

それにしても本当にアイツには腹が立つ、パーティ一の美少女クリスだけでなく、ナディヤやアンネ、道中の女の子の大半がアルの事が好きだった。なんであんなヤツが? 唯の落ちこぼれのアイツが?  

俺は認めん。たくさんの女の子から好かれるのは勇者である、この俺であるべきなのだ。  

それにしても、クリスへの『魅了』は未だ効果が十分ではなかったな。 

今日は行けるかと思ったが、期待外れだった。 

仕方ないから飽きてきたナディヤとアンネを呼んでしまった。 

それにしても、アルにクリスに殺してくれと頼んだと言った時の顔と言ったら、傑作だったな。まあ、いずれ事実になるんだから、どうでもいい話か。   

まあ、足でまといもいなくなったし、これでダンジョンの攻略もはかどるだろう。勇者はこの大陸に一国に一人程度しか現れる事がないジョブだ。この大陸でたったの10人しかいない。俺は選ばれた人間なのだ。だから、アルごときに負けるなどあってはならないのだ。ましてや、アイツは俺が庇ってやらなければ、何度死んでいた事か。 

「勇者として魔王を討伐して、名声を手に入れたら……」  

酒池肉林だ。そう、俺はそれを手に入れるつもりだ。勇者である俺には相応しい生き方だ。俺はアルなどとは違う種類の人間なのだ。  

アル、あの世から見ていろよ、先ずはお前の大切なクリスの股を開かせてやる。お前を殺した男に股を開かせてやる。そして、俺の名声がこの大陸に刻まれて、貴様の事は誰の記憶からも消えるのだ。はっ、ははははははっ、何て楽しいんだ! 
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

処理中です...