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100女神エリスとの対決
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「きゃ~! やっぱりアルはカッコいい! べっ、別に付き合ってあげても いいんだからねッ!! か、勘違いしないでよ。そういうコトじゃないんだから!!」
僕は勇者パーティに配属される前のフィーネそっくりの言動、容姿の女性に怪訝な顔を向ける。
「君は本当にフィーネなの? フィーネなら何で直ぐに僕の元に直ぐに来てくれなかったの? それに君はトゥールネのダンジョンでエルヴィンに殺されて…黒い粒子になってしまって…それに君が纏っている気は人間のモノじゃないよ! 君は一体何者なの?」
フィーネ…みたいな女の子が僕の方を見る。しかし、突然その表情は邪気に溢れたモノに変わる。
「だからさぁ~、私はフィーネなんだってばぁ、女神である私が顕現したのがフィーネだったのぉ! メンドクサイけど、説明してあげるわね。幼馴染のあなたを苦しめて、あのアホな悪魔や天使を地面に這いつくばらせて殺して、愉悦に入る為よぉ~、そして、最期は…あなたが愛していた私に殺されて、私に呪詛を吐く言葉を聞いて愉悦に入る為ヨォオ!」
「嘘だ! フィーネがお前なんかな筈が無い! フィーネは、フィーネわああああああ!」
フィーネは見たことも無い歪めた顔で、
「だからさぁ、全ては私が愉悦に浸る為だったんだってばぁ~、残念ねぇ、ちなみに私はあなたの事なんて愛しても、何とも思ってなんてなかったわよ。これっぽっちもねぇ。もちろん、一回位は抱いて欲しかったのよぉ。私ってば、自分でもどうしようもないビッチだから、誰でもいいのよォオ、ホント、アルってあれだけ隙を作ってあげたのに、一度も押し倒してくれないだもん」
「そ、そんな…フィ、フィーネは…」
「アル! 気持ちを切り替えて! 目の前の人が例えフィーネさんだったとしても、それはアルの敵よぉ!」
ヒルデが声をかけてくれる。そうだ、今の僕は一人じゃない! 今、フィーネは僕を殺すと言った。なら、ヒルデ達も殺すのか?
「フィーネ、君は僕を殺すというの? それに他のみなはどうするつもり?」
醜く歪む女神の顔…
「決まっているじゃないの、全員殺すわぁ! 安心してぇ! 先ずはあなたの大切な人達を殺して、あなたは最期よぉ! 絶望した時に、最高の呪詛の言葉を吐くのよぉ!」
ギリリ、歯をかみしめる。僕はフィーネに騙されていたのか? フィーネは僕の事なんて何とも思っていなくて、ただ、天使や悪魔のように僕を翻弄して、弄んで、殺す為に…しかも、僕の大切な人達をこ、殺す、ヒルデ達を殺すのなんて…
僕の決意はついた、心の決着がついた。フィーネに騙された、それは僕の未熟…人の本質が見破れなかった。フィーネは僕の知らない処で、知らない男と…そんな女は願い下げだ!
自分の命を守る為、いや、それよりヒルデ達の命を守る為、僕は戦おう! 例え相手が女神であろうと! それがヒルデに教えられた勇気! それに、この女神に勝てる算段はある。
いつか魔剣と対話した時の記憶が蘇る。あの時の魔剣の魂『常闇』の言っていた事がわかった。そう、何故女神は人が苦しみ、悪人がのさばっても罰してくれないのか? そもそも何故女神は魔族や魔王など作ったのか? それは女神が善人では無いから…力を持っていたとしても、人を導く存在などではない。
「さあ、みな行くよ。女神を倒して、世界を救うよ!!」
僕がそう宣言した瞬間、みなが剣や弓、銃、針…それぞれの獲物を手にして戦いの準備をする。
「アル! 一人で無茶しちゃダメよ」
「下僕はいつも一人で戦おうとするから駄目なのよね」
「ホントお兄ちゃんはもう少し、ロッテ達を信じて!」
「キャピーン☆ でも、アル先輩がナディヤ達の事頼りにしてくれた!」
「私は、主様の行くところなら、何処までもお供します」
かちゃりと魔剣を握りなおすと、
「馬鹿ね… 私が……女神である私が、あなた達のような人間と直接戦うとでも思っていたの?」
「あ、アル! もしかしたら、結構マズいかも!」
「そうね、馬鹿王女の見解もたまにはまともね。天使は女神の配下…」
「そ、そんな…」
僕は絶望しそうになった。天使の全てが僕達の敵? 一人や二人なら僕達の敵じゃない。でも、もし、何十人、いや、何百人といたら?
「み、みな、ごめん、僕の為に…」
「下僕は何を言っているのかしら? 私達が後悔なんてすると?」
「アル! 駄目よ! 勇気はどんなに困難な状況でも失っちゃダメよ!」
ありがとう。ヒルデ、リーゼ、僕は心が折れそうになった、仲間という事を教えてくれた折れない心を教えてくれたリーゼ、勇気を教えてくれたヒルデ、僕はなんて馬鹿なんだ。
僕は再度、決意すると、
「例え、何人の天使を敵に回しても、僕は戦って、必ず勝つ!」
「愚かな事だぁ! さあ、天使長ミカエル! 軍勢を引き連れて我が元に顕現せよ!」
女神が大きな声で天使を呼ぶ……が、何も起こらない。
「ど、どうしたのだ? 天使長ミカエル? いや、ウリエルやガブリエル、ラファエル誰でも良い、早く来い!」
しばらく沈黙が続くが声が聞こえた。
「お断りいたします、女神…かつて敬愛していた女神よ…あなたは変わってしまわれた」
「な、何を言っている? 女神が呼び出しておるのだぞ? 何故顕現しない?」
女神は明らかに狼狽していた。女神と天使の間に一体何が?
そして、一人の天使が顕現した。赤い炎を纏った、多分、火の天使ミカエルか?
「おおぉ! ミカエル! 早く天使の軍勢を呼んでぇ! この人間達を蹂躙してよぉ! 力を持っても、所詮人間な事を思い知らせてやってよぉ!」
「嫌です。我が子にそのような仕打ちはできません」
「な、なんですってぇ?」
我が子? 一体何?
「人の子アルベルトは私と堕天使ルシフェルの間に成した子です。自身の子を殺すなどできません」
「馬鹿なぁ! 天使と堕天使の間に子供なんてできる訳ないじゃん! お前達には性はないのよ! 子供を作る事はできないわよ!」
「私とルシフェル様は死んでしまった冒険者の身体を借りて、愛し合いました。人にしか経験できない愛し合うという行為…私とルシフェルは愛し合っていました。私はあなたに貶しいれられたルシフェル様と密かに逢引していました。そして、子を成したいと思い、17年前にできた子がアルベルト、私とルシフェル様の魂を混ぜて宿った命に吹き込みました」
僕が天使ミカエルと堕天使ルシフェルの子? 何気にびっくりな事言うな? 僕のお母さん、この人なの?
「その通りです。敬愛する…いや、かつて敬愛していた女神…そして、我らは気がつきました。あなたは所詮、唯の物理現象に過ぎないという事に…あなたがいなくても、この世界は何も変わらない。多くの堕天使が貴方に疑問を抱き、堕天しました。しかし、本質は違った。あなたは人を導くつもりなどない。我らを道具として、人を蹂躙する道具として扱っていただけ…」
そこにはもう一人、光輝く天使? としか形容ができない存在が現れた。
「あ、あなたは、誰ですか?」
僕は思わず聞いた。この人は一体誰なんだ?
「我は堕天使ルシフェル、いや、悪魔サタンと言った方が人間には判り易いかな? そして、我はお前の父だ」
「……」
僕は嘆息してしまった。悪魔サタン、堕天使ルシフェル…ルシフェルは美しい天使として知られている。だが、堕天した悪魔サタンは醜悪な筈、なのにこのサタンは美しい姿のままだ。
「そんなぁ! 何故その姿になる事ができるのぉ! 堕天したあなたは天使の姿になる事は出来ない筈!」
「堕天とは女神に対する敬愛が消滅すると霊子が反転して悪魔へと落とされる物理現象…しかし、今の我はあなたに敬愛の心では無く、軽蔑…の心を持っています。気がついたのです。あなたへの敬愛が軽蔑へと変わる時、堕天は解けます。我はあなたを軽蔑する」
「その通りです。女神…天使である私が堕天しないのも、あなたを軽蔑しているから…」
「な、そんな馬鹿なぁ!!」
女神が絶唱する。
「アルベルトよ。魔剣の魂がお前を導く、さあ、力を欲せよ! 父の力を信じるのだ!」
「はい、お父さん、僕、みなの為に必ず勝ちます!」
僕は心の中で願った。
『…力が欲しい』
僕は勇者パーティに配属される前のフィーネそっくりの言動、容姿の女性に怪訝な顔を向ける。
「君は本当にフィーネなの? フィーネなら何で直ぐに僕の元に直ぐに来てくれなかったの? それに君はトゥールネのダンジョンでエルヴィンに殺されて…黒い粒子になってしまって…それに君が纏っている気は人間のモノじゃないよ! 君は一体何者なの?」
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「嘘だ! フィーネがお前なんかな筈が無い! フィーネは、フィーネわああああああ!」
フィーネは見たことも無い歪めた顔で、
「だからさぁ、全ては私が愉悦に浸る為だったんだってばぁ~、残念ねぇ、ちなみに私はあなたの事なんて愛しても、何とも思ってなんてなかったわよ。これっぽっちもねぇ。もちろん、一回位は抱いて欲しかったのよぉ。私ってば、自分でもどうしようもないビッチだから、誰でもいいのよォオ、ホント、アルってあれだけ隙を作ってあげたのに、一度も押し倒してくれないだもん」
「そ、そんな…フィ、フィーネは…」
「アル! 気持ちを切り替えて! 目の前の人が例えフィーネさんだったとしても、それはアルの敵よぉ!」
ヒルデが声をかけてくれる。そうだ、今の僕は一人じゃない! 今、フィーネは僕を殺すと言った。なら、ヒルデ達も殺すのか?
「フィーネ、君は僕を殺すというの? それに他のみなはどうするつもり?」
醜く歪む女神の顔…
「決まっているじゃないの、全員殺すわぁ! 安心してぇ! 先ずはあなたの大切な人達を殺して、あなたは最期よぉ! 絶望した時に、最高の呪詛の言葉を吐くのよぉ!」
ギリリ、歯をかみしめる。僕はフィーネに騙されていたのか? フィーネは僕の事なんて何とも思っていなくて、ただ、天使や悪魔のように僕を翻弄して、弄んで、殺す為に…しかも、僕の大切な人達をこ、殺す、ヒルデ達を殺すのなんて…
僕の決意はついた、心の決着がついた。フィーネに騙された、それは僕の未熟…人の本質が見破れなかった。フィーネは僕の知らない処で、知らない男と…そんな女は願い下げだ!
自分の命を守る為、いや、それよりヒルデ達の命を守る為、僕は戦おう! 例え相手が女神であろうと! それがヒルデに教えられた勇気! それに、この女神に勝てる算段はある。
いつか魔剣と対話した時の記憶が蘇る。あの時の魔剣の魂『常闇』の言っていた事がわかった。そう、何故女神は人が苦しみ、悪人がのさばっても罰してくれないのか? そもそも何故女神は魔族や魔王など作ったのか? それは女神が善人では無いから…力を持っていたとしても、人を導く存在などではない。
「さあ、みな行くよ。女神を倒して、世界を救うよ!!」
僕がそう宣言した瞬間、みなが剣や弓、銃、針…それぞれの獲物を手にして戦いの準備をする。
「アル! 一人で無茶しちゃダメよ」
「下僕はいつも一人で戦おうとするから駄目なのよね」
「ホントお兄ちゃんはもう少し、ロッテ達を信じて!」
「キャピーン☆ でも、アル先輩がナディヤ達の事頼りにしてくれた!」
「私は、主様の行くところなら、何処までもお供します」
かちゃりと魔剣を握りなおすと、
「馬鹿ね… 私が……女神である私が、あなた達のような人間と直接戦うとでも思っていたの?」
「あ、アル! もしかしたら、結構マズいかも!」
「そうね、馬鹿王女の見解もたまにはまともね。天使は女神の配下…」
「そ、そんな…」
僕は絶望しそうになった。天使の全てが僕達の敵? 一人や二人なら僕達の敵じゃない。でも、もし、何十人、いや、何百人といたら?
「み、みな、ごめん、僕の為に…」
「下僕は何を言っているのかしら? 私達が後悔なんてすると?」
「アル! 駄目よ! 勇気はどんなに困難な状況でも失っちゃダメよ!」
ありがとう。ヒルデ、リーゼ、僕は心が折れそうになった、仲間という事を教えてくれた折れない心を教えてくれたリーゼ、勇気を教えてくれたヒルデ、僕はなんて馬鹿なんだ。
僕は再度、決意すると、
「例え、何人の天使を敵に回しても、僕は戦って、必ず勝つ!」
「愚かな事だぁ! さあ、天使長ミカエル! 軍勢を引き連れて我が元に顕現せよ!」
女神が大きな声で天使を呼ぶ……が、何も起こらない。
「ど、どうしたのだ? 天使長ミカエル? いや、ウリエルやガブリエル、ラファエル誰でも良い、早く来い!」
しばらく沈黙が続くが声が聞こえた。
「お断りいたします、女神…かつて敬愛していた女神よ…あなたは変わってしまわれた」
「な、何を言っている? 女神が呼び出しておるのだぞ? 何故顕現しない?」
女神は明らかに狼狽していた。女神と天使の間に一体何が?
そして、一人の天使が顕現した。赤い炎を纏った、多分、火の天使ミカエルか?
「おおぉ! ミカエル! 早く天使の軍勢を呼んでぇ! この人間達を蹂躙してよぉ! 力を持っても、所詮人間な事を思い知らせてやってよぉ!」
「嫌です。我が子にそのような仕打ちはできません」
「な、なんですってぇ?」
我が子? 一体何?
「人の子アルベルトは私と堕天使ルシフェルの間に成した子です。自身の子を殺すなどできません」
「馬鹿なぁ! 天使と堕天使の間に子供なんてできる訳ないじゃん! お前達には性はないのよ! 子供を作る事はできないわよ!」
「私とルシフェル様は死んでしまった冒険者の身体を借りて、愛し合いました。人にしか経験できない愛し合うという行為…私とルシフェルは愛し合っていました。私はあなたに貶しいれられたルシフェル様と密かに逢引していました。そして、子を成したいと思い、17年前にできた子がアルベルト、私とルシフェル様の魂を混ぜて宿った命に吹き込みました」
僕が天使ミカエルと堕天使ルシフェルの子? 何気にびっくりな事言うな? 僕のお母さん、この人なの?
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「……」
僕は嘆息してしまった。悪魔サタン、堕天使ルシフェル…ルシフェルは美しい天使として知られている。だが、堕天した悪魔サタンは醜悪な筈、なのにこのサタンは美しい姿のままだ。
「そんなぁ! 何故その姿になる事ができるのぉ! 堕天したあなたは天使の姿になる事は出来ない筈!」
「堕天とは女神に対する敬愛が消滅すると霊子が反転して悪魔へと落とされる物理現象…しかし、今の我はあなたに敬愛の心では無く、軽蔑…の心を持っています。気がついたのです。あなたへの敬愛が軽蔑へと変わる時、堕天は解けます。我はあなたを軽蔑する」
「その通りです。女神…天使である私が堕天しないのも、あなたを軽蔑しているから…」
「な、そんな馬鹿なぁ!!」
女神が絶唱する。
「アルベルトよ。魔剣の魂がお前を導く、さあ、力を欲せよ! 父の力を信じるのだ!」
「はい、お父さん、僕、みなの為に必ず勝ちます!」
僕は心の中で願った。
『…力が欲しい』
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