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97アンネリーゼ
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僕達は村唯一の宿に宿泊していた。懐かしい人達に出会い、そして僕は順に別れを告げていた。僕とロッテの結婚をみなの前では言っていない。でも、一人ずつに伝えて言った。当然、みなびっくりして、ざわざわする。特に同世代の知り合いや友達はみなびっくりだ。
僕は一人でフィーネの実家を訪ねた。フィーネの両親は彼女の死は既に知っている筈だった。勇者パーティに正式に参加していたんだから当然だ。しかし、そこで僕は驚愕する事になった。何故なら、両親も村の誰もがフィーネの事を覚えていないのだ。
僕は宿に帰り、みなに相談した。フィーネの件は悪魔ベリアルを殺した事から、重大な問題だ。魔王と何か関係があるのかもしれない。もし、魔王復活に関わっているなら、放置できない。
しかし、フィーネが村の近くの街で誰とでも寝る女だったという話は裏がとれなかった。街で色々調査したし、お姉さん、いやエルフリーデさんの情報ギルドですら、何もわからなかった。それも当然、村の誰もが、実の両親ですら記憶がないのである。もはや、全ての人の記憶から消されたとしか思えない。僕達以外の人からだが…
そんな時、妹のロッテが貴重な意見を言ってくれた。それは悪魔ベリアルが残した言葉だった。
「お兄ちゃん、ロッテ…不思議に思う事があるの」
「何なの? ロッテ?」
「なんで、エルヴィン勇者パーティのアンネリーゼさんはお兄ちゃんの元に来なかったのかな? アンネローゼさんもお兄ちゃんの事大好きだったんだよ、それに、悪魔ベリアルはこう言ったわよね。天使は勇者パーティの中にいるって…」
「ロッテ? まさか、ロッテはアンネリーゼさんを疑っているの?」
僕はショックだった。アンネリーゼさんはこの村の出身で、既知の仲だ。それが僕を…いや、人間を裏切っていた天使? だと言うのか?
「アル、ロッテさんの言う事は一理あるわ。エルヴィン勇者パーティの生き残りはアルとロッテさん、ナディヤさん、そしてアンネリーゼさんだけよ。アルとロッテさん、ナディヤさんを除くと、アンネリーゼさんしか残らない。つまり、天使が悪魔のようにアンネリーゼさんに憑依していたとしたら?」
僕はゴクリと唾を呑みこんだ。そうだ、それだと全ての辻褄があう。少なくてもアンネリーゼさん、いや、憑依した天使は何かを知っている。フィーネを騙して、悪魔ベリアルに魂を喰らわせた事、そして、そのベリアルを殺したのがフィーネだという事…この話の根源的な事がわかるかもしれない…そして、フィーネの正体も…
僕達はすぐにアンネリーゼさんの家へ向かおうと言う事になった。
ヒルデ、リーゼ、ナディヤ、ロッテ、ナーガ、お姉さんの7人でアンネリーゼさんの実家に向かう。すると、
「お母さん!! 大好き!」
目を向けるとアンネローゼさんの妹さんがお母さんに甘えている、のどかな光景だ。だが、肝心のアンネローゼさんがいない。僕はアンネローゼさんのお母さんに話を聞くことにした。
「あの、アンネローゼさんのお母さん、少し、聞きたい事があります。少し、いいですか?」
「まあ、これは英雄のアル君! 随分立派になったわねぇ。それに聞いたわよ。あちこちのお姫様や村でも綺麗どころのナディヤちゃんや妹のロッテちゃんと結婚するんですってぇ! もう、まさしく英雄色を好むね。でも、アル君なら安心、なんならウチのアンネローゼもどう?」
いや、お母さん、そんな気やすく自分の娘をハーレムの一員に送り込まないでよ。それに僕、全然英雄色を好むっていうタイプじゃないから、むしろこんなに好いてもらっているのに、キスさえ満足にできていないヘタレだよ。
「い、いや、お母さん、僕、そんなに女の子好きじゃないですよ! 本当なんです!」
「また、この下僕は何を言っているの? 毎日私達を嬉々として凌辱し尽くしているくせに、変態は変態らしくきちんと変態を認めなさい。ちょうどいいわ、『僕は毎日リーゼを凌辱しています!』って! はっきり言いなさい!」
「ええっ!」
いや、リーゼ、そんな事を言ったら、僕が村で好色一代男みたいに語り継がれるじゃないか!
「そうなんですぅ! アルは毎日毎日、ヒルデの〇という〇にアルの成分を流し込むのが大好きなんです! もう、ヒルデ、おかしくなってしまいそう! ああ、今日も、『今日もヒルデは綺麗だね。だから僕が汚してあげるね。今日は一晩中寝かせないよぉ!』 とか、『さあ、もっと、自分に素直になってご覧』とか言われて、ものすごいハードプレイを要求されるのぉ!」
いや、ヒルデ、誤解が更に広がるから止めてぇ!
ゴン
いつものチョップをヒルデに入れておくけど、ヒルデは最近どうも、このチョップが気に入ってしまって、わざとじゃないかな? と思える。ヒルデは馬鹿を自称しているけど、ほんとは頭いいんだ。勇者だったから勉強しなかっただけなんだ。そんな事を思っていると、みなからも追い討ちが…
「ロッテも、『いけない妹だね。実の兄を好きになるなんて、一緒に地獄に堕ちよぉ!』て、言われて、毎日のように、求められているのぉ! もう、ロッテ、背徳感でたまりません!」
いや、ロッテ、僕、まだ何もしていないよね? 何? 背徳感って? ロッテは妹である事を自覚している上で、僕の事好きになったの? もう立派にアウトだよね!
「ナディヤは『後輩なんだから、わかるよね? 自分の立場が? さあ、先輩に奉仕するんだよ。わかるよね?』て、言われて、毎日のようにご奉仕させてもらっています!」
「お姉さんは『ほんとにダメな人だね、年上のクセに、こんなに僕に溺れて…さあ、すぐに首輪をつけて、散歩に行こうよ、今日はお尻をたっぷりぶってあげるから期待するんだよ』て言われて、毎日のように、調教をされています!」
「ナーガは毎日、『食べてしまいたい! 君は今日のディナーだよ。早く準備して!』て、言われて、毎日毎日…」
ナーガの食べてしまいなさいって、そっちの意味だったの? 僕、初めて知った。
「まあ、さすが英雄さんは違うわね。素敵、でも、アンネリーゼもきっとアル君にハードプレイや変態プレイをしてもらいたい筈よ! ぜひアンネリーゼもアル君のお嫁さんにしてね。あの子、昔からアル君の事が大好きで…あれ? なんであの子はアル君の事が好きなのに、告白しなかったんだっけ?」
アンネリーゼさんのお母さん! それで母親としていいのか? でも、あれ、待てよ? 今、とても大切な事を言ったような気がする。アンネリーゼさんが僕に告白しなかった理由…僕、アンネリーゼさんから想われていたの? いや、そっちじゃない、何故彼女が僕に告白しなかったのか? それは僕にはフィーネという仲の良い、村でも有名な幼馴染同志のカップルだったから…
そんな事を思っている矢先に、
「お兄ちゃん!! 何? この変わったオーラは!?」
「えっ?」
妹のロッテの声と共に、急速に近づいて来る、聖なる勇者のオーラに似た気! この感じ、前にも! そうだ! 魔王を倒した後にベリアルを逃してしまった時に感じた気だぁ!
そして、その直後、ズドーン! と言う凄まじい爆音と共にアンネリーゼの家ごとすっ飛んだ…
僕は一人でフィーネの実家を訪ねた。フィーネの両親は彼女の死は既に知っている筈だった。勇者パーティに正式に参加していたんだから当然だ。しかし、そこで僕は驚愕する事になった。何故なら、両親も村の誰もがフィーネの事を覚えていないのだ。
僕は宿に帰り、みなに相談した。フィーネの件は悪魔ベリアルを殺した事から、重大な問題だ。魔王と何か関係があるのかもしれない。もし、魔王復活に関わっているなら、放置できない。
しかし、フィーネが村の近くの街で誰とでも寝る女だったという話は裏がとれなかった。街で色々調査したし、お姉さん、いやエルフリーデさんの情報ギルドですら、何もわからなかった。それも当然、村の誰もが、実の両親ですら記憶がないのである。もはや、全ての人の記憶から消されたとしか思えない。僕達以外の人からだが…
そんな時、妹のロッテが貴重な意見を言ってくれた。それは悪魔ベリアルが残した言葉だった。
「お兄ちゃん、ロッテ…不思議に思う事があるの」
「何なの? ロッテ?」
「なんで、エルヴィン勇者パーティのアンネリーゼさんはお兄ちゃんの元に来なかったのかな? アンネローゼさんもお兄ちゃんの事大好きだったんだよ、それに、悪魔ベリアルはこう言ったわよね。天使は勇者パーティの中にいるって…」
「ロッテ? まさか、ロッテはアンネリーゼさんを疑っているの?」
僕はショックだった。アンネリーゼさんはこの村の出身で、既知の仲だ。それが僕を…いや、人間を裏切っていた天使? だと言うのか?
「アル、ロッテさんの言う事は一理あるわ。エルヴィン勇者パーティの生き残りはアルとロッテさん、ナディヤさん、そしてアンネリーゼさんだけよ。アルとロッテさん、ナディヤさんを除くと、アンネリーゼさんしか残らない。つまり、天使が悪魔のようにアンネリーゼさんに憑依していたとしたら?」
僕はゴクリと唾を呑みこんだ。そうだ、それだと全ての辻褄があう。少なくてもアンネリーゼさん、いや、憑依した天使は何かを知っている。フィーネを騙して、悪魔ベリアルに魂を喰らわせた事、そして、そのベリアルを殺したのがフィーネだという事…この話の根源的な事がわかるかもしれない…そして、フィーネの正体も…
僕達はすぐにアンネリーゼさんの家へ向かおうと言う事になった。
ヒルデ、リーゼ、ナディヤ、ロッテ、ナーガ、お姉さんの7人でアンネリーゼさんの実家に向かう。すると、
「お母さん!! 大好き!」
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「あの、アンネローゼさんのお母さん、少し、聞きたい事があります。少し、いいですか?」
「まあ、これは英雄のアル君! 随分立派になったわねぇ。それに聞いたわよ。あちこちのお姫様や村でも綺麗どころのナディヤちゃんや妹のロッテちゃんと結婚するんですってぇ! もう、まさしく英雄色を好むね。でも、アル君なら安心、なんならウチのアンネローゼもどう?」
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「い、いや、お母さん、僕、そんなに女の子好きじゃないですよ! 本当なんです!」
「また、この下僕は何を言っているの? 毎日私達を嬉々として凌辱し尽くしているくせに、変態は変態らしくきちんと変態を認めなさい。ちょうどいいわ、『僕は毎日リーゼを凌辱しています!』って! はっきり言いなさい!」
「ええっ!」
いや、リーゼ、そんな事を言ったら、僕が村で好色一代男みたいに語り継がれるじゃないか!
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いや、ヒルデ、誤解が更に広がるから止めてぇ!
ゴン
いつものチョップをヒルデに入れておくけど、ヒルデは最近どうも、このチョップが気に入ってしまって、わざとじゃないかな? と思える。ヒルデは馬鹿を自称しているけど、ほんとは頭いいんだ。勇者だったから勉強しなかっただけなんだ。そんな事を思っていると、みなからも追い討ちが…
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いや、ロッテ、僕、まだ何もしていないよね? 何? 背徳感って? ロッテは妹である事を自覚している上で、僕の事好きになったの? もう立派にアウトだよね!
「ナディヤは『後輩なんだから、わかるよね? 自分の立場が? さあ、先輩に奉仕するんだよ。わかるよね?』て、言われて、毎日のようにご奉仕させてもらっています!」
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そして、その直後、ズドーン! と言う凄まじい爆音と共にアンネリーゼの家ごとすっ飛んだ…
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