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77招請
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なんで? どうしてこうなったのかな?
「ひ、ひぃぃぃ……ロ、ロッテおかしいよ……何で僕がこんな目に!!」
闇に包まれた帝都に浮かび上がる皇城は、灯籠のようにも見える。夜の黒々とした空気に押し潰されるのではないか、とそんな圧迫感が嫌で、とにかく遠くに逃げたかった。
吹き付けるねっとりとした夜の風を頬に感じながら、足を止めることなく街道を疾走する。
「…ロッテさえいなければ、僕だってみなを受け入れるつもりではいるんだけど」
僕は今、夜逃げしていた。えっ? お前英雄だろうって? いや、それが皇帝陛下の前で僕は7人の女の子と婚約した。そう、妹のロッテともだ。妹とは血が繋がっていない…だから結婚自体はできる。仮に本当の兄妹でも僕はプロイセン国王から伯爵の地位と領地を与えられて、貴族となった。だから、本当の兄妹でも結婚できる事になってしまったのである。
でも、駄目だよね? 人間としてアウトだよね? なのにロッテは『一緒に地獄に行こっ!』と軽く言うのである。僕は逃げ場が無く、しかも、みな夜伽がどうのこうのと言い出して…
妹とそんな事できるか! 何よりお父さんが怖いよ!!
「…ここらで良い筈なんだけど」
僕は待ち合わせ場所の帝都からアルザス王国へ向かう街道の凱旋門の前に来ていた。
「アル君! 私よ! お姉さんよ! 私も今来た処なのよ!!」
「お、お姉さん、良かった。誰にも見つからなかったんですね」
僕は夜逃げをしている訳だけど、あても無く出奔する訳ではない。既に魔王討伐の凱旋パレードや祝賀会などは一通り済ませた。あとは、領地に帰って、ヒルデ達と…そういう日々を送るしかない。もちろんその中にはロッテも含まれるというピンチの時、僕に助け船が来た。
僕はアルザス王国のミュラー家から招請 を受けた。招きの内容はリーゼとリーゼの実家の件の事の相談だ。
そんな事を考えているともう一人の僕の協力者が現れた。僕は思わず現れた人物を凝視した。
「そんな物欲しそうな顔で私を見ないでくれる? 下僕はヒルデ達と婚約したんですって? お仕置きが必要な様ね? 身の程を教えてあげるから覚悟して頂戴」
「い、いや、あれは…」
僕は焦った。僕とリーゼは婚約していない。未だ公式にはリーゼは性奴隷のままだからだ。
「謝り方も知らないの? いいわ、特別に教えてあげる。『リーゼでエッチな事を妄想した豚です。たくさんお仕置きしてください』って言うのよ」
「い、嫌、リーゼ、そんな毒舌やめて! その……僕、リーゼの為に!」
「そう。下僕はリーゼの純潔をどうしても汚したいのね。死ねばいいのに…」
ええっ? 僕はリーゼの為に、遠くアルザスのミュラー家を訪ねて、リーゼの実家の汚名をそそぎ、リーゼを貴族に復帰させる為に旅に出るんだよ? それなのに酷くない?
「いや、だから僕はリーゼを奴隷だなんて思っていないから! その、正式に妻として…妻に迎えたいんだ」
僕は恥ずかしくなって来た。なんで僕はいきなり告ってるの?
「……これからも可愛くないリーゼをお願いします。約束してね……リーゼのご主人様」
リーゼは僕に抱き付いてきて、小さな声で、僕にだけに聞こえるようにそう言った。
リーゼは頬を赤く染めて、気恥ずかしそうだった。
リーゼ! 可愛すぎてしんどい……!!
「ひ、ひぃぃぃ……ロ、ロッテおかしいよ……何で僕がこんな目に!!」
闇に包まれた帝都に浮かび上がる皇城は、灯籠のようにも見える。夜の黒々とした空気に押し潰されるのではないか、とそんな圧迫感が嫌で、とにかく遠くに逃げたかった。
吹き付けるねっとりとした夜の風を頬に感じながら、足を止めることなく街道を疾走する。
「…ロッテさえいなければ、僕だってみなを受け入れるつもりではいるんだけど」
僕は今、夜逃げしていた。えっ? お前英雄だろうって? いや、それが皇帝陛下の前で僕は7人の女の子と婚約した。そう、妹のロッテともだ。妹とは血が繋がっていない…だから結婚自体はできる。仮に本当の兄妹でも僕はプロイセン国王から伯爵の地位と領地を与えられて、貴族となった。だから、本当の兄妹でも結婚できる事になってしまったのである。
でも、駄目だよね? 人間としてアウトだよね? なのにロッテは『一緒に地獄に行こっ!』と軽く言うのである。僕は逃げ場が無く、しかも、みな夜伽がどうのこうのと言い出して…
妹とそんな事できるか! 何よりお父さんが怖いよ!!
「…ここらで良い筈なんだけど」
僕は待ち合わせ場所の帝都からアルザス王国へ向かう街道の凱旋門の前に来ていた。
「アル君! 私よ! お姉さんよ! 私も今来た処なのよ!!」
「お、お姉さん、良かった。誰にも見つからなかったんですね」
僕は夜逃げをしている訳だけど、あても無く出奔する訳ではない。既に魔王討伐の凱旋パレードや祝賀会などは一通り済ませた。あとは、領地に帰って、ヒルデ達と…そういう日々を送るしかない。もちろんその中にはロッテも含まれるというピンチの時、僕に助け船が来た。
僕はアルザス王国のミュラー家から招請 を受けた。招きの内容はリーゼとリーゼの実家の件の事の相談だ。
そんな事を考えているともう一人の僕の協力者が現れた。僕は思わず現れた人物を凝視した。
「そんな物欲しそうな顔で私を見ないでくれる? 下僕はヒルデ達と婚約したんですって? お仕置きが必要な様ね? 身の程を教えてあげるから覚悟して頂戴」
「い、いや、あれは…」
僕は焦った。僕とリーゼは婚約していない。未だ公式にはリーゼは性奴隷のままだからだ。
「謝り方も知らないの? いいわ、特別に教えてあげる。『リーゼでエッチな事を妄想した豚です。たくさんお仕置きしてください』って言うのよ」
「い、嫌、リーゼ、そんな毒舌やめて! その……僕、リーゼの為に!」
「そう。下僕はリーゼの純潔をどうしても汚したいのね。死ねばいいのに…」
ええっ? 僕はリーゼの為に、遠くアルザスのミュラー家を訪ねて、リーゼの実家の汚名をそそぎ、リーゼを貴族に復帰させる為に旅に出るんだよ? それなのに酷くない?
「いや、だから僕はリーゼを奴隷だなんて思っていないから! その、正式に妻として…妻に迎えたいんだ」
僕は恥ずかしくなって来た。なんで僕はいきなり告ってるの?
「……これからも可愛くないリーゼをお願いします。約束してね……リーゼのご主人様」
リーゼは僕に抱き付いてきて、小さな声で、僕にだけに聞こえるようにそう言った。
リーゼは頬を赤く染めて、気恥ずかしそうだった。
リーゼ! 可愛すぎてしんどい……!!
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