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51王女クリスティーナの婚約破棄2
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「ねぇ、この演出いらないんじゃないかな?」
僕が抗議の声をあげるのも無理はない事を理解して欲しい。ティーナ王女と婚約者シュミット侯爵は、今日婚約を発表する予定らしい。聞いてないよ…シュミット侯爵が婚約の宣誓を行い、王女がそれに返事する。普通、政略結婚なんだから、嫌だとは言えない。そこで、僕が正に王女が『はい』と婚約者に返事をする直前にドアを蹴破り、王女との仲を暴露して、王女は僕の元に走り寄り、二人で晩餐会を出奔する。
「このストーリーって、王都で有名な劇団の演目でやっていたヤツのパクリじゃないの?」
「アル、女心を理解していないのね。折角なら、ドラマティックにさらわれたいものよ」
「そうよ、下僕はもう少し女心を勉強しなさい。それとヘタレも早く治しなさい」
ヒルデとリーゼに言われて渋々と承諾する。そして、タイミングを伺う。何で晩餐会なのに、ティーナ王女と従者アンナがお弁当を作ってきたのかがわかった。
晩餐会は滞りなく進み、遂にティーナ王女と婚約者シュミットの婚約披露の頃合いになった。
「……今日という日を迎えられることを、とても嬉しく思います、クリスティーナ殿下」
「わ、わたくしは……」
婚約のしきたりはまずは男性から婚約の意思の口上からだが、最後に女性の『はい』という返事が無いと成立しない。だから、ティーナ王女が正に『はい』という返事をしそうなタイミングで乱入しろと言われた。メンドクサイ上、タイミングを逃すと辛辣に怒られそうだ。
こっそりティーナ王女を伺うと……やはり、王女の顔色は儚げだった。
「色々と不安でしょうが、私に何もかも任せて下さい。安心して私の婚約者になって下さい」
「……ええっと、まぁ」
返事を渋るティーナ王女にシュミット侯爵は焦れたのか、歩み寄り王女に迫る。
「それでは、殿下、お返事を」
シュミット侯爵に促されて、『はい』という返事をするしかない状態で、ティーナ王女の顔に焦りが見える。これ、そろそろ行った方がいいよね?
そして、シュミット侯爵が王女からの『はい』という返事を受け取る為に跪くと王女の右手を手に取り、先ず、手の甲にキスをした。
その時、
「その婚約、待ってもらってもいいかな?」
「―――――!!!!」
大きな会場の扉がバン! と音を立てて開かれ、それと同時に僕は強い決意を秘めた演技で突入した。
会場は静寂に包まれた。婚約発表の場、祝いの場……それも、今まさに婚約の返事が王女クリスティーナから返されるという最高の瞬間を迎えようとしていたその時に、水を差すような音と共にドアは開け放たれた。その上、乱入者の言葉に参列者たちは驚きを隠しきれない。
「ア、アルベルド……さま……」
頬を赤く染め、クリスティーナ王女が呟く。
その顔は、ハッとしているのだが、明らかに喜びに満ちた顔色だ。
晩餐会の出席者達は僕とティーナ王女を交互に視線を向ける。みな好奇の目だ。
出席者の数は軽く100名は越えており、それもみなかなりの身分の貴族…
しかし、僕はそんな事を気にせず、強い決意を秘めた表情で…そう台本に書いてあるの…
「ティーナ王女は僕のものだ!」
僕はそう高らかに宣言した。この下り要るのかな? 単刀直入に話しあった方がいいんじゃ?
正直、たくさんの人の視線が痛くてビビっている。流石に今更後には引けない、けど、そりゃそうだよね。貴族の晩餐会に乱入してまさに婚約発表のその時、婚約者を強奪しようとしているんだよね? 王都の劇団がやっている人気の劇とストーリーが同じだ。
まあ、実際にこんな事するヤツいるわけないよね? ヤッたらかなり馬鹿だよね…あれ僕だ!
あれ? 僕大丈夫? こんなことして、タダで済まないんじゃない? 下級貴族ならまだしも、王女と大貴族の婚約を潰しに来たのだよね? 僕、とんでも無い事してない?
「き、君!? いったい何を言っているのかな?」
ひぇえええ! 婚約者のシュミット侯爵が激おこぷんぷん丸で僕を睨む。
「すまないが、クリスティーナ殿下は既に僕のものだ。何度も何度も愛し合った仲なんだ。あなたの顔に泥を塗ってしまった事は謝罪します。だけど、僕にはクリスティーナが必要なのです」
「馬鹿者が……。貴様が泥を塗ったのは、私だけではないぞ!!」
ゾクっとするほど冷たい声が響いた。婚約者のシュミット侯爵だ。
……やっぱり、怒る?
「この婚約を認めたのは誰だと思っている? 王女殿下の父上、プロイセン国王陛下であらされるぞ。貴様は陛下の顔にも泥を塗ったのだぞ!?」
ビリビリと響く冷たく重い声、太い杭が打ち込まれたかのように、場の空気を揺すぶった。
うん、この人の言う通りだな。僕の方が悪い…
とんでもない事をしでかしたと気がついた時には遅かったが、僕は違和感に気がついた。
「(これは瘴気? 何故こんな処に?)」
それも、この婚約者であるシュミット侯爵から発せられている。
「それでも、僕はここに来ざるをえなかった。そして、この婚約を認めるわけにはいかない」
「一体どういうことだ? 貴様がティーナ王女と姦通していたとしていても、ただ、クリスティーナ殿下が好きだから、などという理由だけではないのだろう? 死罪覚悟の事だぞ?」
うん。この人の言う事が正論だ。僕、何をやってるの? ヒルデとリーゼに無理やりティーナ王女を助けに来させられたけど、僕は王侯貴族の事なんて知らなかった。でも、この人の言う事を冷静に考えると、僕の狼藉って酷いものだ。それに…え? 死罪? そんなの聞いてないけど?
しかし、なんだか雰囲気的に、僕がここで『好き…愛してりゅ…..φ(〃∇〃 ))) 』ていう理由だけだと、僕が凄く馬鹿みたいに見えないか? 僕は凄く体裁を繕う男なんだ。
あれ? 婚約者だけではなくて、みなが僕を見ている。
ひぇえええええ、みな僕の答えを待っているんだ。好き…以外の回答…無いです。
゜∀゜!!閃いた!?
「ねえ、ティーナ、正直に話して謝ってもいいかな?」
ボカッ!!
結構大きな音が聞こえた。誰かが背後から僕を鈍器で殴った音だ。
「ちょっ、何で殴るの!? ヒルデ!!」
「台無しよ!!」
「全く下僕には死ぬほどのお仕置きが必要ね。それにしても、何故下僕はわからないのかしら? そこの男から滲む瘴気に…聖石が埋まった街で瘴気を滲ませる者がいるとしたら…
あなた、魔族ね!!」
リーゼがビシっとシュミット侯爵を指さすと、
「ええっ!?」
「アルが驚かないの…」
僕が心底驚いていると、何故かリーゼが嘆息した。
その時、ティーナの横にいたシュミットが呟いた。
「な、何故わかったんだ……」
「えっと、シュミット侯爵?」
ブツブツと何かをつぶやくシュミット公爵。更には僕の方へフラフラと歩き始める。
その様子に会場の参加者はみな不安そうな顔でシュミット侯爵を見る。
そうだよね。怒ったよね。晴れの舞台の王女との婚約発表の場で婚約者が姦通していた上、どこの馬の骨ともわからない男に婚約者をさらわれそうになったら、誰でも怒るよね。分かる分かる。
……と思って、シュミット侯爵に同情していたのだけど、どうもちょっと違う感じだ。
「何故、何故だ。これだけうまく隠れおおせていたものを、一体何処ですきを見せてしまった?せっかく、せっかく、うまく隠れていたものを……。いや、みな殺してしまえばいい……」
ふっとこちらに目線を向けるシュミット侯爵。
……しかし、彼の両眼は闇より深く虚無に染まっていた。更に端整な顔はかすみ、霧がかかったかのような虚なものへと変貌していた。
その顔はおぼろげで、実在する物質ではない事は明らかだ。その黒い何かは黒いフードを被った骸骨を形作る。その姿はおぞましく、異形のものへとなっていった。
ぴえん……を超えてぱおんだ。
「邪魔者は、皆殺し、皆殺しだ」
そう呟いた瞬間、彼の周囲より激しい瘴気が溢れ出た。それは、今まで正体を隠していたものが遠慮なく正体を…魔族である事を暴露した瞬間だった。
黒い瘴気が会場を埋め尽くす。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああ!?」
一番近くにいたティーナ王女は、驚き、悲鳴をあげる!! だが、僕は反射的に動いた。瞬歩のスキルで高速移動して、王女の身体を抱き抱え、ふわりと持ち上げてられて後ろへ飛びすさる。
「ま、魔族だ。化け物だ!?」
大混乱となった会場の中。みな我先にと逃げ惑う。
それを見た僕は、まさに唖然となってた。
…………え? なんでこうなるの?
僕が抗議の声をあげるのも無理はない事を理解して欲しい。ティーナ王女と婚約者シュミット侯爵は、今日婚約を発表する予定らしい。聞いてないよ…シュミット侯爵が婚約の宣誓を行い、王女がそれに返事する。普通、政略結婚なんだから、嫌だとは言えない。そこで、僕が正に王女が『はい』と婚約者に返事をする直前にドアを蹴破り、王女との仲を暴露して、王女は僕の元に走り寄り、二人で晩餐会を出奔する。
「このストーリーって、王都で有名な劇団の演目でやっていたヤツのパクリじゃないの?」
「アル、女心を理解していないのね。折角なら、ドラマティックにさらわれたいものよ」
「そうよ、下僕はもう少し女心を勉強しなさい。それとヘタレも早く治しなさい」
ヒルデとリーゼに言われて渋々と承諾する。そして、タイミングを伺う。何で晩餐会なのに、ティーナ王女と従者アンナがお弁当を作ってきたのかがわかった。
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「わ、わたくしは……」
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こっそりティーナ王女を伺うと……やはり、王女の顔色は儚げだった。
「色々と不安でしょうが、私に何もかも任せて下さい。安心して私の婚約者になって下さい」
「……ええっと、まぁ」
返事を渋るティーナ王女にシュミット侯爵は焦れたのか、歩み寄り王女に迫る。
「それでは、殿下、お返事を」
シュミット侯爵に促されて、『はい』という返事をするしかない状態で、ティーナ王女の顔に焦りが見える。これ、そろそろ行った方がいいよね?
そして、シュミット侯爵が王女からの『はい』という返事を受け取る為に跪くと王女の右手を手に取り、先ず、手の甲にキスをした。
その時、
「その婚約、待ってもらってもいいかな?」
「―――――!!!!」
大きな会場の扉がバン! と音を立てて開かれ、それと同時に僕は強い決意を秘めた演技で突入した。
会場は静寂に包まれた。婚約発表の場、祝いの場……それも、今まさに婚約の返事が王女クリスティーナから返されるという最高の瞬間を迎えようとしていたその時に、水を差すような音と共にドアは開け放たれた。その上、乱入者の言葉に参列者たちは驚きを隠しきれない。
「ア、アルベルド……さま……」
頬を赤く染め、クリスティーナ王女が呟く。
その顔は、ハッとしているのだが、明らかに喜びに満ちた顔色だ。
晩餐会の出席者達は僕とティーナ王女を交互に視線を向ける。みな好奇の目だ。
出席者の数は軽く100名は越えており、それもみなかなりの身分の貴族…
しかし、僕はそんな事を気にせず、強い決意を秘めた表情で…そう台本に書いてあるの…
「ティーナ王女は僕のものだ!」
僕はそう高らかに宣言した。この下り要るのかな? 単刀直入に話しあった方がいいんじゃ?
正直、たくさんの人の視線が痛くてビビっている。流石に今更後には引けない、けど、そりゃそうだよね。貴族の晩餐会に乱入してまさに婚約発表のその時、婚約者を強奪しようとしているんだよね? 王都の劇団がやっている人気の劇とストーリーが同じだ。
まあ、実際にこんな事するヤツいるわけないよね? ヤッたらかなり馬鹿だよね…あれ僕だ!
あれ? 僕大丈夫? こんなことして、タダで済まないんじゃない? 下級貴族ならまだしも、王女と大貴族の婚約を潰しに来たのだよね? 僕、とんでも無い事してない?
「き、君!? いったい何を言っているのかな?」
ひぇえええ! 婚約者のシュミット侯爵が激おこぷんぷん丸で僕を睨む。
「すまないが、クリスティーナ殿下は既に僕のものだ。何度も何度も愛し合った仲なんだ。あなたの顔に泥を塗ってしまった事は謝罪します。だけど、僕にはクリスティーナが必要なのです」
「馬鹿者が……。貴様が泥を塗ったのは、私だけではないぞ!!」
ゾクっとするほど冷たい声が響いた。婚約者のシュミット侯爵だ。
……やっぱり、怒る?
「この婚約を認めたのは誰だと思っている? 王女殿下の父上、プロイセン国王陛下であらされるぞ。貴様は陛下の顔にも泥を塗ったのだぞ!?」
ビリビリと響く冷たく重い声、太い杭が打ち込まれたかのように、場の空気を揺すぶった。
うん、この人の言う通りだな。僕の方が悪い…
とんでもない事をしでかしたと気がついた時には遅かったが、僕は違和感に気がついた。
「(これは瘴気? 何故こんな処に?)」
それも、この婚約者であるシュミット侯爵から発せられている。
「それでも、僕はここに来ざるをえなかった。そして、この婚約を認めるわけにはいかない」
「一体どういうことだ? 貴様がティーナ王女と姦通していたとしていても、ただ、クリスティーナ殿下が好きだから、などという理由だけではないのだろう? 死罪覚悟の事だぞ?」
うん。この人の言う事が正論だ。僕、何をやってるの? ヒルデとリーゼに無理やりティーナ王女を助けに来させられたけど、僕は王侯貴族の事なんて知らなかった。でも、この人の言う事を冷静に考えると、僕の狼藉って酷いものだ。それに…え? 死罪? そんなの聞いてないけど?
しかし、なんだか雰囲気的に、僕がここで『好き…愛してりゅ…..φ(〃∇〃 ))) 』ていう理由だけだと、僕が凄く馬鹿みたいに見えないか? 僕は凄く体裁を繕う男なんだ。
あれ? 婚約者だけではなくて、みなが僕を見ている。
ひぇえええええ、みな僕の答えを待っているんだ。好き…以外の回答…無いです。
゜∀゜!!閃いた!?
「ねえ、ティーナ、正直に話して謝ってもいいかな?」
ボカッ!!
結構大きな音が聞こえた。誰かが背後から僕を鈍器で殴った音だ。
「ちょっ、何で殴るの!? ヒルデ!!」
「台無しよ!!」
「全く下僕には死ぬほどのお仕置きが必要ね。それにしても、何故下僕はわからないのかしら? そこの男から滲む瘴気に…聖石が埋まった街で瘴気を滲ませる者がいるとしたら…
あなた、魔族ね!!」
リーゼがビシっとシュミット侯爵を指さすと、
「ええっ!?」
「アルが驚かないの…」
僕が心底驚いていると、何故かリーゼが嘆息した。
その時、ティーナの横にいたシュミットが呟いた。
「な、何故わかったんだ……」
「えっと、シュミット侯爵?」
ブツブツと何かをつぶやくシュミット公爵。更には僕の方へフラフラと歩き始める。
その様子に会場の参加者はみな不安そうな顔でシュミット侯爵を見る。
そうだよね。怒ったよね。晴れの舞台の王女との婚約発表の場で婚約者が姦通していた上、どこの馬の骨ともわからない男に婚約者をさらわれそうになったら、誰でも怒るよね。分かる分かる。
……と思って、シュミット侯爵に同情していたのだけど、どうもちょっと違う感じだ。
「何故、何故だ。これだけうまく隠れおおせていたものを、一体何処ですきを見せてしまった?せっかく、せっかく、うまく隠れていたものを……。いや、みな殺してしまえばいい……」
ふっとこちらに目線を向けるシュミット侯爵。
……しかし、彼の両眼は闇より深く虚無に染まっていた。更に端整な顔はかすみ、霧がかかったかのような虚なものへと変貌していた。
その顔はおぼろげで、実在する物質ではない事は明らかだ。その黒い何かは黒いフードを被った骸骨を形作る。その姿はおぞましく、異形のものへとなっていった。
ぴえん……を超えてぱおんだ。
「邪魔者は、皆殺し、皆殺しだ」
そう呟いた瞬間、彼の周囲より激しい瘴気が溢れ出た。それは、今まで正体を隠していたものが遠慮なく正体を…魔族である事を暴露した瞬間だった。
黒い瘴気が会場を埋め尽くす。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああ!?」
一番近くにいたティーナ王女は、驚き、悲鳴をあげる!! だが、僕は反射的に動いた。瞬歩のスキルで高速移動して、王女の身体を抱き抱え、ふわりと持ち上げてられて後ろへ飛びすさる。
「ま、魔族だ。化け物だ!?」
大混乱となった会場の中。みな我先にと逃げ惑う。
それを見た僕は、まさに唖然となってた。
…………え? なんでこうなるの?
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