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34トゥールネの帰らずのダンジョン3
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「まったくなんと言う破廉恥!? 人気がないからと言って、こんな処で乳繰り合うとは! 不謹慎です。神聖なダンジョンで男女がいやらしい事をするのだなんて! まさしく下品なポルノ! まるでアダルトビデオではありませんか? 全く不愉快! この人でなし! 女ったらしめ!」
真っ黒な鎧兜に、血走った赤い目。セリアのダンジョンで見た魔族と同じ異様ないでたちと禍々しい魔力。2階層でいきなり魔族が現れた。
それにしても、僕、魔族に人でなし呼ばわりの上、女たらしって言われた。凄く傷付くんだけど…
「僕はやましい事なんてしていない!」
「では、何故、そこの女の子は胸をはだけているのですか?」
「そ、それはナディヤが…」
ナディヤが自分から生の胸を押し付けてきたと主張しようと思ったが、ナディヤや皆を見ると、ヒルデが胸の前で×をしていた。
つまり、女の子にそんな恥をかかせては駄目という事か? ちなみにナディヤは涙目だ。
「僕がナディヤの胸を見たいと思ったから、頼んだんだ。だが、何処にも問題は無い!」
「な、なんてふしだらな…あなたには良心はないのですか? そんな可愛い女の子に、そんな事を強要するだなんて!」
そんな酷い事言わないでよ。僕がまるで悪者…それもかなりエロい悪者みたいじゃないか…
「その事はいいから、お前がこのダンジョンの主か? トラップで転移させてお前が冒険者達を殺していたのか?」
「ええ、私が殺しました。全く、人間というものは何と罪深い……まさに、醜悪、下品、淫らの極み…我ら崇高な魔族と違い、何故人はダンジョンで淫らな事ばかりするのですかね? ナーガ出てきたまえ!」
「えっ? ナーガ?」
何処かで聞いた事があるような気がする。
「このダンジョンから人が帰還できない理由。それは人が魔族に勝てないからです。だから、彼らはみな、なす術も無く私に殺されました」
この魔族とはやはり殺りあうしかないな。何か人間のボッチっぽい雰囲気があるからもしかして分かり合えるかもと思ったけど、無理だ。このダンジョンに突入した冒険者パーティを殺した以上、敵と認識するよりない。やはりこの変な魔族は滅ぼすしかない。
「お前が殺した冒険者達の仇はとらせてもらう」
僕はそう言うと、魔剣を現出させて剣の柄を握った。
「お前の相手は新米魔族のナーガです。ナーガ、魔族の力を見せる時です。人は魔族に傷一つつける事はできません。さあ、この人間に絶望を見せてやりなさい」
「嫌です」
「ええっ?」
漆黒の鎧兜を纏った魔族は素で驚いているようだ。実は僕も、どういう事? という疑問しか湧かない。
「アルベルト様に仇なすなど、ナーガにはできません。私の初恋の人なんです」
「何ですと? あなた、人間に恋しているのですか? ていうか、私はあなたの事好きだったのに! こんなに親切にしていたのに、裏切るんですか?」
「あなたみたいに見せかけの優しさなんて、下心が見え見えで、嫌いです。ナーガはセリアのダンジョンでアルベルト様に殺されましたが、あまりに素敵で、忘れられなかったんです」
あの時の怖い蛇の魔物か…魔物は多量の瘴気を得て、魔族へ進化する事があると聞いた事がある。でも、殺した相手を好きになるなんて…そう言えば、死に際に素敵とか言っていたな。
「おのれ、この欲望に満ちた人間め、私の大好きなナーガまで篭絡するとは! この卑怯者! 女たらし! 私なんて、一度も彼女ができた事がないのですよ!」
そんなのは知らないよ。僕だって、別にそのナーガという女の子の魔族にちょっかいを出した覚えはないよ。
「いや、僕別に、そのナーガという魔族の女の子に何もしていないよ」
「そんな、あんな激しい事をナーガにして、ナーガをメロメロにした癖に」
「おのれ人間め! ナーガにふしだらな事をしたのですね! ふしだらな行いで女性を篭絡するだなんて、何て卑怯な! この寝取り魔! あなたは私が殺してあげます」
だれが寝取り魔だよ。勘違いも甚だしいよ。それに悔しくて涙を流すだなんて、止めてよ。僕がホントに 寝取り魔みたいじゃないか!?
「ああ、私を取り合って、二人の男性が殺しあいをするだなんて、私ってなんて罪深いのかしら♪」
ホントに罪深い娘だね。なんか、この魔族を殺すのが哀れに思えてきた。
「一対一の決闘を望みます。正々堂々と勝負しなさい」
「わかったよ。決闘をしたいんだね…」
つい、僕は魔族の提案を聞いてしまった。つい、涙を流す魔族に同情して…僕、何してんの?
「勝った方がナーガを彼女にできる。というルールでいいですね?」
「えっ? それは関係ないんじゃ? それにナーガさんは物じゃないよ」
「流石アルベルト様、ナーガを物扱いじゃなくて、一人の大切な女の子として扱ってくれるのですね」
なんで、僕はこの魔族の女の子の好感度なんてあげているの? 僕は馬鹿?
「あなたの様な女たらしはこれ以上という事が無い位、無残に殺してあげます」
魔族が話している途中で、突然魔法が発動する気配を感じた。僕に向かい、闇魔法が襲う。しかし、僕は咄嗟にバックステップで逃げた。しかし、
「なんだ、これ……?」
僕が疑問の声をあげるのも無理ないと思って欲しい。魔族は闇魔法で攻撃した後、その姿を変化させ、理解できない物体となっていった。それは目玉…無数の目玉が僕の目の前に現れた。
「アルベルト様、それがその魔族の本当の姿です!」
ナーガが教えてくれた。魔族の本性、それは、本来、決してこの世に存在している筈もないもの。本来であれば、決してある筈のない異形のものなのだ。魔族以外の生きる者、例え魔物であったとしても生きているという事を理解できる形をしている。だが、魔族の本性には生き物として当たり前のそれがなかった。
「アルベルト様、気をつけて、ナーガもその人の事、良く知らないんです。何でしょうか、あれ? というか、どうやって戦えばいいのでしょうか?」
「わからない。だけど……あれは、たくさんの冒険者を殺した。この世界から細胞の一片だって存在を許しておけない」
「ア、アルベルト様、お気を付けて……ナ、ナーガは怖いです。お願い、無理はなさらないでください…」
「心配しないで……僕は必ず勝つよ」
「さあ、女たらしめ。殺させてもらうぞ。魔眼の力……私の力を見るがいい」
「……」
魔眼……人を狂わす魔の眼差し、それをこの魔族は持っているのか?
て、あれ? 何、僕は魔族の女の子を味方みたいに扱っているの?
真っ黒な鎧兜に、血走った赤い目。セリアのダンジョンで見た魔族と同じ異様ないでたちと禍々しい魔力。2階層でいきなり魔族が現れた。
それにしても、僕、魔族に人でなし呼ばわりの上、女たらしって言われた。凄く傷付くんだけど…
「僕はやましい事なんてしていない!」
「では、何故、そこの女の子は胸をはだけているのですか?」
「そ、それはナディヤが…」
ナディヤが自分から生の胸を押し付けてきたと主張しようと思ったが、ナディヤや皆を見ると、ヒルデが胸の前で×をしていた。
つまり、女の子にそんな恥をかかせては駄目という事か? ちなみにナディヤは涙目だ。
「僕がナディヤの胸を見たいと思ったから、頼んだんだ。だが、何処にも問題は無い!」
「な、なんてふしだらな…あなたには良心はないのですか? そんな可愛い女の子に、そんな事を強要するだなんて!」
そんな酷い事言わないでよ。僕がまるで悪者…それもかなりエロい悪者みたいじゃないか…
「その事はいいから、お前がこのダンジョンの主か? トラップで転移させてお前が冒険者達を殺していたのか?」
「ええ、私が殺しました。全く、人間というものは何と罪深い……まさに、醜悪、下品、淫らの極み…我ら崇高な魔族と違い、何故人はダンジョンで淫らな事ばかりするのですかね? ナーガ出てきたまえ!」
「えっ? ナーガ?」
何処かで聞いた事があるような気がする。
「このダンジョンから人が帰還できない理由。それは人が魔族に勝てないからです。だから、彼らはみな、なす術も無く私に殺されました」
この魔族とはやはり殺りあうしかないな。何か人間のボッチっぽい雰囲気があるからもしかして分かり合えるかもと思ったけど、無理だ。このダンジョンに突入した冒険者パーティを殺した以上、敵と認識するよりない。やはりこの変な魔族は滅ぼすしかない。
「お前が殺した冒険者達の仇はとらせてもらう」
僕はそう言うと、魔剣を現出させて剣の柄を握った。
「お前の相手は新米魔族のナーガです。ナーガ、魔族の力を見せる時です。人は魔族に傷一つつける事はできません。さあ、この人間に絶望を見せてやりなさい」
「嫌です」
「ええっ?」
漆黒の鎧兜を纏った魔族は素で驚いているようだ。実は僕も、どういう事? という疑問しか湧かない。
「アルベルト様に仇なすなど、ナーガにはできません。私の初恋の人なんです」
「何ですと? あなた、人間に恋しているのですか? ていうか、私はあなたの事好きだったのに! こんなに親切にしていたのに、裏切るんですか?」
「あなたみたいに見せかけの優しさなんて、下心が見え見えで、嫌いです。ナーガはセリアのダンジョンでアルベルト様に殺されましたが、あまりに素敵で、忘れられなかったんです」
あの時の怖い蛇の魔物か…魔物は多量の瘴気を得て、魔族へ進化する事があると聞いた事がある。でも、殺した相手を好きになるなんて…そう言えば、死に際に素敵とか言っていたな。
「おのれ、この欲望に満ちた人間め、私の大好きなナーガまで篭絡するとは! この卑怯者! 女たらし! 私なんて、一度も彼女ができた事がないのですよ!」
そんなのは知らないよ。僕だって、別にそのナーガという女の子の魔族にちょっかいを出した覚えはないよ。
「いや、僕別に、そのナーガという魔族の女の子に何もしていないよ」
「そんな、あんな激しい事をナーガにして、ナーガをメロメロにした癖に」
「おのれ人間め! ナーガにふしだらな事をしたのですね! ふしだらな行いで女性を篭絡するだなんて、何て卑怯な! この寝取り魔! あなたは私が殺してあげます」
だれが寝取り魔だよ。勘違いも甚だしいよ。それに悔しくて涙を流すだなんて、止めてよ。僕がホントに 寝取り魔みたいじゃないか!?
「ああ、私を取り合って、二人の男性が殺しあいをするだなんて、私ってなんて罪深いのかしら♪」
ホントに罪深い娘だね。なんか、この魔族を殺すのが哀れに思えてきた。
「一対一の決闘を望みます。正々堂々と勝負しなさい」
「わかったよ。決闘をしたいんだね…」
つい、僕は魔族の提案を聞いてしまった。つい、涙を流す魔族に同情して…僕、何してんの?
「勝った方がナーガを彼女にできる。というルールでいいですね?」
「えっ? それは関係ないんじゃ? それにナーガさんは物じゃないよ」
「流石アルベルト様、ナーガを物扱いじゃなくて、一人の大切な女の子として扱ってくれるのですね」
なんで、僕はこの魔族の女の子の好感度なんてあげているの? 僕は馬鹿?
「あなたの様な女たらしはこれ以上という事が無い位、無残に殺してあげます」
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「なんだ、これ……?」
僕が疑問の声をあげるのも無理ないと思って欲しい。魔族は闇魔法で攻撃した後、その姿を変化させ、理解できない物体となっていった。それは目玉…無数の目玉が僕の目の前に現れた。
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ナーガが教えてくれた。魔族の本性、それは、本来、決してこの世に存在している筈もないもの。本来であれば、決してある筈のない異形のものなのだ。魔族以外の生きる者、例え魔物であったとしても生きているという事を理解できる形をしている。だが、魔族の本性には生き物として当たり前のそれがなかった。
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「さあ、女たらしめ。殺させてもらうぞ。魔眼の力……私の力を見るがいい」
「……」
魔眼……人を狂わす魔の眼差し、それをこの魔族は持っているのか?
て、あれ? 何、僕は魔族の女の子を味方みたいに扱っているの?
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