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30僕の妹シャルロッテ
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フィーネを失って既に1週間が過ぎた。かなり回復したが、僕の気持ちはかなり沈んだままだ。フィーネは僕にとってかけがえのない存在だった。傍にいて当たりまえの存在。空気みたいな存在だった。でも、人は空気が無くては生きてはいけない。僕は窒息しそうだ。
そんな時、妹のシャルロッテが様子を伺いに来た。僕の事が心配なんだろう。
ロッテから、二人の事情は聞いていた。二人は落ちこぼれていく僕を見ている事ができなかった。だから、僕と話す勇気がなかったらしい。そして、エルヴィンをチヤホヤしていたのは、そうしないと、エルヴィンが僕を助けないと言ったからだそうだ。
それだけじゃない、妹のロッテもエルヴィンから抱かせないと僕を助けないと言われたらしい。でも、ロッテは拒絶した。でも、フィーネは……
「お兄ちゃん、入るよ」
「うん。もう大丈夫だよ」
ロッテが部屋のドアを開けて入るや否や、
「何処が大丈夫なの…お兄ちゃん、心が死んでる…」
妹に見透かされた。そんな簡単に17年寄り添った恋人の事が忘れられる訳がない。
「お兄ちゃんが辛い事はわかってるけど、私、お兄ちゃんには無理やり元気になって欲しい。だって、このままだと、ヒルデさん達がトゥールネのダンジョンをお兄ちゃん抜きで攻略しなくてはならないんだからね! いいの? 大切な仲間なんでしょう?」
「僕なんて、どうせ、恋人の命も守れない、軟弱者なんだよ」
妹はムスっとすると、怒った声で言った。
「私もヒルデさん達についていくからね!」
「なんで、ロッテが?」
「ほおっておける訳がないでしょう? あのダンジョンの2階層からは誰も帰ってきた人はいないのよ。例外は癪に障るけど、エルヴィンと私達だけよ。あのダンジョンには何かある。そんなところにヒルデさんと騎士団だけで行かせられないんだからね! お兄ちゃんはいいの? それで?」
ヒルデ、そうだ。僕の仲間…ヒルデは頭のねじは飛んでいるけど、いい娘だ。それに僕が好きらしい事以外の事に関しては普通だ。あのダンジョンに僕抜きで行かせる訳にはいかない。
突然、ロッテが僕の胸に飛び込んできた。
「お兄ちゃん、お願い。お兄ちゃんは強くなったんでしょう? ヒルデさん達を助けて、お願い。そして、前みたいに優しくて明るいお兄ちゃんに戻って!」
「ロッテ、ヒルデは僕の仲間だよ。僕が見捨てる訳が無いじゃないか?」
僕は落ち込んでいた。だけど、僕にはやる事があった。それは僕がこの手で魔王を滅ぼす事。そして、エルヴィンを見返して、国王に認めてもらい、エルヴィンを法的に裁く事。それがフィーネを殺したヤツへの僕なりの復讐だ。
落ち込んでいる場合じゃない。魔王を倒す為に僕は活動していたんだ。ヒルデ達を単身あの謎のダンジョンに潜らせる事なんてできない。
僕はロッテを抱きしめて、言った。
「ありがとう。ロッテ、僕はどうかしていた。いつまでもめそめそしていたらフィーネに叱られる。ヒルデ達とダンジョンに潜るよ。それがフィーネの為、いや、僕の生きる為の唯一の希望だ」
「お兄ちゃん、出発は明日よ。今日はお兄ちゃんに添い寝してあげる。だから、早く元気を出して、ね?」
「ああ、ありがとう」
子供の頃から…いや、結構最近までロッテに添い寝してあげてたな。添い寝をして欲しいのはロッテの方だろう。ロッテだって、お姉ちゃんと慕っていたフィーネが亡くなって、辛い筈だ。
僕はその日の夜、ロッテに添い寝をしてもらって、寝た。懐かしい気持ちになって、久しぶりにぐっすりと眠った。そして、朝、寝ぼけ眼で目を開けると、目の前にロッテの顔があった。
近すぎない?
「えっ?」
ロッテは寝ぼけている僕の唇に口づけをした。いや、兄妹でそれは凄くまずいよね?
「ロ、ロッテ?」
「お兄ちゃんは私が癒してあげる。だから…」
「いや、僕達、兄妹!?」
僕は短時間で凄い汗をかいた。いや、凄くやばい事をしてしまったような気がする。頭に親父の顔が浮かんで、殴られて怒られるイメージが。
「お兄ちゃんはお父さんとお母さんの本当の子供じゃないの。血は繋がっていないのよ。そもそも、私とお兄ちゃんは8か月しか歳が違わないのよ。今までおかしいとは思わなかったの?」
「い、いや、全然、全く!?」
いや、僕、お父さんとお母さんの本当の子じゃないの? できればそんな事知りたくなかったよ。いきなりトンでもないカミングアウトしないで! それに、ロッテにキスされてしまって、僕は心がかなり迷子になった。
「例え、血が繋がっていなくても、僕達本当の兄妹として育っただろう? 駄目だよそんなの!! 合法でも、精神的にアウトだよ!?」
「そんな事言うとお母さんに怒られるわよ。知っていた? お父さんとお母さんって、血の繋がっていない兄妹だったのよ」
親父、アウトが過ぎる!?
「いや、僕、ロッテを女の子として見た事ないから、だから、だから…」
「あら、私はお兄ちゃんを男としてしか見ていなかったからね。添い寝して、できれば襲われたらラッキーて思っていたわ。お兄ちゃん、意気地なしだから」
ロッテもアウト過ぎる。兄に襲われる狙いで添い寝していたの? てっきり唯の甘えん坊だと思っていたのに、そんな下心あったの?
「今日も添い寝してあげるからね」
「結構です!?」
「なんでよ!?」
だって、襲われるもの。
僕とロッテが二人で食堂に向かうと、ロッテはもうはばかる事も無く、僕の腕に両手を絡ましてきた。これ、もう兄妹の関係を超えているよね? 僕は冷や汗をダラダラかきながら食堂に向かうと、マズい事にヒルデやリーゼ、ナディヤも食堂にいた。
三人は僕とロッテを交互に見て、ロッテが僕に腕を絡ましている処を凝視する。
そこにロッテが爆弾を投下した。
「今日、お兄ちゃんとファーストキスしたんだからね!?」
何を言い出す、ロッテ? 僕が変態と思われたらどうする?
案の定、三人はツカツカと僕に歩みより、
「アル、これはどういう事かしら?」
「下僕は一体どういう事か説明をしなさい」
「せ、先輩、直ちにkwsk説明してください」
三人は僕の手を引っ張ったり、押し合ったりし始めた。すると、
ロッテは頬を大きく膨らませて、
「お、お兄ちゃん、これは一体どういう事なのかしら? 説明次第ではおしゃべりも添い寝もしてあげないんだからね!!」
いや、添い寝もおしゃべりもロッテの好みだろう、ていうか、僕、4股がバレた浮気男みたいな空気になっていない? 僕、この子達とキスはおろか、手だって…ああ!? ロッテとは手は繋いだ事あるし、キスもしてしまった!!!!!!!!!!!
そんな時、妹のシャルロッテが様子を伺いに来た。僕の事が心配なんだろう。
ロッテから、二人の事情は聞いていた。二人は落ちこぼれていく僕を見ている事ができなかった。だから、僕と話す勇気がなかったらしい。そして、エルヴィンをチヤホヤしていたのは、そうしないと、エルヴィンが僕を助けないと言ったからだそうだ。
それだけじゃない、妹のロッテもエルヴィンから抱かせないと僕を助けないと言われたらしい。でも、ロッテは拒絶した。でも、フィーネは……
「お兄ちゃん、入るよ」
「うん。もう大丈夫だよ」
ロッテが部屋のドアを開けて入るや否や、
「何処が大丈夫なの…お兄ちゃん、心が死んでる…」
妹に見透かされた。そんな簡単に17年寄り添った恋人の事が忘れられる訳がない。
「お兄ちゃんが辛い事はわかってるけど、私、お兄ちゃんには無理やり元気になって欲しい。だって、このままだと、ヒルデさん達がトゥールネのダンジョンをお兄ちゃん抜きで攻略しなくてはならないんだからね! いいの? 大切な仲間なんでしょう?」
「僕なんて、どうせ、恋人の命も守れない、軟弱者なんだよ」
妹はムスっとすると、怒った声で言った。
「私もヒルデさん達についていくからね!」
「なんで、ロッテが?」
「ほおっておける訳がないでしょう? あのダンジョンの2階層からは誰も帰ってきた人はいないのよ。例外は癪に障るけど、エルヴィンと私達だけよ。あのダンジョンには何かある。そんなところにヒルデさんと騎士団だけで行かせられないんだからね! お兄ちゃんはいいの? それで?」
ヒルデ、そうだ。僕の仲間…ヒルデは頭のねじは飛んでいるけど、いい娘だ。それに僕が好きらしい事以外の事に関しては普通だ。あのダンジョンに僕抜きで行かせる訳にはいかない。
突然、ロッテが僕の胸に飛び込んできた。
「お兄ちゃん、お願い。お兄ちゃんは強くなったんでしょう? ヒルデさん達を助けて、お願い。そして、前みたいに優しくて明るいお兄ちゃんに戻って!」
「ロッテ、ヒルデは僕の仲間だよ。僕が見捨てる訳が無いじゃないか?」
僕は落ち込んでいた。だけど、僕にはやる事があった。それは僕がこの手で魔王を滅ぼす事。そして、エルヴィンを見返して、国王に認めてもらい、エルヴィンを法的に裁く事。それがフィーネを殺したヤツへの僕なりの復讐だ。
落ち込んでいる場合じゃない。魔王を倒す為に僕は活動していたんだ。ヒルデ達を単身あの謎のダンジョンに潜らせる事なんてできない。
僕はロッテを抱きしめて、言った。
「ありがとう。ロッテ、僕はどうかしていた。いつまでもめそめそしていたらフィーネに叱られる。ヒルデ達とダンジョンに潜るよ。それがフィーネの為、いや、僕の生きる為の唯一の希望だ」
「お兄ちゃん、出発は明日よ。今日はお兄ちゃんに添い寝してあげる。だから、早く元気を出して、ね?」
「ああ、ありがとう」
子供の頃から…いや、結構最近までロッテに添い寝してあげてたな。添い寝をして欲しいのはロッテの方だろう。ロッテだって、お姉ちゃんと慕っていたフィーネが亡くなって、辛い筈だ。
僕はその日の夜、ロッテに添い寝をしてもらって、寝た。懐かしい気持ちになって、久しぶりにぐっすりと眠った。そして、朝、寝ぼけ眼で目を開けると、目の前にロッテの顔があった。
近すぎない?
「えっ?」
ロッテは寝ぼけている僕の唇に口づけをした。いや、兄妹でそれは凄くまずいよね?
「ロ、ロッテ?」
「お兄ちゃんは私が癒してあげる。だから…」
「いや、僕達、兄妹!?」
僕は短時間で凄い汗をかいた。いや、凄くやばい事をしてしまったような気がする。頭に親父の顔が浮かんで、殴られて怒られるイメージが。
「お兄ちゃんはお父さんとお母さんの本当の子供じゃないの。血は繋がっていないのよ。そもそも、私とお兄ちゃんは8か月しか歳が違わないのよ。今までおかしいとは思わなかったの?」
「い、いや、全然、全く!?」
いや、僕、お父さんとお母さんの本当の子じゃないの? できればそんな事知りたくなかったよ。いきなりトンでもないカミングアウトしないで! それに、ロッテにキスされてしまって、僕は心がかなり迷子になった。
「例え、血が繋がっていなくても、僕達本当の兄妹として育っただろう? 駄目だよそんなの!! 合法でも、精神的にアウトだよ!?」
「そんな事言うとお母さんに怒られるわよ。知っていた? お父さんとお母さんって、血の繋がっていない兄妹だったのよ」
親父、アウトが過ぎる!?
「いや、僕、ロッテを女の子として見た事ないから、だから、だから…」
「あら、私はお兄ちゃんを男としてしか見ていなかったからね。添い寝して、できれば襲われたらラッキーて思っていたわ。お兄ちゃん、意気地なしだから」
ロッテもアウト過ぎる。兄に襲われる狙いで添い寝していたの? てっきり唯の甘えん坊だと思っていたのに、そんな下心あったの?
「今日も添い寝してあげるからね」
「結構です!?」
「なんでよ!?」
だって、襲われるもの。
僕とロッテが二人で食堂に向かうと、ロッテはもうはばかる事も無く、僕の腕に両手を絡ましてきた。これ、もう兄妹の関係を超えているよね? 僕は冷や汗をダラダラかきながら食堂に向かうと、マズい事にヒルデやリーゼ、ナディヤも食堂にいた。
三人は僕とロッテを交互に見て、ロッテが僕に腕を絡ましている処を凝視する。
そこにロッテが爆弾を投下した。
「今日、お兄ちゃんとファーストキスしたんだからね!?」
何を言い出す、ロッテ? 僕が変態と思われたらどうする?
案の定、三人はツカツカと僕に歩みより、
「アル、これはどういう事かしら?」
「下僕は一体どういう事か説明をしなさい」
「せ、先輩、直ちにkwsk説明してください」
三人は僕の手を引っ張ったり、押し合ったりし始めた。すると、
ロッテは頬を大きく膨らませて、
「お、お兄ちゃん、これは一体どういう事なのかしら? 説明次第ではおしゃべりも添い寝もしてあげないんだからね!!」
いや、添い寝もおしゃべりもロッテの好みだろう、ていうか、僕、4股がバレた浮気男みたいな空気になっていない? 僕、この子達とキスはおろか、手だって…ああ!? ロッテとは手は繋いだ事あるし、キスもしてしまった!!!!!!!!!!!
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