26 / 106
26僕の幼馴染フィーネ
しおりを挟む
ミュラーと会って、リーゼの貴族復帰の目途、僕達冒険者団の勇者パーティへの昇格が現実味を帯びてきたせいか、その日の朝は早く目が覚めた。それで朝市を見に行く事にした。
この首都トゥールネには既にたくさんの人が帰って来ていた。魔王軍は押し返し、後はこの街の中央部のダンジョン最下層に潜む魔族を滅ぼすだけだ。
特に目的も無く、僕は朝市を彷徨った。
そして、注意力も散漫だったのか前を良く見ておらず、誰かにぶつかってしまった。
「すいません」
「ごめんなさい」
その声に聞き覚えがあった。驚いて顔をあげて相手を見ると、
「フィ、フィーネ!」
「アル!」
僕がうっかりぶつかった相手は僕の幼馴染で婚約者、そう、フィーネだった。
そうだ、エルヴィンがいたのだ。やはりフィーネもこの街にいたのだ。僕は懐かしい幼馴染の顔を見て、涙が出そうになった。
「ア、アル、生きていてくれたのね?」
「ああ、生きていたよ。行方をくらませてごめんね、だって、僕、エルヴィンに殺されそうになって…」
「そ、そんな……」
フィーネは顔色が悪く、何だか物憂げな表情をしていた。
「アル、ちょっと来て」
僕は腕を引っぱられて路地裏に連れていかれた。そして、フィーネは必死な表情で懇願してきた。
「私との婚約は破棄にして…」
「嫌だ!」
「お願いだから!」
どういう事だ? フィーネは僕よりエルヴィンが好きになったのか? 僕はフィーネに捨てられたのか?
「私はアルに相応しい女じゃないの」
「エルヴィンとの関係だろ? 知っている…でも、僕はそれでもフィーネを手放したくない」
フィーネは悲しそうな顔をしていた。僕も辛い、でもフィーネを見捨てる事なんてできない。
「…私、お腹にエルヴィンの赤ちゃんがいるの」
「……」
気が狂いそうだった。怒り、悲しみ、憎しみ、ありとあらゆる負の感情が混ざり合っていく。
「……私、アルに謝りたくて」
「……」
フィーネが僕に謝る? 一体何を言って…
「私はアルのレベルが上がるのが遅くて、必死に守ろうとした。でも、エルヴィンはいつも無理に突き進むから…何度か間に合わない時があって、そこをエルヴィンに助けられた…エルヴィンは抱かせてくれなければ、アルの事を助けないって…」
「…それはフィーネのせいじゃないよ」
「私を許してくれるの? こんなに汚れきった女を? お腹にはあの男の子供までいるのよ」
だからといって、フィーネを見捨てる事なんてできない…一番傷ついているのはフィーネだから、
「子は流石に堕ろすしかないと思う…でも、やり直そうよ。昔みたいに戻ろうよ」
「……」
フィーネは無言で下をむいていた。自責の念と戦っているのだろうか?
「フィーネにとって、今でも僕と故郷の思い出は大切?」
「大切に決まってる! アルやみんなとの思い出がいっぱい詰まったところ、絶対に忘れちゃいけない、大切な場所!」
「僕にとってもフィーネとの故郷での思い出は大切なものだよ、今でも」
フィーネが顔をあげると、一瞬だけ笑顔が垣間見えた。腰迄伸びた長い髪が美しく揺れて、フィーネの動きに合わせて上質な絹の様に広がった。
フィーネは僕の目を見据えた。だけど、フィーネの瞳から沢山の涙が溢れだした。
「例え、どんな事があってもアルを裏切った事には代わりはないの、だから私…ごめんなさい、ごめんさい、ごめんなさい。わ、私、取り返しのつかない事を」
フィーネはひたすらに謝っていた。そんなフィーネに僕は魅入られた。それでもフィーネは綺麗だ。どんな事があっても、フィーネはやはり美しかった。
「フィーネはどうして謝っているんだ?」
「私、馬鹿だった。アルを裏切る位なら、一緒にパーティを逃げるべきだった」
「それは結果論だよ。僕も君と二人で早く抜けるべきだったと反省している」
ホントだ。悪いのはフィーネじゃない。早くパーティを抜けなかった僕のせい、そして一番悪いのはエルヴィンだ。フィーネは何も悪くない。
「ち、違う、私、アルに釣り合う女じゃない。もう、アルの知っているフィーネはいないの、私、馬鹿だった。一番大切なものが何か、わかっていなかった」
「……」
僕は少し考えた。そして思っていた事を伝えた。
「フィーネ、君の事が好きだよ。いつまでも…」
僕は自分の心を伝えた。いつも言っていた事、そして、いつもの返事を期待した。
「わ、私も…好き…今でも…」
フィーネは顔をあげた。でも、瞳からは涙が溢れていた。でも、僕は何処か不安を感じた。
「わ、私、私、ああああああアル!」
フィーネは号泣し始めた。
「今すぐにパーティを抜けてよ。エルヴィンの処に帰っちゃダメだ」
フィーネは泣き続けた。泣き尽くしたあと、しばらく、沈黙していたが、
「シャルロッテも、一緒に…このままだとアルの妹もアイツの毒牙に…」
「ありがとう。妹の事も気にしてくれるんだね」
僕はフィーネを抱き寄せた。懐かしいフィーネの香り、フィーネの暖かみ。暖かい肌の温もり。フィーネの身体は温かく、柔らかかった
「帰ったら、シャルロッテを連れて、直ぐに僕達の宿舎に来て」
僕は優しくそう言った。フィーネがピクンと震える。
「あ、ありがとう。こんな私を許してくれて…」
フィーネが顔を上げる。潤んだ瞳は喜びに包まれている。
僕はフィーネに自分の宿舎の場所と名前を告げると、その場を別れた。
フィーネが僕の元に帰ってきてくれる。僕は久しぶりに懐かしい故郷での二人の思い出を思い出だして、笑みがこぼれた。幸せな未来を描いて、幸せな気持ちになれた。まさかそれが、幻になってしまうのだなんて夢にも思わなかった。
この首都トゥールネには既にたくさんの人が帰って来ていた。魔王軍は押し返し、後はこの街の中央部のダンジョン最下層に潜む魔族を滅ぼすだけだ。
特に目的も無く、僕は朝市を彷徨った。
そして、注意力も散漫だったのか前を良く見ておらず、誰かにぶつかってしまった。
「すいません」
「ごめんなさい」
その声に聞き覚えがあった。驚いて顔をあげて相手を見ると、
「フィ、フィーネ!」
「アル!」
僕がうっかりぶつかった相手は僕の幼馴染で婚約者、そう、フィーネだった。
そうだ、エルヴィンがいたのだ。やはりフィーネもこの街にいたのだ。僕は懐かしい幼馴染の顔を見て、涙が出そうになった。
「ア、アル、生きていてくれたのね?」
「ああ、生きていたよ。行方をくらませてごめんね、だって、僕、エルヴィンに殺されそうになって…」
「そ、そんな……」
フィーネは顔色が悪く、何だか物憂げな表情をしていた。
「アル、ちょっと来て」
僕は腕を引っぱられて路地裏に連れていかれた。そして、フィーネは必死な表情で懇願してきた。
「私との婚約は破棄にして…」
「嫌だ!」
「お願いだから!」
どういう事だ? フィーネは僕よりエルヴィンが好きになったのか? 僕はフィーネに捨てられたのか?
「私はアルに相応しい女じゃないの」
「エルヴィンとの関係だろ? 知っている…でも、僕はそれでもフィーネを手放したくない」
フィーネは悲しそうな顔をしていた。僕も辛い、でもフィーネを見捨てる事なんてできない。
「…私、お腹にエルヴィンの赤ちゃんがいるの」
「……」
気が狂いそうだった。怒り、悲しみ、憎しみ、ありとあらゆる負の感情が混ざり合っていく。
「……私、アルに謝りたくて」
「……」
フィーネが僕に謝る? 一体何を言って…
「私はアルのレベルが上がるのが遅くて、必死に守ろうとした。でも、エルヴィンはいつも無理に突き進むから…何度か間に合わない時があって、そこをエルヴィンに助けられた…エルヴィンは抱かせてくれなければ、アルの事を助けないって…」
「…それはフィーネのせいじゃないよ」
「私を許してくれるの? こんなに汚れきった女を? お腹にはあの男の子供までいるのよ」
だからといって、フィーネを見捨てる事なんてできない…一番傷ついているのはフィーネだから、
「子は流石に堕ろすしかないと思う…でも、やり直そうよ。昔みたいに戻ろうよ」
「……」
フィーネは無言で下をむいていた。自責の念と戦っているのだろうか?
「フィーネにとって、今でも僕と故郷の思い出は大切?」
「大切に決まってる! アルやみんなとの思い出がいっぱい詰まったところ、絶対に忘れちゃいけない、大切な場所!」
「僕にとってもフィーネとの故郷での思い出は大切なものだよ、今でも」
フィーネが顔をあげると、一瞬だけ笑顔が垣間見えた。腰迄伸びた長い髪が美しく揺れて、フィーネの動きに合わせて上質な絹の様に広がった。
フィーネは僕の目を見据えた。だけど、フィーネの瞳から沢山の涙が溢れだした。
「例え、どんな事があってもアルを裏切った事には代わりはないの、だから私…ごめんなさい、ごめんさい、ごめんなさい。わ、私、取り返しのつかない事を」
フィーネはひたすらに謝っていた。そんなフィーネに僕は魅入られた。それでもフィーネは綺麗だ。どんな事があっても、フィーネはやはり美しかった。
「フィーネはどうして謝っているんだ?」
「私、馬鹿だった。アルを裏切る位なら、一緒にパーティを逃げるべきだった」
「それは結果論だよ。僕も君と二人で早く抜けるべきだったと反省している」
ホントだ。悪いのはフィーネじゃない。早くパーティを抜けなかった僕のせい、そして一番悪いのはエルヴィンだ。フィーネは何も悪くない。
「ち、違う、私、アルに釣り合う女じゃない。もう、アルの知っているフィーネはいないの、私、馬鹿だった。一番大切なものが何か、わかっていなかった」
「……」
僕は少し考えた。そして思っていた事を伝えた。
「フィーネ、君の事が好きだよ。いつまでも…」
僕は自分の心を伝えた。いつも言っていた事、そして、いつもの返事を期待した。
「わ、私も…好き…今でも…」
フィーネは顔をあげた。でも、瞳からは涙が溢れていた。でも、僕は何処か不安を感じた。
「わ、私、私、ああああああアル!」
フィーネは号泣し始めた。
「今すぐにパーティを抜けてよ。エルヴィンの処に帰っちゃダメだ」
フィーネは泣き続けた。泣き尽くしたあと、しばらく、沈黙していたが、
「シャルロッテも、一緒に…このままだとアルの妹もアイツの毒牙に…」
「ありがとう。妹の事も気にしてくれるんだね」
僕はフィーネを抱き寄せた。懐かしいフィーネの香り、フィーネの暖かみ。暖かい肌の温もり。フィーネの身体は温かく、柔らかかった
「帰ったら、シャルロッテを連れて、直ぐに僕達の宿舎に来て」
僕は優しくそう言った。フィーネがピクンと震える。
「あ、ありがとう。こんな私を許してくれて…」
フィーネが顔を上げる。潤んだ瞳は喜びに包まれている。
僕はフィーネに自分の宿舎の場所と名前を告げると、その場を別れた。
フィーネが僕の元に帰ってきてくれる。僕は久しぶりに懐かしい故郷での二人の思い出を思い出だして、笑みがこぼれた。幸せな未来を描いて、幸せな気持ちになれた。まさかそれが、幻になってしまうのだなんて夢にも思わなかった。
20
読んで頂いててありがとうございます! 第14回ファンタジー小説大賞 参加作品 投票していただけると嬉しいです! ブックマークもね!!
お気に入りに追加
2,216
あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します
あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。
異世界パルメディアは、大魔法文明時代。
だが、その時代は崩壊寸前だった。
なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。
マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。
追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。
ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。
世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。
無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。
化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。
そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。
当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。
ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

神になった私は愛され過ぎる〜神チートは自重が出来ない〜
ree
ファンタジー
古代宗教、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教…人々の信仰により生まれる神々達に見守られる世界《地球》。そんな《地球》で信仰心を欠片も持っていなかなった主人公ー桜田凛。
沢山の深い傷を負い、表情と感情が乏しくならながらも懸命に生きていたが、ある日体調を壊し呆気なく亡くなってしまった。そんな彼女に神は新たな生を与え、異世界《エルムダルム》に転生した。
異世界《エルムダルム》は地球と違い、神の存在が当たり前の世界だった。一抹の不安を抱えながらもリーンとして生きていく中でその世界の個性豊かな人々との出会いや大きな事件を解決していく中で失いかけていた心を取り戻していくまでのお話。
新たな人生は、人生ではなく神生!?
チートな能力で愛が満ち溢れた生活!
新たな神生は素敵な物語の始まり。
小説家になろう。にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる