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23後輩のパーティ加入
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僕達はようやくフランク王国の首都に到着した。数日疲れを癒して、その後、冒険者ギルド立ち寄り、情報収集を行なった。目的はリーゼの知人であるアルザス王国騎士団長とコンタクトを取るためである。
僕はそこで意外な人物と再会を果たした。
「いらしゃい。アル君、ヒルデちゃん、リーゼちゃん」
「本当に駄目な女ね。年上の癖に弟みたいな歳のアルに溺れるのだなんて…」
「リーゼちゃん。それはできれば…アル君から言って欲しい…」
「それじゃご褒美にしかならないでしょう?」
お姉さん…もしかしてドM? 発言から察するとそうだ。
「あのね。それより今日はあなた達のパーティに加入したいという入団希望者がいるの。多分戦力的には十分魅力的よ。それに私の見た感じだと、かなり良さげな人よ。会うだけでもあってみない?」
新戦力か、確かに興味がある。信頼はこれから紡げばいい。既に僕には信頼できる仲間がいる。二人共脳に故障があるみたいだけど…
「みんな、いいかな? 戦力は多いにこした事はないよね?」
「うん。それはそうね。ヒルデも祖国奪還への希望が大きくなるから賛成」
「全く、残念な下僕は更に性欲の処理係を増やそうというの? 私達だけでは満足できないのかしら? それとも厳しいお仕置きを激しく要求しているのかしら?」
いや、まだ女性と決まった訳じゃないし、僕はリーゼには指一本触れていないよね?
お姉さんにギルドの応接室に案内してもらう。流石に元首都のギルドだけあって、大きい。だが、壁や建物自体にはヒビや、火災の跡…戦いの跡が見てとれた。ここはつい最近まで戦場だったのだ。
僕は応接室の中に通されて、中で待っていた人物を見ると、驚いた。
「ア、アル先輩? アル先輩なんですか?」
「ナディヤ? ナディヤ なのか? でもどうして? 君は勇者パーティに所属しているんだろう?」
「そんな事より、どうして生きていたのに、帰ってきてくれ無かったのですか? わ、私、アル先輩が死んでしまったと思って、辛くて、辛くて…」
僕は事の顛末を説明した。
「そ、そんなエルヴィンはそこまで腐っていたのですか? いや、むしろそれ位していて当然なのかもしれませんが…」
「僕は魔王を討伐してエルヴィンの鼻をあかしてやりたい。そしてフィーネを取り戻す」
「せ、先輩…今でもフィーネさんの事を…」
「…」
ナディヤの言いたい事はわかる。フィーネはエルヴィンに汚されてしまった。辛い、吐き気がする位だ。だけど、フィーネは僕の命を守る為に…僕とフィーネは17年にも及ぶ歴史がある幼馴染同士なのだ。今更彼女を手放したくない、例え汚されてしまっていても…
僕の脳裏には子供の頃からの記憶が走馬灯の様に蘇った。子供の頃、『フィーネはアルのお嫁さんになる』そう言ってくれた。15才の時、僕はフィーネに告白をした。フィーネは泣いて喜んでくれた。
付き合い初めて3ヶ月目の時、村祭りの帰り道、河原のあぜで蛍の大群を二人で見て、感動した。そして初めてのキス。二人は将来を誓いあった。
『何があっても一緒になろうね』彼女はそう言ってくれた。
「フィーネは僕の婚約者だ。今でも…」
ナディヤは一度俯いたが、顔をあげて、
「私はそんな先輩が好きです。先輩は素敵です。私にもアル先輩のお手伝いをさせてください!」
ナディヤはそう言ってくれた。しかし、あれ?
何故か両脇からヒルデとリーゼがお互いグイグイと僕の身体を押し合い引っ張り合いする。どういう事?
「あの、アル先輩? これはどういう事ですか?」
何故かナディヤの目が生暖かい。はっ! 勘違いしている。
「ち、違うんだ、これは誤解だ!」
「何が誤解なのかしら、この下僕は…後で私の部屋に来て…従順な下僕にはご褒美の鞭をあげないとね」
「… いや、鞭はいらないかな」
「… 嘘つき、欲しがりの癖に」
リーゼお願い、これじゃ僕が特殊性癖がある人みたいに思われるじゃないか。
「あわわわわわ! アル、そんな! 今日このまま結婚式あげてすぐ夫婦になってしまおうだなんて!」
いや、ヒルデまで、誰もそんな事につながる発言はしていないよ。さっきから黙っていたと思ったら、脳内で妄想を繰り広げていたな! このムッツリめ!
「わ、私達、目と目が合うだけで心が通じ合っちゃうね! これも夫婦になったからなのね!」
だから、何もわかりあえていないから…ヒルデが一方的に現実の捏造と妄想を繰り広げているだけだから…いつ結婚したの? 僕には身に覚えがないよ。
「わ、私は、ただ、アルを励ましたかっただけで……でも。『ヒルデは運命の人、前世から定められた人、永遠に巡り合う人だなんて! だから僕は一生ヒルデを愛していく』だなんて、ア、アル! 急にいくら何でもサプライズが過ぎる!」
いや、そんな事は言ってないし。ていうかこれから誤解を解こうとしているのに、ややこしい事言うの止めて…
「だいたい事情はわかりました。先輩たちセリアの退魔団は魔族を滅ぼしたのでしたね。それはつまり、勇者パーティとなって魔王軍と戦って、武勲をたてて、貴族の位を授かって、アル先輩はフィーネさんと結婚して、この人達とも結婚する訳ですね。私はそんな事でアル先輩を軽蔑したり、1m以内に近づかないようにしたりはしません。二人ともアル先輩が大好きなようですから…」
「ち、ちがーう!? 勘違い!」
…ナディヤの誤解は解けなかった
そして、ギルドのお姉さんにリーゼからの手紙をアルザス王国騎士団長 ミュラーに届けてもらうよう依頼をすると、今日も旅の疲れを癒す事にした。
お風呂は大浴場つきだったので、大浴場を楽しんで、部屋着に着替えて自室に戻ると…ナディヤが何故かいた。何となく察した。ナディヤは悪い子ではないのだけど、ちょっとメンドクサイのである。はっきり言えばウザい。
「せんぱ~い。部屋に入る時はノックしないと駄目ですよ。乙女がいるんですよ」
「誰が乙女だ! そもそもここは僕の部屋だ。ナディヤが不法侵入しているんだろう?」
「そんな事言って、ナディヤがあられもないカッコしていたらどうするんですか?」
「なんで、ナディヤが僕の部屋であられもないカッコしているシチュエーションがあるんだ?」
「あれま!? あは☆ 秒で論破されちゃいました☆」
ホント、ウザい!?
てへへへという感じのナディヤはごろりとこちらに身体を仰向けにする。それに釣られてナディヤのたわわな二つの膨らみもゴロリとメロンが転がる様に動く。ムカつくけど、こいつ、胸でっかいし、スタイルもいいし、可愛いんだよな。ウザいけど…
ゴクリ、唾を飲み込みそうになるのをぎりぎり我慢する。コイツに女を感じた等知れたら、絶対ウザく絡まれる。そういえば、コイツ僕と二人っきりの時、いつも服の下のシャツのボタン、3つ位外しているな。絶対ワザとだよな。あざとい、そのくせ、こいつに女を感じたりするとそこをトコトンからかわれるのだ。
「ねえ、早く帰ってよ」
「まあた~☆ホントは嬉しい癖に。できるだけナディヤが長い間いた方がいいのじゃないですか? ベッドにナディヤの残り香がたくさん残るのですよ。後でクンカクンカ嗅ぐんでしょう?」
誰がそんな事するか!! ホントはナディヤのいい香りがする…でも、そんな事をしたら負けである。だから、断固、そんな事はしない。いつも、ベッドのマットレスを上下逆にして、ナディヤ要素を徹底的に排除していた。
「せーんぱーいは変態ぃー、へ・ん・た・い・せーんぱーいは変態ぃー、へ・ん・た・い 」
あのね、ナディヤ! 僕は変態じゃないよね? あれだけあれはリーゼの妄言だと説明したのに…全く、それなのに僕を変態扱いだなんて…
「ナディヤ 、僕の半径1m以内には近づかないじゃなかったの?」
「それが可愛い後輩にむかって言う事ですか? 私はいいんですよ、私に愛の告白をしても…この際、三人でも四人でも一緒でしょう?」
僕は自分がとんでも無い失敗をしたかもしれない事に今、気がついた…
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いや、まだ女性と決まった訳じゃないし、僕はリーゼには指一本触れていないよね?
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僕は応接室の中に通されて、中で待っていた人物を見ると、驚いた。
「ア、アル先輩? アル先輩なんですか?」
「ナディヤ? ナディヤ なのか? でもどうして? 君は勇者パーティに所属しているんだろう?」
「そんな事より、どうして生きていたのに、帰ってきてくれ無かったのですか? わ、私、アル先輩が死んでしまったと思って、辛くて、辛くて…」
僕は事の顛末を説明した。
「そ、そんなエルヴィンはそこまで腐っていたのですか? いや、むしろそれ位していて当然なのかもしれませんが…」
「僕は魔王を討伐してエルヴィンの鼻をあかしてやりたい。そしてフィーネを取り戻す」
「せ、先輩…今でもフィーネさんの事を…」
「…」
ナディヤの言いたい事はわかる。フィーネはエルヴィンに汚されてしまった。辛い、吐き気がする位だ。だけど、フィーネは僕の命を守る為に…僕とフィーネは17年にも及ぶ歴史がある幼馴染同士なのだ。今更彼女を手放したくない、例え汚されてしまっていても…
僕の脳裏には子供の頃からの記憶が走馬灯の様に蘇った。子供の頃、『フィーネはアルのお嫁さんになる』そう言ってくれた。15才の時、僕はフィーネに告白をした。フィーネは泣いて喜んでくれた。
付き合い初めて3ヶ月目の時、村祭りの帰り道、河原のあぜで蛍の大群を二人で見て、感動した。そして初めてのキス。二人は将来を誓いあった。
『何があっても一緒になろうね』彼女はそう言ってくれた。
「フィーネは僕の婚約者だ。今でも…」
ナディヤは一度俯いたが、顔をあげて、
「私はそんな先輩が好きです。先輩は素敵です。私にもアル先輩のお手伝いをさせてください!」
ナディヤはそう言ってくれた。しかし、あれ?
何故か両脇からヒルデとリーゼがお互いグイグイと僕の身体を押し合い引っ張り合いする。どういう事?
「あの、アル先輩? これはどういう事ですか?」
何故かナディヤの目が生暖かい。はっ! 勘違いしている。
「ち、違うんだ、これは誤解だ!」
「何が誤解なのかしら、この下僕は…後で私の部屋に来て…従順な下僕にはご褒美の鞭をあげないとね」
「… いや、鞭はいらないかな」
「… 嘘つき、欲しがりの癖に」
リーゼお願い、これじゃ僕が特殊性癖がある人みたいに思われるじゃないか。
「あわわわわわ! アル、そんな! 今日このまま結婚式あげてすぐ夫婦になってしまおうだなんて!」
いや、ヒルデまで、誰もそんな事につながる発言はしていないよ。さっきから黙っていたと思ったら、脳内で妄想を繰り広げていたな! このムッツリめ!
「わ、私達、目と目が合うだけで心が通じ合っちゃうね! これも夫婦になったからなのね!」
だから、何もわかりあえていないから…ヒルデが一方的に現実の捏造と妄想を繰り広げているだけだから…いつ結婚したの? 僕には身に覚えがないよ。
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いや、そんな事は言ってないし。ていうかこれから誤解を解こうとしているのに、ややこしい事言うの止めて…
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「ち、ちがーう!? 勘違い!」
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そして、ギルドのお姉さんにリーゼからの手紙をアルザス王国騎士団長 ミュラーに届けてもらうよう依頼をすると、今日も旅の疲れを癒す事にした。
お風呂は大浴場つきだったので、大浴場を楽しんで、部屋着に着替えて自室に戻ると…ナディヤが何故かいた。何となく察した。ナディヤは悪い子ではないのだけど、ちょっとメンドクサイのである。はっきり言えばウザい。
「せんぱ~い。部屋に入る時はノックしないと駄目ですよ。乙女がいるんですよ」
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あのね、ナディヤ! 僕は変態じゃないよね? あれだけあれはリーゼの妄言だと説明したのに…全く、それなのに僕を変態扱いだなんて…
「ナディヤ 、僕の半径1m以内には近づかないじゃなかったの?」
「それが可愛い後輩にむかって言う事ですか? 私はいいんですよ、私に愛の告白をしても…この際、三人でも四人でも一緒でしょう?」
僕は自分がとんでも無い失敗をしたかもしれない事に今、気がついた…
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