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9初めての冒険は薬草取りからの魔族討伐3
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その後ダンジョンを攻略して行った。僕が魔法で魔物を弱らせてヒルデに止めを刺してもらうのを繰り返した。おかげでヒルデはレベルが40にも達した。僕のステータス10倍の強化ユニークスキルがあるから、既にレベル99の勇者より遥かに上だろう。
「魔法剣、神聖灰燼-激!!」
ヒルデが叫び、聖剣を振り下ろすとドラゴンは滅び、魔物の核、魔石とドロップアイテムが出てきた。ドロップアイテムはドラゴンの肉だった。
「ドラゴンの肉か…貴重なものだけど、調理ができないから食べられないね。お腹すいた」
「アル、お腹すいたの? それなら、お弁当にしましょうよ。作って来たの、お弁当!」
テンション上げめのヒルデの笑顔が眩しい。お腹が空いている僕には今のヒルデはまるで女神様の様に思えた。
「今、準備しますね。えっと、テーブルと椅子とランチョンマット、それにお弁当」
「えっ? 収納魔法? それにテーブルごと持って来ているの?」
「は、はい。ギルドとかでは目立ちそうなので使いませんが、ここでなら人の目もありませんので」
「そっか、便利なんだね」
ヒルデはいそいそと食事の準備をした。4人掛けのテーブルが出現したが、何故かヒルデは向かい合わせでは無く、僕の隣に座った。どういう事? 話すなら向かい合わせの方がいいよね? ヒルデも女の子だからホントはたくさんおしゃべりしたいだろうに。
ヒルデが用意してくれたお弁当を食べ始めると、
「!? この唐揚げお美味い!」
ヒルデのお弁当の唐揚げはびっくりする位美味かった。もちろん不味い唐揚げ等食べた事はなかったが、こんなに上手に味付けされた唐揚げは初めてだ。
「そ、そうですか? 美味しいですか? じゃ、私のもあげます」
そういうと、ヒルデは箸で唐揚げをつまんで、僕に差し出した。そして、
「ア、アル、はい、『あ~ん』」
僕は心臓が止まるかと思った。突然の『あ~ん』だ。それもヒルデは顔を赤らめて、明らかに凄い意を決して言っている。断った方がいいよね?
「あの、ヒルデ、できれば、『あ~ん』はご容赦頂きたいんだけど、恥ずかしいよ」
「わ、私に恥をかかせる気ですか? 泣きますよ、盛大に泣きますよ、アルが私の『あ~ん』に応えてくれなかったって、魔族に聞こえそうな位大声で!!」
魔族に見つかるだろう!
「わ、わかったから、食べるから、許して」
「うん、ありがとう、アル」
そう言うと、ヒルデは更に僕に近づき、って、近い、近すぎる! いい香りと共に凄い近距離で唐揚げを持った箸を僕の口に突っ込んだ。
もぐもぐ、
「美味しい!?」
ヒルデの『あ~ん』の効果もあって、唐揚げは最高に美味しかった。
「美味しい。ヒルデ、凄い料理上手なんだね」
「ホント? 私、朝5時起きで作ったのです! もう、アルったら私達お似合い過ぎるからだなんて! まるで、もう夫婦みたいだなんて! ここを出たら結婚しようだなんて。恥ずかしい事言わないでよ!」
いつ言った? そんな事……ヒルデは又、壊れだした。どうもヒルデは妄想癖が激しいらしい。僕との都合がいい様に脳内でかなり現実の捏造が行われる機能を有している様だ。やはり、脳神経外科への受診を勧めよう。せっかくの美少女がかなり台無しだ。ていうか、ヒルデって、かなり残念な女の子だね。
ヒルデは更に身体をねじらせてイヤンイヤンのポーズを取りだして、
「ええ!? 私の事! 運命の人って、あわわわわわわっわわ!? そんな急に、そ、そんなに急に駄目よ! イケないわ。未だ早いわ!? ちょっと待って。アル! 落ち着いて!」
いや、落ち着くべきはヒルデの方だろ? もしかしてこの子、頭のねじ全部とんでいる? やはり、救急車を呼ぶべきだろうか? しかし、どこの科を受診すべきだろう? 妄想科?
「私達、そんなにお似合いでしょうか? まぁ? どうしましょう? えへへへへ~」
いや、だから誰が言ったの? 誰もそんな事言っていないよね? これは緊急修理が必要だよね。最近の家電なら電源ON/OFFでたいてい治るけど、ヒルデに電源スイッチ、無いよね? もう殴ろう。昔のブラウン管のTVとおなじだろう。
そんな事を考えていると、突然禍々しい瘴気が渦巻いた。瘴気は濃度を増し、そして黒い霧の様なものが現れた。そして、その霧は気体から形を作り始め、そしてあの魔族の形となった。
「あなた達、いい度胸ですねぇ」
「……」
僕は無視した。折角のヒルデの『あ~ん』と唐揚げを堪能しているのに、邪魔をされたからだ。ヒルデは頬を赤く染めて、何処かに心が行っている様だった。
「無視とは酷過ぎませんでしょうかね? 最下層直前まで来ておいて、ゆっくりランチ等されたら、魔族の沽券に関わります。直ぐに殺してあげますから、覚悟してください!?」
「ちょっと待って、後にして」
僕は魔族に向かって、びしりと言ってやった。食事中だよ。常識を考えて欲しい。
「き、貴様、こんなにもふざけるのだなど!?」
「食事中だから、静かにしてください。あまりうるさいと、実力行使しますよ」
魔族はぽかんとした顔をしたが、尚も食い下がってきた。
「さては何か策があって、故意に私を怒らせる作戦ですね。そうはいきません」
「なら、静かにしていて」
「……」
意見が一致したせいか、魔族は僕達が食事をするのを待ってくれた。ヒルダからは追加の『あ~ん』を要求されて、仕方なく応じた。
魔族って、話せば判りあえるものなんだね?
「魔法剣、神聖灰燼-激!!」
ヒルデが叫び、聖剣を振り下ろすとドラゴンは滅び、魔物の核、魔石とドロップアイテムが出てきた。ドロップアイテムはドラゴンの肉だった。
「ドラゴンの肉か…貴重なものだけど、調理ができないから食べられないね。お腹すいた」
「アル、お腹すいたの? それなら、お弁当にしましょうよ。作って来たの、お弁当!」
テンション上げめのヒルデの笑顔が眩しい。お腹が空いている僕には今のヒルデはまるで女神様の様に思えた。
「今、準備しますね。えっと、テーブルと椅子とランチョンマット、それにお弁当」
「えっ? 収納魔法? それにテーブルごと持って来ているの?」
「は、はい。ギルドとかでは目立ちそうなので使いませんが、ここでなら人の目もありませんので」
「そっか、便利なんだね」
ヒルデはいそいそと食事の準備をした。4人掛けのテーブルが出現したが、何故かヒルデは向かい合わせでは無く、僕の隣に座った。どういう事? 話すなら向かい合わせの方がいいよね? ヒルデも女の子だからホントはたくさんおしゃべりしたいだろうに。
ヒルデが用意してくれたお弁当を食べ始めると、
「!? この唐揚げお美味い!」
ヒルデのお弁当の唐揚げはびっくりする位美味かった。もちろん不味い唐揚げ等食べた事はなかったが、こんなに上手に味付けされた唐揚げは初めてだ。
「そ、そうですか? 美味しいですか? じゃ、私のもあげます」
そういうと、ヒルデは箸で唐揚げをつまんで、僕に差し出した。そして、
「ア、アル、はい、『あ~ん』」
僕は心臓が止まるかと思った。突然の『あ~ん』だ。それもヒルデは顔を赤らめて、明らかに凄い意を決して言っている。断った方がいいよね?
「あの、ヒルデ、できれば、『あ~ん』はご容赦頂きたいんだけど、恥ずかしいよ」
「わ、私に恥をかかせる気ですか? 泣きますよ、盛大に泣きますよ、アルが私の『あ~ん』に応えてくれなかったって、魔族に聞こえそうな位大声で!!」
魔族に見つかるだろう!
「わ、わかったから、食べるから、許して」
「うん、ありがとう、アル」
そう言うと、ヒルデは更に僕に近づき、って、近い、近すぎる! いい香りと共に凄い近距離で唐揚げを持った箸を僕の口に突っ込んだ。
もぐもぐ、
「美味しい!?」
ヒルデの『あ~ん』の効果もあって、唐揚げは最高に美味しかった。
「美味しい。ヒルデ、凄い料理上手なんだね」
「ホント? 私、朝5時起きで作ったのです! もう、アルったら私達お似合い過ぎるからだなんて! まるで、もう夫婦みたいだなんて! ここを出たら結婚しようだなんて。恥ずかしい事言わないでよ!」
いつ言った? そんな事……ヒルデは又、壊れだした。どうもヒルデは妄想癖が激しいらしい。僕との都合がいい様に脳内でかなり現実の捏造が行われる機能を有している様だ。やはり、脳神経外科への受診を勧めよう。せっかくの美少女がかなり台無しだ。ていうか、ヒルデって、かなり残念な女の子だね。
ヒルデは更に身体をねじらせてイヤンイヤンのポーズを取りだして、
「ええ!? 私の事! 運命の人って、あわわわわわわっわわ!? そんな急に、そ、そんなに急に駄目よ! イケないわ。未だ早いわ!? ちょっと待って。アル! 落ち着いて!」
いや、落ち着くべきはヒルデの方だろ? もしかしてこの子、頭のねじ全部とんでいる? やはり、救急車を呼ぶべきだろうか? しかし、どこの科を受診すべきだろう? 妄想科?
「私達、そんなにお似合いでしょうか? まぁ? どうしましょう? えへへへへ~」
いや、だから誰が言ったの? 誰もそんな事言っていないよね? これは緊急修理が必要だよね。最近の家電なら電源ON/OFFでたいてい治るけど、ヒルデに電源スイッチ、無いよね? もう殴ろう。昔のブラウン管のTVとおなじだろう。
そんな事を考えていると、突然禍々しい瘴気が渦巻いた。瘴気は濃度を増し、そして黒い霧の様なものが現れた。そして、その霧は気体から形を作り始め、そしてあの魔族の形となった。
「あなた達、いい度胸ですねぇ」
「……」
僕は無視した。折角のヒルデの『あ~ん』と唐揚げを堪能しているのに、邪魔をされたからだ。ヒルデは頬を赤く染めて、何処かに心が行っている様だった。
「無視とは酷過ぎませんでしょうかね? 最下層直前まで来ておいて、ゆっくりランチ等されたら、魔族の沽券に関わります。直ぐに殺してあげますから、覚悟してください!?」
「ちょっと待って、後にして」
僕は魔族に向かって、びしりと言ってやった。食事中だよ。常識を考えて欲しい。
「き、貴様、こんなにもふざけるのだなど!?」
「食事中だから、静かにしてください。あまりうるさいと、実力行使しますよ」
魔族はぽかんとした顔をしたが、尚も食い下がってきた。
「さては何か策があって、故意に私を怒らせる作戦ですね。そうはいきません」
「なら、静かにしていて」
「……」
意見が一致したせいか、魔族は僕達が食事をするのを待ってくれた。ヒルダからは追加の『あ~ん』を要求されて、仕方なく応じた。
魔族って、話せば判りあえるものなんだね?
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