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42アリーは伝説の竜を退治する1
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王国騎士達の駆る駿馬の後ろにまたがり、グラキエス男爵領アルデンヌの街を脱出したアリーとソフィア。だが、午後の出立ということもあり、途中野営することになった。
アリーもソフィアも疲れてしまってすっかり寝込んでしまった。
だが。
ズシン、と地面が揺れた。
「(何か……大きなのが来るよ)」
「(アリー? 何か検知したの?)」
聖剣もまた、異変に気が付き意識を覚醒していた。
「聖剣さん、おっきなのが来るッ!?」
「どうしたの? アリー?」
「お、お姉ちゃん! おっきな何かが来るよ!」
姉のソフィアが怪訝そうな顔で妹アリーの顔を覗き込む。
彼女も目を覚ましたが、例の大きな音は聞いていないらしい。
「二人共! すぐに起きて頂戴! すぐに出立するわよ!」
ぼんやりした眼をこすると、強張った顔のラナがいた。
回りを見ると、野宿のテントの中だった。察するに周囲を警戒して寝ずの番をしていたラナが何かから逃げるために起こしに来たのだろう。
「いいこと、怯えないで冷静に行動して。今すぐここから逃げるわよ」
「一体何......?」
アリーが言い終える前に、ズシン、と更に地響きがした。
想像を絶する質量の何かが迫っていることは間違いない。
「......え? 一体?」
「お姉ちゃん。何か大きな何かがいるの!!」
抱き合う二人。だが、アリーは魔力検知の技量で、この巨大な地響きの主の正体を探った。
「(!? とかげさんだぁー! 大きいけどただのトカゲさんだよ)」
「(形までわかるのかい? アリー?)」
「(うん、大きいから魔素の反応の形でわかるの)」
アリーは無自覚だが、魔力検出能力が格段上がっていた。
単に大きいから形までわかった訳ではない、検知能力の分解能力があがったからわかったのだ。だが、トカゲということは?
「お姉ちゃん、安心して、大して強い魔物とかじゃないよ」
「? アリー? なんでそんなことわかるの?」
二人の姉妹のやり取りに時間がないラナは二人を制して急かせた。
「ソフィア、アリー。近くに……何かがいる。この場から急いで逃げて。大丈夫。私達は後から追いつくから」
聖剣は、それが死を覚悟した人の目だと確信した。
「本当に後から?」
「準備しながら話すわ。急いで」
ラナが一方的に決断するとエイルとヘリヤも武装して現れた。
「ラナ様。先に我らが参ります」
「そうです。ラナ様は---」
ヘリヤが最後まで言わぬうちにラナが騎士の証である胸の紋章に掌を当てた。
「騎士が何のためにあるか、それを改めて私に言わせる気か?」
「......失礼しました。ラナ様」
「いい、それより、この二人を逃がす時間を作る」
「はい。わかりましたラナ様」
ラナと二人の騎士が目で合図しあうと、三人がアリー達に目を向けた。「さあ、二人は準備でき次第ここから離れるのよ。急いでね」
「は、はい。わかりました」
「ふぁい。早く来て下さい」
何となく事態を察したソフィアに対して、理解が不十分なアリー。
ラナ達がその場を去って、とかげ、いや、大型のドラゴンに向かって行った。
身なりを整えると、ソフィアが言い出した。
「アリー。騎士様達を援護しに行くわよ」
「え?」
「いい事、アリー。騎士様達は身を挺して私達を逃がす気よ。でも、この場を逃れても、王都まで無事に着く保証はない。いいわね?」
「う、うん。そもそも、迷子になるね」
それはアリーだけだろうと聖剣は心の中で突っ込むが安堵した。
正直、アリーに迎撃に行かせる気だったが、ソフィアをどうしたものか悩んでいた。下手に離れていると他の魔物に襲われる可能性がある。
騎士と同行した方が安全だ。ドラゴン退治はアリーの十八番だ。
「行くわよ」
こうして、二人もラナ達を追った。
木々の切れ間から、禍々しい真っ黒なドラゴンの頭が月明かりに照らされていた。
『ッ!?』
聖剣は焦った。何故なら、それは伝説の呪われた黒竜王だったからだ。
『まずい。ただの黒竜ならまだしも、今のアリーでは呪われた竜に勝ち目は薄い!』
そのときだった。
天に向かって咆哮すると、突然呪われた黒竜王がぐるりと首を曲げて、アリーを睨みつけた。
たまたま上を見上げたアリーとばっちり目線が合ってしまった。
「(えへッ♡)」
「(かわい子ぶってる場合?)」
聖剣は焦るが、アリーは相手をおっきなとかげとしか認識していない。
そして、黒竜王が背中を発光させ、大きな口から大量の黒煙と真っ赤な炎の熱塊が見えた。
「アリーッ! ソフィアッ!」
ラナが叫ぶと同時に、黒竜王の口からが熱塊が吐き出された。
目標はアリーとソフィアへだ。
アリーはすぐさま氷の結晶の防御壁を形成する。
神装のドレスと虚数空間に隠しているユグドラシルの杖の補正によって膨大な魔力となっている防御壁。
「アリーッ、やめなさい!」
ラナ達がアリーとソフィアが戦場に来てしまったことに気が付いて、二人を守ろうと走る。女騎士二人も続く。
「(みんななんで……必死?)」
「(アリー。あれはドラゴンだ。それも呪われた黒竜王)」
「ひぃッ!?」
思わず悲鳴を上げるアリーに向けて、黒竜王の熱塊がアリーへ一直線に飛んで来た。
逆巻く魔力の翻弄が周囲の木々を根こそぎ倒し、宙に舞い、地面をえぐりとって、氷の防御壁に直撃した。
「(……クッ!)」
「(大丈夫? アリー?)」
黒竜王の熱塊の魔力がアリーの防御壁にドンドン吸収されるが、あまりにも巨大なエネルギーはアリー達の後ろの地面をめくりあげ、膨大な粉塵を巻き散らした。
そして、更に熱塊を放射し続ける。
「(……ダメ! これ以上は無理!)」
とうとう、アリーの防御壁に亀裂が入り、熱塊がアリー達を飲み込んだ。......かに見えた。
「......え?」
「私にもできた」
アリーの目の前には金色に光る、光の壁が形成されていた。
「(これは光属性の防御壁!)」
「こ、これって、お姉ちゃんが?」
なんと、ソフィアが光属性の魔法である最強の防御壁を出現させていた。......無詠唱で。
熱塊は光の壁に阻まれ、軌道を逸れて、宙に飛んで行った。
その時。
「真・魔燼剣!」
ラナの放った魔法剣士唯一の遠距離攻撃手段である武技を放った。
剣から氷の魔力がのった一陣の光線が竜の頭に直撃する。
「......グぁ!」
かなり効いたのか、のけぞる黒竜王。
それにエイルとヘリヤの武技もたて続けに直撃する。
一瞬の隙を見逃す彼女らではなかった。
アリーもソフィアも疲れてしまってすっかり寝込んでしまった。
だが。
ズシン、と地面が揺れた。
「(何か……大きなのが来るよ)」
「(アリー? 何か検知したの?)」
聖剣もまた、異変に気が付き意識を覚醒していた。
「聖剣さん、おっきなのが来るッ!?」
「どうしたの? アリー?」
「お、お姉ちゃん! おっきな何かが来るよ!」
姉のソフィアが怪訝そうな顔で妹アリーの顔を覗き込む。
彼女も目を覚ましたが、例の大きな音は聞いていないらしい。
「二人共! すぐに起きて頂戴! すぐに出立するわよ!」
ぼんやりした眼をこすると、強張った顔のラナがいた。
回りを見ると、野宿のテントの中だった。察するに周囲を警戒して寝ずの番をしていたラナが何かから逃げるために起こしに来たのだろう。
「いいこと、怯えないで冷静に行動して。今すぐここから逃げるわよ」
「一体何......?」
アリーが言い終える前に、ズシン、と更に地響きがした。
想像を絶する質量の何かが迫っていることは間違いない。
「......え? 一体?」
「お姉ちゃん。何か大きな何かがいるの!!」
抱き合う二人。だが、アリーは魔力検知の技量で、この巨大な地響きの主の正体を探った。
「(!? とかげさんだぁー! 大きいけどただのトカゲさんだよ)」
「(形までわかるのかい? アリー?)」
「(うん、大きいから魔素の反応の形でわかるの)」
アリーは無自覚だが、魔力検出能力が格段上がっていた。
単に大きいから形までわかった訳ではない、検知能力の分解能力があがったからわかったのだ。だが、トカゲということは?
「お姉ちゃん、安心して、大して強い魔物とかじゃないよ」
「? アリー? なんでそんなことわかるの?」
二人の姉妹のやり取りに時間がないラナは二人を制して急かせた。
「ソフィア、アリー。近くに……何かがいる。この場から急いで逃げて。大丈夫。私達は後から追いつくから」
聖剣は、それが死を覚悟した人の目だと確信した。
「本当に後から?」
「準備しながら話すわ。急いで」
ラナが一方的に決断するとエイルとヘリヤも武装して現れた。
「ラナ様。先に我らが参ります」
「そうです。ラナ様は---」
ヘリヤが最後まで言わぬうちにラナが騎士の証である胸の紋章に掌を当てた。
「騎士が何のためにあるか、それを改めて私に言わせる気か?」
「......失礼しました。ラナ様」
「いい、それより、この二人を逃がす時間を作る」
「はい。わかりましたラナ様」
ラナと二人の騎士が目で合図しあうと、三人がアリー達に目を向けた。「さあ、二人は準備でき次第ここから離れるのよ。急いでね」
「は、はい。わかりました」
「ふぁい。早く来て下さい」
何となく事態を察したソフィアに対して、理解が不十分なアリー。
ラナ達がその場を去って、とかげ、いや、大型のドラゴンに向かって行った。
身なりを整えると、ソフィアが言い出した。
「アリー。騎士様達を援護しに行くわよ」
「え?」
「いい事、アリー。騎士様達は身を挺して私達を逃がす気よ。でも、この場を逃れても、王都まで無事に着く保証はない。いいわね?」
「う、うん。そもそも、迷子になるね」
それはアリーだけだろうと聖剣は心の中で突っ込むが安堵した。
正直、アリーに迎撃に行かせる気だったが、ソフィアをどうしたものか悩んでいた。下手に離れていると他の魔物に襲われる可能性がある。
騎士と同行した方が安全だ。ドラゴン退治はアリーの十八番だ。
「行くわよ」
こうして、二人もラナ達を追った。
木々の切れ間から、禍々しい真っ黒なドラゴンの頭が月明かりに照らされていた。
『ッ!?』
聖剣は焦った。何故なら、それは伝説の呪われた黒竜王だったからだ。
『まずい。ただの黒竜ならまだしも、今のアリーでは呪われた竜に勝ち目は薄い!』
そのときだった。
天に向かって咆哮すると、突然呪われた黒竜王がぐるりと首を曲げて、アリーを睨みつけた。
たまたま上を見上げたアリーとばっちり目線が合ってしまった。
「(えへッ♡)」
「(かわい子ぶってる場合?)」
聖剣は焦るが、アリーは相手をおっきなとかげとしか認識していない。
そして、黒竜王が背中を発光させ、大きな口から大量の黒煙と真っ赤な炎の熱塊が見えた。
「アリーッ! ソフィアッ!」
ラナが叫ぶと同時に、黒竜王の口からが熱塊が吐き出された。
目標はアリーとソフィアへだ。
アリーはすぐさま氷の結晶の防御壁を形成する。
神装のドレスと虚数空間に隠しているユグドラシルの杖の補正によって膨大な魔力となっている防御壁。
「アリーッ、やめなさい!」
ラナ達がアリーとソフィアが戦場に来てしまったことに気が付いて、二人を守ろうと走る。女騎士二人も続く。
「(みんななんで……必死?)」
「(アリー。あれはドラゴンだ。それも呪われた黒竜王)」
「ひぃッ!?」
思わず悲鳴を上げるアリーに向けて、黒竜王の熱塊がアリーへ一直線に飛んで来た。
逆巻く魔力の翻弄が周囲の木々を根こそぎ倒し、宙に舞い、地面をえぐりとって、氷の防御壁に直撃した。
「(……クッ!)」
「(大丈夫? アリー?)」
黒竜王の熱塊の魔力がアリーの防御壁にドンドン吸収されるが、あまりにも巨大なエネルギーはアリー達の後ろの地面をめくりあげ、膨大な粉塵を巻き散らした。
そして、更に熱塊を放射し続ける。
「(……ダメ! これ以上は無理!)」
とうとう、アリーの防御壁に亀裂が入り、熱塊がアリー達を飲み込んだ。......かに見えた。
「......え?」
「私にもできた」
アリーの目の前には金色に光る、光の壁が形成されていた。
「(これは光属性の防御壁!)」
「こ、これって、お姉ちゃんが?」
なんと、ソフィアが光属性の魔法である最強の防御壁を出現させていた。......無詠唱で。
熱塊は光の壁に阻まれ、軌道を逸れて、宙に飛んで行った。
その時。
「真・魔燼剣!」
ラナの放った魔法剣士唯一の遠距離攻撃手段である武技を放った。
剣から氷の魔力がのった一陣の光線が竜の頭に直撃する。
「......グぁ!」
かなり効いたのか、のけぞる黒竜王。
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