39 / 51
39グラキエス家はアリーとソフィアを引き留めたい
しおりを挟む
「ラナ様、ようやく追いつきました!」
「もう、ラナ様の駿馬は早すぎます!」
冒険者ギルドに入って来るなり、開口一番にラナへの抗議なのか賛美なのかわからない不平をこぼす一目で騎士とわかる若い女性二人。
「あら? ようやく追いついたのね、エイル、ヘリヤ」
「もう、いくら急ぎの試験だからといって、私達を置いてくなんて!」
「そうです。万が一ラナ様に何かございましたら、ラナ様のお父様に合わせる顔がございません」
どうやらラナ旗下の騎士らしい。それも二人そろって気品ある顔立ち。おそらくラナと同様貴族出身の騎士だろう。
「(なんか弱そうな人達が来たね)」
「(......アリー。君、失礼の度合いが加速してるね)」
「(もう、魔剣さん、そんなに褒めないで♡)」
『はあ』
聖剣は一人ため息をつく。どこまでも良くわからないアリー。
どうも、失礼になることは魔王へ近づくことだとでも思ってるのだと推測した。
「まあ、そんなことより紹介しよう。この二人が今年最初の合格者だ」
「ソフィア・グラキエスです」
「ア、アリー・グラキエスれす」
ソフィアがそつなく挨拶すると、慌ててアリーも挨拶する。ついでに、やはり噛んだ。
「まあ、可愛らしい!」
「姉妹なのね。手を繋ぐなんて、仲良しなのね」
二人の騎士は顔をほころばせた、だが。
「あら? どうやら、あなた達以外の訪問者も来たようね」
「え?」
「お、お母さま!」
試験の為か、ギルドは閑散としていたが、次々と訪問者がやって来る冒険者ギルド。
「(なんでお母様が? 今は東の砂漠でサンドワームを討伐してたんじゃ?)」
「(あれ、君たちのお母さんなの? 嘘だろ?)」
聖剣がアリーとソフィアの母親を見て驚くのも無理はない。
アリーもソフィアも美形である。性格が最悪のエリザベスですら、黙って微笑んでいれば美少女の類に入る。
しかし、三人の母親は......
「なんで、ここにゴリラが?」
「エイル! 失礼を謝罪しなさい!」
「そうよエイル! 良く見ないと判別しがたいけど、これ、人よ!」
いや、ヘリヤの言っていることの方がもっと失礼だ。ラナは流石にこの失礼への謝罪をエイルに促したが、台無しだ。
「......ほほほほ。誰がゴリラですって?」
他に誰が? と一同、内心思っていることは間違いないが、誰も口に出さない。
「(魔物だ! ゴリラの魔物になったぁ!)」
「(アリー、君、実の母親に酷くない?)」
「部下の失言をお許し下さい。おそらく何かの勘違いの発言かと」
素直に謝罪するラナ。二人の部下に話されるとかえってこじれると思ったのだろう。
「失言? それはつまり、私がゴリラ顔だという失言があったと認めてる訳よね? お人形さんみたいな騎士様?」
「ラナと申します。イニティウム家の三女です。どうか、部下の無礼をお許しください」
イニティウム家の名前を出して牽制するラナ。普通、男爵家風情であれば黙るよりない。
しかし。
「イニティウム家の三女......ということは、あの勘当された娘という理解で宜しいですか?」
「グッ!!」
どうやら、ラナは意に沿わない相手と結婚を拒んで、魔法学園に入学、騎士になれたものの、実家からは勘当されたらしい。
「いえ、それは表向きであって、本当はラナ様のお父様も勘当なんてしたくないんです! ただ、元婚約者の公爵家への体裁からそうなっているだけです!」
「そうです。ラナ様は今でも実家にお戻りになり、お父様や家族の方と楽しく過ごしておられます!」
ラナ旗下の騎士、エイル、ヘリヤは釈明する。どうやら、ラナは実家と完全に仲たがいしている訳ではないようだ。しかし、それで問題は解決しなかった。
「つまり、そこのお人形さんに何か問題が生じてもイニティウム家は何もできないということよね?」
「流石お母様! 頭いい! 私、この人に年齢をバカにされたのよ! 酷いのよ! 女の子の年齢を理由に馬鹿にするなんて!」
「お、お前、本当に大丈夫なのか?」
ゴリラの他に長女のエリザベスや父親ジャックも姿を現した。
それにしても、この男爵家一同はバカである。イニティウム家が公式にラナを守ることはできなくとも、僅かな意図をほのめかせば、忖度する貴族や商人、役人は大勢いる。ラナがイニティウム家から見捨てられている訳でなければ、男爵家風情など、簡単に詰んでしまう。ある意味、父親のジャックが一番まともだった。
「私はただ、エリザベス嬢の年齢が魔法学園特待生試験の受験資格がないという事実をお伝えしただけです。失礼と感じましたら、それはお詫びしますが、事務的な問題でした」
「う、嘘よー! この女、絶対悪意をもってやったのよ! ちょっと挑発しただけなのに!」
挑発しといたなら、自業自得だと聖剣は呆れていたが、長女は更にエスカレートした。
「だいたい、私を差し置いてこの役立たずの二人が王都の魔法学園にぃ! 最高学府の魔法学園に行くなんて許せないわぁ! 【汝は炎、我が敵を打ち砕く燃え盛る炎。我が敵を打ち砕く刃なり。ファイヤーアロー!】」
エリザベスが突然ラナ目がけて省略魔法の炎の魔法を放ったので、聖剣が動いた。
「え?」
「は?」
「な!」
アリーは咄嗟に氷の魔法を聖剣に付与していた。
聖剣でエリザベスのファイヤーアローを断ち切る。
「これで理解できましたね?」
ラナは口調を強めて更に続ける。
「ソフィア嬢もアリー嬢も立派な魔法使いです。これから魔法学院で研鑽を積み、わが国に大きく貢献をするでしょう。お二人は、私が責任を持って王都へお連れいたします」
しかし、アリーの母親、ゴリラは黙っていなかった。
目を剥き、大声で怒鳴った。
「ならいっそうソフィアとアリーは渡せないわ! そいつらは我が家のモノよ! 我が家の財産の価値が上がったのに、おめおめと渡すとでも思うか! 絶対に渡さないわ! 二人はより良い縁談をまとめて金に換えるのよ!」
アリーの母親、ゴリラ、もとい、リラゴ ・グラキエスは剣を抜き、ラナに斬りかかった。
「(ラナさんが!)」
「(任せて!)」
ラナも応戦しようとするが、剣を抜く前にS級冒険者でもあるリラゴの振るった剣がラナの脇腹をとらえたかに見えた。
が、アリーの聖剣が一足早く、リラゴの剣を受け止める。
「なにっ……!!」
「……」
アリーは無言だが、珍しく表情が変わっていた。そう、怒りの表情を露わにしたのだ。
「もう、ラナ様の駿馬は早すぎます!」
冒険者ギルドに入って来るなり、開口一番にラナへの抗議なのか賛美なのかわからない不平をこぼす一目で騎士とわかる若い女性二人。
「あら? ようやく追いついたのね、エイル、ヘリヤ」
「もう、いくら急ぎの試験だからといって、私達を置いてくなんて!」
「そうです。万が一ラナ様に何かございましたら、ラナ様のお父様に合わせる顔がございません」
どうやらラナ旗下の騎士らしい。それも二人そろって気品ある顔立ち。おそらくラナと同様貴族出身の騎士だろう。
「(なんか弱そうな人達が来たね)」
「(......アリー。君、失礼の度合いが加速してるね)」
「(もう、魔剣さん、そんなに褒めないで♡)」
『はあ』
聖剣は一人ため息をつく。どこまでも良くわからないアリー。
どうも、失礼になることは魔王へ近づくことだとでも思ってるのだと推測した。
「まあ、そんなことより紹介しよう。この二人が今年最初の合格者だ」
「ソフィア・グラキエスです」
「ア、アリー・グラキエスれす」
ソフィアがそつなく挨拶すると、慌ててアリーも挨拶する。ついでに、やはり噛んだ。
「まあ、可愛らしい!」
「姉妹なのね。手を繋ぐなんて、仲良しなのね」
二人の騎士は顔をほころばせた、だが。
「あら? どうやら、あなた達以外の訪問者も来たようね」
「え?」
「お、お母さま!」
試験の為か、ギルドは閑散としていたが、次々と訪問者がやって来る冒険者ギルド。
「(なんでお母様が? 今は東の砂漠でサンドワームを討伐してたんじゃ?)」
「(あれ、君たちのお母さんなの? 嘘だろ?)」
聖剣がアリーとソフィアの母親を見て驚くのも無理はない。
アリーもソフィアも美形である。性格が最悪のエリザベスですら、黙って微笑んでいれば美少女の類に入る。
しかし、三人の母親は......
「なんで、ここにゴリラが?」
「エイル! 失礼を謝罪しなさい!」
「そうよエイル! 良く見ないと判別しがたいけど、これ、人よ!」
いや、ヘリヤの言っていることの方がもっと失礼だ。ラナは流石にこの失礼への謝罪をエイルに促したが、台無しだ。
「......ほほほほ。誰がゴリラですって?」
他に誰が? と一同、内心思っていることは間違いないが、誰も口に出さない。
「(魔物だ! ゴリラの魔物になったぁ!)」
「(アリー、君、実の母親に酷くない?)」
「部下の失言をお許し下さい。おそらく何かの勘違いの発言かと」
素直に謝罪するラナ。二人の部下に話されるとかえってこじれると思ったのだろう。
「失言? それはつまり、私がゴリラ顔だという失言があったと認めてる訳よね? お人形さんみたいな騎士様?」
「ラナと申します。イニティウム家の三女です。どうか、部下の無礼をお許しください」
イニティウム家の名前を出して牽制するラナ。普通、男爵家風情であれば黙るよりない。
しかし。
「イニティウム家の三女......ということは、あの勘当された娘という理解で宜しいですか?」
「グッ!!」
どうやら、ラナは意に沿わない相手と結婚を拒んで、魔法学園に入学、騎士になれたものの、実家からは勘当されたらしい。
「いえ、それは表向きであって、本当はラナ様のお父様も勘当なんてしたくないんです! ただ、元婚約者の公爵家への体裁からそうなっているだけです!」
「そうです。ラナ様は今でも実家にお戻りになり、お父様や家族の方と楽しく過ごしておられます!」
ラナ旗下の騎士、エイル、ヘリヤは釈明する。どうやら、ラナは実家と完全に仲たがいしている訳ではないようだ。しかし、それで問題は解決しなかった。
「つまり、そこのお人形さんに何か問題が生じてもイニティウム家は何もできないということよね?」
「流石お母様! 頭いい! 私、この人に年齢をバカにされたのよ! 酷いのよ! 女の子の年齢を理由に馬鹿にするなんて!」
「お、お前、本当に大丈夫なのか?」
ゴリラの他に長女のエリザベスや父親ジャックも姿を現した。
それにしても、この男爵家一同はバカである。イニティウム家が公式にラナを守ることはできなくとも、僅かな意図をほのめかせば、忖度する貴族や商人、役人は大勢いる。ラナがイニティウム家から見捨てられている訳でなければ、男爵家風情など、簡単に詰んでしまう。ある意味、父親のジャックが一番まともだった。
「私はただ、エリザベス嬢の年齢が魔法学園特待生試験の受験資格がないという事実をお伝えしただけです。失礼と感じましたら、それはお詫びしますが、事務的な問題でした」
「う、嘘よー! この女、絶対悪意をもってやったのよ! ちょっと挑発しただけなのに!」
挑発しといたなら、自業自得だと聖剣は呆れていたが、長女は更にエスカレートした。
「だいたい、私を差し置いてこの役立たずの二人が王都の魔法学園にぃ! 最高学府の魔法学園に行くなんて許せないわぁ! 【汝は炎、我が敵を打ち砕く燃え盛る炎。我が敵を打ち砕く刃なり。ファイヤーアロー!】」
エリザベスが突然ラナ目がけて省略魔法の炎の魔法を放ったので、聖剣が動いた。
「え?」
「は?」
「な!」
アリーは咄嗟に氷の魔法を聖剣に付与していた。
聖剣でエリザベスのファイヤーアローを断ち切る。
「これで理解できましたね?」
ラナは口調を強めて更に続ける。
「ソフィア嬢もアリー嬢も立派な魔法使いです。これから魔法学院で研鑽を積み、わが国に大きく貢献をするでしょう。お二人は、私が責任を持って王都へお連れいたします」
しかし、アリーの母親、ゴリラは黙っていなかった。
目を剥き、大声で怒鳴った。
「ならいっそうソフィアとアリーは渡せないわ! そいつらは我が家のモノよ! 我が家の財産の価値が上がったのに、おめおめと渡すとでも思うか! 絶対に渡さないわ! 二人はより良い縁談をまとめて金に換えるのよ!」
アリーの母親、ゴリラ、もとい、リラゴ ・グラキエスは剣を抜き、ラナに斬りかかった。
「(ラナさんが!)」
「(任せて!)」
ラナも応戦しようとするが、剣を抜く前にS級冒険者でもあるリラゴの振るった剣がラナの脇腹をとらえたかに見えた。
が、アリーの聖剣が一足早く、リラゴの剣を受け止める。
「なにっ……!!」
「……」
アリーは無言だが、珍しく表情が変わっていた。そう、怒りの表情を露わにしたのだ。
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
その聖女、娼婦につき ~何もかもが遅すぎた~
ノ木瀬 優
恋愛
卒業パーティーにて、ライル王太子は、レイチェルに婚約破棄を突き付ける。それを受けたレイチェルは……。
「――あー、はい。もう、そういうのいいです。もうどうしようもないので」
あっけらかんとそう言い放った。実は、この国の聖女システムには、ある秘密が隠されていたのだ。
思い付きで書いてみました。全2話、本日中に完結予定です。
設定ガバガバなところもありますが、気楽に楽しんで頂けたら幸いです。
R15は保険ですので、安心してお楽しみ下さい。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載。
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
元聖女だった少女は我が道を往く
春の小径
ファンタジー
突然入ってきた王子や取り巻きたちに聖室を荒らされた。
彼らは先代聖女様の棺を蹴り倒し、聖石まで蹴り倒した。
「聖女は必要がない」と言われた新たな聖女になるはずだったわたし。
その言葉は取り返しのつかない事態を招く。
でも、もうわたしには関係ない。
だって神に見捨てられたこの世界に聖女は二度と現れない。
わたしが聖女となることもない。
─── それは誓約だったから
☆これは聖女物ではありません
☆他社でも公開はじめました
聖女業に飽きて喫茶店開いたんだけど、追放を言い渡されたので辺境に移り住みます!【完結】
青緑
ファンタジー
聖女が喫茶店を開くけど、追放されて辺境に移り住んだ物語と、聖女のいない王都。
———————————————
物語内のノーラとデイジーは同一人物です。
王都の小話は追記予定。
修正を入れることがあるかもしれませんが、作品・物語自体は完結です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる