35 / 51
35ソフィアは受験する
しおりを挟む
エリザベスの顔が女の子がしてはいけない顔になってしまっているが、天然なアリーはつい言ってしまった。
「エリザベスお姉様、特待生試験を正式に受験すればいいだけではないれすか?」
「そ、そうよね! アリー! あなたにしては良く言ったわ!」
「えへへ」
「......もう、アリーったら」
何故かソフィアが困った顔をする。
「あなたも試験を受けますか? 金貨1枚としかるべき魔法関係者の推薦があれば受験は可能ですよ」
「ほ、本当ですか? お父様! 推薦状はお願いね! ハワード男爵へはアリーでも押し付ければいいわ。だって、絶対落ちるんですもの!」
助け船を出したアリーに対して随分ないいようである。とにかくエリザベスは色々あれだった。ちなみに彼女が何度も魔法学園の試験に落ちるのは筆記試験の点数と面接で失礼な発言が目立ったためだった。
「失礼ですが、エリザベス嬢のご年齢は?」
「年齢? 関係がありますの?」
「関係あります。ご年齢はおいつくですか?」
「……今年で十九ですわ」
ラナは沈痛な面持ちになると、ため息を吐くような声で伝えた。
「受験資格がございません。王立魔法学園・特待生試験は十五歳から十八歳までが条件となっております」
「な……な……なぁっ!」
「(ひぃぃぃぃっ! 顔が化け物っ!!) 」
アリーはエリザベスが人間がしてはいけない顔になっているのを見てビビッていた。
「ではソフィア嬢、アリー嬢、冒険者ギルドに案内してちょうだい」
「かしこまりました。それでは、失礼します」
ソフィアがラナをエスコートして、アリーも後からついて行く。
「アリーッ! よくも恥をかかせてくれたわね!」
「(ひぃ! 般若にロックオンされたぁ!)」
自業自得だが、アリーは般若、もとい長女のエリザベスにこれでもかと睨みつけられた。
ソフィア、ラナ、アリーが白馬を連れて冒険者ギルドに向かって歩いて行った。
グラキエス家を離れて行くアリーにエリザベスが罵声浴びせかける。
「アリー! 試験に落ちたら、ハワード男爵に嫁がせるからね! あなたにはお似合いよ! ちなみにハワード男爵は今年で60歳になるけど絶倫だそうよ! 魔力0のハズレスキルのあなたにはそれでもいい待遇よ! いいざまだわ! ギャハハハハッ!」
「アリー嬢の合格は七賢人が一人、氷の魔術師ウィリアム・アクア様の推薦状があることから、ほぼ確定事項です。エリザベス嬢も試験を......失礼......年齢が無理でしたね」
「……なんですってぇぇぇぇぇ!!」
騎士ラナも流石にアレな長女エリザベスに腹がたったのか、かなり辛辣だ。
地獄の底から聞こえて来る系の声を出すエリザベス。
「(だめだ……エリザベスお姉様が魔人化している……多分)」
そんな顔になってる長女。流石に父親のジャックでさえ、愛娘から目を背けている。
赤子がいたら泣き出してしまうこと、間違いない。
「(ひいいぃぃっ! これ以上機嫌悪くなったら、こ、殺されるよ! ラナさん止めてぇ)」
「(きっかけは君だから、ラナさんの責任じゃないよ。ちゃんと責任とって、ちょっと痛い目にあったら? 君、無自覚でも、人を傷つけるのは良くないよ)」
聖剣がアリーに突っ込む。流石に黙ってられなくなったのである。彼の心の中はこうである。
『どうしよう。アリーをいじるの面白過ぎる』
アリーの願いもむなしく、エリザベスは般若の形相に、奥歯を噛んでいるのか、奥歯が砕けそうな音がギリギリと聞こえて来る。
「(ああ、これはあかんやつだ)」
アリーは一人、覚悟を決めた。刺される。そう確信した。
こうしてアリー達は長い間住んでいたグラキエス家を離れて行った。
気が付くと、姉のソフィアが手を繋いでくれていた。ソフィアの手のぬくもりを感じ、恵まれていなかった過去を振り返る。
古い屋敷、散々古代書を読み漁ったアリーの粗末な屋根裏部屋。……それらがもうすぐ遠い記憶になる。
「(さよなら私のおうち......みんなで......一緒にご飯を食べたかったなぁ)」
最後まで叶わなかった夢を諦めたアリーは再び自分の実家を振り返った。
すると、見たくもない長女が般若の形相で追いかけてきた。
「アリー! 死ねぇぇええええええ」
「(うう、最後に家族からかけられた言葉がこれって、私って......)」
「(自業自得だよ)」
「(聖剣さん。酷い)」
「(......アリー)」
アリーがいつものように自分のことを魔剣と煽らないことで、本当にアリーが傷ついていると悟ると、聖剣は沈黙した。
ソフィアは治癒魔法クラスが希望だ。
試験は「治癒魔法実技」、「筆記試験」、「面接」が行われる。
みな難問であり、本格的に人材を求めるものだ。
――数時間が経過した。
「ソフィア・グラキエス嬢の試験結果を伝えます」
「……はい」
ソフィアの周りは空気が張りつめる感じがした。当然である。エリザベスは怒りのあまりソフィアのことを失念していたが、合格すれば王都の魔法学園特待生、将来も約束される。一方、落ちればハワード男爵の妻は……運命の瞬間であった。
「筆記試験満点。実技満点。面接、優。よって、試験は合格です!」
「……ッ!」
ソフィアの大きな目から涙がこぼれる。歓喜の涙だ。
「おめでとう、ソフィア嬢。過去最高得点での合格よ。特に、筆記試験が満点なんて……。あなたは主席入学よ」
「……ありがとう……ございます……!」
「キルクルス先生のおっしゃった通りだわ。あなたのような素晴らしい人物に出逢えて、嬉し...いです」
「そんな……こちらこそ光栄です……」
ソフィアはこれまでの閉鎖的な実家、横暴な長女、領地経営もできず、娘を売り飛ばして金を工面しようとする父親。それで学校を退学させられて60歳の金持ちのじじいに嫁がされそうだった身の上から解放されたことに喜びを感じていた。
「ハワード男爵と言えば王都まで噂が聞こえるひひじじいよ。それに、あなたのお姉さん、失礼だけど、性格がちょっとアレね。私の姉にそっくり」
「ラナさんも?」
「ええ、私も同じ境遇だったわ。凄く年上の見たこともない婚約者を作られそうになったし、あなたのお姉さんとそっくりな私の姉。ああいう人達を相手にするのは......いばらの道ね。今までよく頑張ったわね」
「アリーが、アリーが一緒だったので……耐えることができました」
「妹さんに感謝ね。私にもこんな可愛い妹がいたら......さあ、次はアリーさんの試験よ。七賢人が一人になる人物の試験官となれたことに感謝するわ。あなたはこれから出発するのよ。実家に帰ってはダメよ。多分、二度と帰ることはないわ。でも、あなたの未来は輝いているわ。これから自分のため、我が国のために精進して立派な大人になってくれることを切に願うわ」
「......はい!」
こうしてソフィアは合格し、後はアリーの形ばかりの試験が行われるだけとなった。
だが、二人共忘れていた。......グラキエス家には最も性格がアレな母親がいることを。
「エリザベスお姉様、特待生試験を正式に受験すればいいだけではないれすか?」
「そ、そうよね! アリー! あなたにしては良く言ったわ!」
「えへへ」
「......もう、アリーったら」
何故かソフィアが困った顔をする。
「あなたも試験を受けますか? 金貨1枚としかるべき魔法関係者の推薦があれば受験は可能ですよ」
「ほ、本当ですか? お父様! 推薦状はお願いね! ハワード男爵へはアリーでも押し付ければいいわ。だって、絶対落ちるんですもの!」
助け船を出したアリーに対して随分ないいようである。とにかくエリザベスは色々あれだった。ちなみに彼女が何度も魔法学園の試験に落ちるのは筆記試験の点数と面接で失礼な発言が目立ったためだった。
「失礼ですが、エリザベス嬢のご年齢は?」
「年齢? 関係がありますの?」
「関係あります。ご年齢はおいつくですか?」
「……今年で十九ですわ」
ラナは沈痛な面持ちになると、ため息を吐くような声で伝えた。
「受験資格がございません。王立魔法学園・特待生試験は十五歳から十八歳までが条件となっております」
「な……な……なぁっ!」
「(ひぃぃぃぃっ! 顔が化け物っ!!) 」
アリーはエリザベスが人間がしてはいけない顔になっているのを見てビビッていた。
「ではソフィア嬢、アリー嬢、冒険者ギルドに案内してちょうだい」
「かしこまりました。それでは、失礼します」
ソフィアがラナをエスコートして、アリーも後からついて行く。
「アリーッ! よくも恥をかかせてくれたわね!」
「(ひぃ! 般若にロックオンされたぁ!)」
自業自得だが、アリーは般若、もとい長女のエリザベスにこれでもかと睨みつけられた。
ソフィア、ラナ、アリーが白馬を連れて冒険者ギルドに向かって歩いて行った。
グラキエス家を離れて行くアリーにエリザベスが罵声浴びせかける。
「アリー! 試験に落ちたら、ハワード男爵に嫁がせるからね! あなたにはお似合いよ! ちなみにハワード男爵は今年で60歳になるけど絶倫だそうよ! 魔力0のハズレスキルのあなたにはそれでもいい待遇よ! いいざまだわ! ギャハハハハッ!」
「アリー嬢の合格は七賢人が一人、氷の魔術師ウィリアム・アクア様の推薦状があることから、ほぼ確定事項です。エリザベス嬢も試験を......失礼......年齢が無理でしたね」
「……なんですってぇぇぇぇぇ!!」
騎士ラナも流石にアレな長女エリザベスに腹がたったのか、かなり辛辣だ。
地獄の底から聞こえて来る系の声を出すエリザベス。
「(だめだ……エリザベスお姉様が魔人化している……多分)」
そんな顔になってる長女。流石に父親のジャックでさえ、愛娘から目を背けている。
赤子がいたら泣き出してしまうこと、間違いない。
「(ひいいぃぃっ! これ以上機嫌悪くなったら、こ、殺されるよ! ラナさん止めてぇ)」
「(きっかけは君だから、ラナさんの責任じゃないよ。ちゃんと責任とって、ちょっと痛い目にあったら? 君、無自覚でも、人を傷つけるのは良くないよ)」
聖剣がアリーに突っ込む。流石に黙ってられなくなったのである。彼の心の中はこうである。
『どうしよう。アリーをいじるの面白過ぎる』
アリーの願いもむなしく、エリザベスは般若の形相に、奥歯を噛んでいるのか、奥歯が砕けそうな音がギリギリと聞こえて来る。
「(ああ、これはあかんやつだ)」
アリーは一人、覚悟を決めた。刺される。そう確信した。
こうしてアリー達は長い間住んでいたグラキエス家を離れて行った。
気が付くと、姉のソフィアが手を繋いでくれていた。ソフィアの手のぬくもりを感じ、恵まれていなかった過去を振り返る。
古い屋敷、散々古代書を読み漁ったアリーの粗末な屋根裏部屋。……それらがもうすぐ遠い記憶になる。
「(さよなら私のおうち......みんなで......一緒にご飯を食べたかったなぁ)」
最後まで叶わなかった夢を諦めたアリーは再び自分の実家を振り返った。
すると、見たくもない長女が般若の形相で追いかけてきた。
「アリー! 死ねぇぇええええええ」
「(うう、最後に家族からかけられた言葉がこれって、私って......)」
「(自業自得だよ)」
「(聖剣さん。酷い)」
「(......アリー)」
アリーがいつものように自分のことを魔剣と煽らないことで、本当にアリーが傷ついていると悟ると、聖剣は沈黙した。
ソフィアは治癒魔法クラスが希望だ。
試験は「治癒魔法実技」、「筆記試験」、「面接」が行われる。
みな難問であり、本格的に人材を求めるものだ。
――数時間が経過した。
「ソフィア・グラキエス嬢の試験結果を伝えます」
「……はい」
ソフィアの周りは空気が張りつめる感じがした。当然である。エリザベスは怒りのあまりソフィアのことを失念していたが、合格すれば王都の魔法学園特待生、将来も約束される。一方、落ちればハワード男爵の妻は……運命の瞬間であった。
「筆記試験満点。実技満点。面接、優。よって、試験は合格です!」
「……ッ!」
ソフィアの大きな目から涙がこぼれる。歓喜の涙だ。
「おめでとう、ソフィア嬢。過去最高得点での合格よ。特に、筆記試験が満点なんて……。あなたは主席入学よ」
「……ありがとう……ございます……!」
「キルクルス先生のおっしゃった通りだわ。あなたのような素晴らしい人物に出逢えて、嬉し...いです」
「そんな……こちらこそ光栄です……」
ソフィアはこれまでの閉鎖的な実家、横暴な長女、領地経営もできず、娘を売り飛ばして金を工面しようとする父親。それで学校を退学させられて60歳の金持ちのじじいに嫁がされそうだった身の上から解放されたことに喜びを感じていた。
「ハワード男爵と言えば王都まで噂が聞こえるひひじじいよ。それに、あなたのお姉さん、失礼だけど、性格がちょっとアレね。私の姉にそっくり」
「ラナさんも?」
「ええ、私も同じ境遇だったわ。凄く年上の見たこともない婚約者を作られそうになったし、あなたのお姉さんとそっくりな私の姉。ああいう人達を相手にするのは......いばらの道ね。今までよく頑張ったわね」
「アリーが、アリーが一緒だったので……耐えることができました」
「妹さんに感謝ね。私にもこんな可愛い妹がいたら......さあ、次はアリーさんの試験よ。七賢人が一人になる人物の試験官となれたことに感謝するわ。あなたはこれから出発するのよ。実家に帰ってはダメよ。多分、二度と帰ることはないわ。でも、あなたの未来は輝いているわ。これから自分のため、我が国のために精進して立派な大人になってくれることを切に願うわ」
「......はい!」
こうしてソフィアは合格し、後はアリーの形ばかりの試験が行われるだけとなった。
だが、二人共忘れていた。......グラキエス家には最も性格がアレな母親がいることを。
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説


【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。

ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで商売をして生計を立てていく〜
西館亮太
ファンタジー
「お前は今日でクビだ。」
主に突然そう宣告された究極と称されるメイドの『アミナ』。
生まれてこの方、主人の世話しかした事の無かった彼女はクビを言い渡された後、自分を陥れたメイドに魔物の巣食う島に転送されてしまう。
その大陸は、街の外に出れば魔物に襲われる危険性を伴う非常に危険な土地だった。
だがそのまま死ぬ訳にもいかず、彼女は己の必要のないスキルだと思い込んでいた、素材と知識とイメージがあればどんな物でも作れる『究極創造』を使い、『物作り屋』として冒険者や街の住人相手に商売することにした。
しかし街に到着するなり、外の世界を知らない彼女のコミュ障が露呈したり、意外と知らない事もあったりと、悩みながら自身は究極なんかでは無かったと自覚する。
そこから始まる、依頼者達とのいざこざや、素材収集の中で起こる騒動に彼女は次々と巻き込まれていく事になる。
これは、彼女が本当の究極になるまでのお話である。
※かなり冗長です。
説明口調も多いのでそれを加味した上でお楽しみ頂けたら幸いです
護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜
ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。
護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。
がんばれ。
…テンプレ聖女モノです。

聖女は魔女の濡れ衣を被せられ、魔女裁判に掛けられる。が、しかし──
naturalsoft
ファンタジー
聖女シオンはヒーリング聖王国に遥か昔から仕えて、聖女を輩出しているセイント伯爵家の当代の聖女である。
昔から政治には関与せず、国の結界を張り、周辺地域へ祈りの巡礼を日々行っていた。
そんな中、聖女を擁護するはずの教会から魔女裁判を宣告されたのだった。
そこには教会が腐敗し、邪魔になった聖女を退けて、教会の用意した従順な女を聖女にさせようと画策したのがきっかけだった。

親友に裏切られ聖女の立場を乗っ取られたけど、私はただの聖女じゃないらしい
咲貴
ファンタジー
孤児院で暮らすニーナは、聖女が触れると光る、という聖女判定の石を光らせてしまった。
新しい聖女を捜しに来ていた捜索隊に報告しようとするが、同じ孤児院で姉妹同然に育った、親友イルザに聖女の立場を乗っ取られてしまう。
「私こそが聖女なの。惨めな孤児院生活とはおさらばして、私はお城で良い生活を送るのよ」
イルザは悪びれず私に言い放った。
でも私、どうやらただの聖女じゃないらしいよ?
※こちらの作品は『小説家になろう』にも投稿しています

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~
夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。
「聖女なんてやってられないわよ!」
勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。
そのまま意識を失う。
意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。
そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。
そしてさらには、チート級の力を手に入れる。
目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。
その言葉に、マリアは大歓喜。
(国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!)
そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。
外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。
一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

【完結】人々に魔女と呼ばれていた私が実は聖女でした。聖女様治療して下さい?誰がんな事すっかバーカ!
隣のカキ
ファンタジー
私は魔法が使える。そのせいで故郷の村では魔女と迫害され、悲しい思いをたくさんした。でも、村を出てからは聖女となり活躍しています。私の唯一の味方であったお母さん。またすぐに会いに行きますからね。あと村人、テメぇらはブッ叩く。
※三章からバトル多めです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる