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53カールの部下ゲリンが陰謀をたくらむのだが?
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「おやおや? これは英雄アル様御一行様ではございませんか?」
ダンジョンの入り口で聞いたことのある声の男が呼び止める。
兄、エリアスの友人ゲリンだ。いつかリーゼ達奴隷の亜人を襲って殺そうとした血も涙もない奴だ。この場にいるメンバー全員がゲリンを見る。
その表情から察するにろくなことを考えていないだろう。
「……ゲリン・ヴァーサ様」
クリスは呟く。クリスはゲリンのことを知っているようだ。
同じ魔法学園の通っているのだから当然か。
「クリス、ゲリンを知っているのか?」
「魔法学園でね。色々と。殿下の臣下だから。……で、何の用でしょうか、ゲリン様?」
「いや、そんな怖い顔をしないでくれよ。僕はただ、魔法学園の先輩として1年生の引率をするだけだから、君たちが潜った後の安全なダンジョンに1年生と一緒に入るという事」
見ると、ゲリンは10人ほどの若い魔法学園の―――ぶっちゃけ高校生のブレザーを着た女の子達を引き連れていた。
俺のMark I アイボール、すなわち肉眼ですぐさま胸のサイズをチェック。
だが、残念ながら、Dが二人ほどで、他はC以下だ。残念。
「―――――~~~~ッ!!!!」
クリスに左のお尻の肉を死ぬほど痛くつねられた。
「―――――!!!!」
続いて、リーゼに右のお尻の肉を抉るほどつねられた。
ということがあったのだが、そんなことはおくびにも出さずに
「アル様ご一行がダンジョンに潜られたら、遅れて僕らも潜ります。ご迷惑をおかけするようなことはございませんので、ご安心ください」
「わかった。学園の1年生を頼む。強めの魔物は倒しておくから、安心して欲しい」
絶対何かたくらんでるな。わかってはいても、今更引き返す訳にはいかないし、先に強い魔物を倒しておかないと、魔法学園の1年生が危険だ。
こうして、ゲリンという怪しい存在の危険を感じつつも、ダンジョンに潜った。
「お前、アルの旦那と違って、本物のハズレスキルなんだよな? 立場ははっきりさせておくぞ。お前が先に家臣となっていても、一の家臣は俺様ダニエルだ!」
「お前! ずるいぞ! 俺はいち早くアル様の真の力に気が付いて、一番最初に臣下にして頂いたんだぞ! お前は弟弟子みたいなものだろう? 生意気言うな!」
「はあ? お前、Fランク冒険者だろ? B級冒険者の俺が弟弟子とか何いってんだこいつ」
戦う前からの不和。これは不味い。だが、俺はこの二人のことは想定済だった。
というか、ハズレスキルの臣下フィッシャーの可能性についてだ。
この世界にハズレスキルなど存在しない。あるとすれば神級魔法などの才能魔法スキル。
それが俺の考え。工夫で、スキルは化ける。
「まあ、先陣はフィッシャーに任せる。ダニエル、兄弟子の戦い、良く見ておけよ」
「ア、アルの旦那まで、ぐうっ、わかりました。旦那がそうおっしゃるんでしたら」
☆
「パオーン!」
「ガオオオー!」
「シュー ーーーー!」
その道程は、驚くほどに順調だった。
「おおおおおおっ!! 倍返し!!!!」
ダンジョンに出没する魔物はかたっぱしから、ハズレスキルのフィッシャーが原因なのは言うまでもない。
フィッシャーのハズレスキル――【倍返し】
このスキルは一見強そうだが、自身が受けきれないダメージを受けると死んでしまうだけだ。
だから、ほとんど使い道がない。
しかし。
身体強化の魔道具で体力が5倍になっていたら?
防御強化の魔道具で防御が5倍になっていたら?
「アルの旦那。俺はまたとんでもない失礼を、改めて聞きやすが……これ、どうなってるですかい? 旦那が魔法を? いや、そんなそぶりは?」
「ああ、フィッシャーのスキル【倍返し】の本当の姿だ。フィッシャーには防御5倍の魔道具を装備させた、たいていの魔物は自分の与えた筈のダメージが倍になって帰ってくるんだ」
「はあ? そんなのチートじゃねえですか?」
「まあな」
フィッシャーに襲い掛かる魔物たち。物理的な攻撃も魔法攻撃も、フィッシャーはすべて倍返しで返していく。当然、魔物たちは勝手に弱っていく。
そこに時折リーゼの汎用魔法が炸裂する。
次々と殲滅されていく魔物にダニエルも、いやレオンもクラウスも愕然とした表情で見つめる。
「ダニエル、あのエルフの女の子、リーゼもハズレスキルだ。俺と一緒でな」
「お見それしました。アルの旦那! さすが旦那一の家臣、一番弟子、俺は、俺は――」
「ダニエルにも魔道具渡したよな。ダニエルのスキルも有効活用させてもらうな」
ダニエルは一瞬、顔をくしゃくしゃにした。
そして、ダンジョンの中間点で俺は前衛をフィッシャーからダニエルに変えた。
「ダニエル、ここから先はお前が先頭にたって行け、レオン、クラウス、サポートを頼む」
「お、俺がですかい? 俺はB級冒険者ですぜ? フィッシャーの兄貴ならともかく、俺ごときが先陣だなんて、それにA級冒険者のレオンさんやクラウスさんが俺のサポートなんて」
俺はダニエルに説明した。ダニエルは兄弟子のフィッシャーのスキルを見て、随分と殊勝になった。これは作戦で、実はダニエルもかなり使えるスキル持ちなのだ。むろん一般的にはハズレスキルだが。
「ダニエル、お前には魔力5倍、身体強化5倍にスキル効果5倍の魔道具を渡したよな?」
「へい、確かにお預かりしました。実験をするっておっしゃってました」
「お前のスキルは【バフ】だよな?」
「へい、1.2倍の【バフ】です。中途半端で無能って言われてました」
「スキル効果5倍の魔道具使うとどうなる?」
みんな顔をしかめる。
「アル、みんな算数苦手なのよ」
「そうですよ。アル様、普通、貴族でもないと学校には行ってないですよ」
俺はクリスとリーゼに言われて、はっとした。亜人だけでなく、平民への教育もしなければ。
戦いでも商売でも、農業でも勉強は重要だ。誰でもたくさんの知識が必要だ。これは俺の剣の師、ベルンハルトの意見だ。俺もその通りだと思う。
「すまん。ダニエル、俺が悪かった。答えは6倍だ。お前のスキルはパーティ全体を6倍にできるんだ。これ、ハズレスキルか?」
「お、俺のスキルが……6倍!!」
それからのダニエルのスキル無双は凄まじかった。ダニエルとレオン、クラウス、3人で順調に下層のダンジョンを攻略していく。しかも俺の鑑定の結果わかったのだが、身体強化、魔力強化の魔道具の効果とは別枠だっのだ。だから、魔力の魔道具の5倍×スキル6倍。
30倍とかこいつ、マジか思った。………………早めに消した方がいいか?
ダンジョンの入り口で聞いたことのある声の男が呼び止める。
兄、エリアスの友人ゲリンだ。いつかリーゼ達奴隷の亜人を襲って殺そうとした血も涙もない奴だ。この場にいるメンバー全員がゲリンを見る。
その表情から察するにろくなことを考えていないだろう。
「……ゲリン・ヴァーサ様」
クリスは呟く。クリスはゲリンのことを知っているようだ。
同じ魔法学園の通っているのだから当然か。
「クリス、ゲリンを知っているのか?」
「魔法学園でね。色々と。殿下の臣下だから。……で、何の用でしょうか、ゲリン様?」
「いや、そんな怖い顔をしないでくれよ。僕はただ、魔法学園の先輩として1年生の引率をするだけだから、君たちが潜った後の安全なダンジョンに1年生と一緒に入るという事」
見ると、ゲリンは10人ほどの若い魔法学園の―――ぶっちゃけ高校生のブレザーを着た女の子達を引き連れていた。
俺のMark I アイボール、すなわち肉眼ですぐさま胸のサイズをチェック。
だが、残念ながら、Dが二人ほどで、他はC以下だ。残念。
「―――――~~~~ッ!!!!」
クリスに左のお尻の肉を死ぬほど痛くつねられた。
「―――――!!!!」
続いて、リーゼに右のお尻の肉を抉るほどつねられた。
ということがあったのだが、そんなことはおくびにも出さずに
「アル様ご一行がダンジョンに潜られたら、遅れて僕らも潜ります。ご迷惑をおかけするようなことはございませんので、ご安心ください」
「わかった。学園の1年生を頼む。強めの魔物は倒しておくから、安心して欲しい」
絶対何かたくらんでるな。わかってはいても、今更引き返す訳にはいかないし、先に強い魔物を倒しておかないと、魔法学園の1年生が危険だ。
こうして、ゲリンという怪しい存在の危険を感じつつも、ダンジョンに潜った。
「お前、アルの旦那と違って、本物のハズレスキルなんだよな? 立場ははっきりさせておくぞ。お前が先に家臣となっていても、一の家臣は俺様ダニエルだ!」
「お前! ずるいぞ! 俺はいち早くアル様の真の力に気が付いて、一番最初に臣下にして頂いたんだぞ! お前は弟弟子みたいなものだろう? 生意気言うな!」
「はあ? お前、Fランク冒険者だろ? B級冒険者の俺が弟弟子とか何いってんだこいつ」
戦う前からの不和。これは不味い。だが、俺はこの二人のことは想定済だった。
というか、ハズレスキルの臣下フィッシャーの可能性についてだ。
この世界にハズレスキルなど存在しない。あるとすれば神級魔法などの才能魔法スキル。
それが俺の考え。工夫で、スキルは化ける。
「まあ、先陣はフィッシャーに任せる。ダニエル、兄弟子の戦い、良く見ておけよ」
「ア、アルの旦那まで、ぐうっ、わかりました。旦那がそうおっしゃるんでしたら」
☆
「パオーン!」
「ガオオオー!」
「シュー ーーーー!」
その道程は、驚くほどに順調だった。
「おおおおおおっ!! 倍返し!!!!」
ダンジョンに出没する魔物はかたっぱしから、ハズレスキルのフィッシャーが原因なのは言うまでもない。
フィッシャーのハズレスキル――【倍返し】
このスキルは一見強そうだが、自身が受けきれないダメージを受けると死んでしまうだけだ。
だから、ほとんど使い道がない。
しかし。
身体強化の魔道具で体力が5倍になっていたら?
防御強化の魔道具で防御が5倍になっていたら?
「アルの旦那。俺はまたとんでもない失礼を、改めて聞きやすが……これ、どうなってるですかい? 旦那が魔法を? いや、そんなそぶりは?」
「ああ、フィッシャーのスキル【倍返し】の本当の姿だ。フィッシャーには防御5倍の魔道具を装備させた、たいていの魔物は自分の与えた筈のダメージが倍になって帰ってくるんだ」
「はあ? そんなのチートじゃねえですか?」
「まあな」
フィッシャーに襲い掛かる魔物たち。物理的な攻撃も魔法攻撃も、フィッシャーはすべて倍返しで返していく。当然、魔物たちは勝手に弱っていく。
そこに時折リーゼの汎用魔法が炸裂する。
次々と殲滅されていく魔物にダニエルも、いやレオンもクラウスも愕然とした表情で見つめる。
「ダニエル、あのエルフの女の子、リーゼもハズレスキルだ。俺と一緒でな」
「お見それしました。アルの旦那! さすが旦那一の家臣、一番弟子、俺は、俺は――」
「ダニエルにも魔道具渡したよな。ダニエルのスキルも有効活用させてもらうな」
ダニエルは一瞬、顔をくしゃくしゃにした。
そして、ダンジョンの中間点で俺は前衛をフィッシャーからダニエルに変えた。
「ダニエル、ここから先はお前が先頭にたって行け、レオン、クラウス、サポートを頼む」
「お、俺がですかい? 俺はB級冒険者ですぜ? フィッシャーの兄貴ならともかく、俺ごときが先陣だなんて、それにA級冒険者のレオンさんやクラウスさんが俺のサポートなんて」
俺はダニエルに説明した。ダニエルは兄弟子のフィッシャーのスキルを見て、随分と殊勝になった。これは作戦で、実はダニエルもかなり使えるスキル持ちなのだ。むろん一般的にはハズレスキルだが。
「ダニエル、お前には魔力5倍、身体強化5倍にスキル効果5倍の魔道具を渡したよな?」
「へい、確かにお預かりしました。実験をするっておっしゃってました」
「お前のスキルは【バフ】だよな?」
「へい、1.2倍の【バフ】です。中途半端で無能って言われてました」
「スキル効果5倍の魔道具使うとどうなる?」
みんな顔をしかめる。
「アル、みんな算数苦手なのよ」
「そうですよ。アル様、普通、貴族でもないと学校には行ってないですよ」
俺はクリスとリーゼに言われて、はっとした。亜人だけでなく、平民への教育もしなければ。
戦いでも商売でも、農業でも勉強は重要だ。誰でもたくさんの知識が必要だ。これは俺の剣の師、ベルンハルトの意見だ。俺もその通りだと思う。
「すまん。ダニエル、俺が悪かった。答えは6倍だ。お前のスキルはパーティ全体を6倍にできるんだ。これ、ハズレスキルか?」
「お、俺のスキルが……6倍!!」
それからのダニエルのスキル無双は凄まじかった。ダニエルとレオン、クラウス、3人で順調に下層のダンジョンを攻略していく。しかも俺の鑑定の結果わかったのだが、身体強化、魔力強化の魔道具の効果とは別枠だっのだ。だから、魔力の魔道具の5倍×スキル6倍。
30倍とかこいつ、マジか思った。………………早めに消した方がいいか?
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読んで頂いててありがとうございます! 第14回ファンタジー小説大賞 参加作品 投票していただけると嬉しいです! ブックマークもね(__)
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